大項目2 地産地消の学校給食のさらなる充実のために 未定稿
昨年12月、「地場産物を生かしたわが校の自慢料理」をテーマとした「全国学校給食甲子園」で美乃浜学園が日本一となりました。その献立には、茨城県産の食材が約7割使われ、彩りよく充実した献立と評価されました。今年2月には、県産食材を使用した献立を競う「学校給食献立コンテスト」で、外野小学校が「茨城県知事賞」を受賞しました。給食に対する熱い思いは受賞した学校だけではなく、本市全体のものであると思います。栄養教諭さん、調理員さんの日頃からの頑張りに心から感謝するとともに、おいしい給食を毎日食べられる子どもたちを幸せに思います。
今、親の就労の不安定さ、共働きによる生活のせわしなさ、さまざまな家庭環境の複雑さなどがあるなか、子どもの健やかな成長を心身共に保障するために、学校給食の果たす役割は非常に大きくなっていると思います。安全・安心で栄養たっぷりのおいしい給食を子どもたちに提供していくために、以下質問します。
(1)給食費に公的補助を
学校給食で、地産地消、安全・安心で旬の食材を豊富に使用するうえで、現在の急激な物価高騰は、決められた給食費の中でのやりくりを非常に困難にしていると考えます。そこで、現状と今後の対応策について伺います。
(2)地元産の野菜を豊富に
本市の学校給食は「地場産」「県産食材」を豊富に使っていることで高く評価されています。今後は「地元産」つまり、本市で生産された食材の割合をさらに増やしていくことを求めたいと思います。生産者の高齢化や後継者不足で本市の農家戸数は年々減少していますが、学校給食で本市の農業を応援し守り、育成していくこともできると考えます。
そこで、現在の地元産の利用割合と今後の考え方について、伺います。
(3)地元産米のさらなる利用を
ヘルシーでありながら栄養豊富な和食は今や世界的に評価されています。どんなおかずにも合うのが米飯です。しかし、コメの消費量は減少する一方で、米価は生産費を下回るほど下落しています。コメ農家を守るためにも、また輸入小麦が高騰している今だからこそ、思い切って米飯給食の回数を増やすことが必要ではないでしょうか。小麦粉の代わりに米粉を利用したメニューの開発も可能ではないかと考えます。そこで、米飯給食の回数を増やすことと、米粉の利用についての、お考えを伺います。
答弁 湯浅教育部長
本市の給食費は、小学校で4300円、中学校で4700円となっており、平成26年度に小中学校共に200円引き上げを行って以降、改定は行っていません。一方で平成26年度と今年度の食材費を比較すると、主食については米飯の価格は1食当たり約12.8%、パンの価格は約25.8%上昇しています。特にパンの価格については昨年度比で約9.2%の上昇となっており、昨今の物価高騰の影響が顕著に表れています。こうした状況の中、限られた給食費でやりくりするため、各小中学校では献立の見直しなどの工夫により対応しているところです。今後は物価高騰の学校給食に与える影響を注視し、適切な支援策について検討していきます。
(2)地元産の野菜を豊富に
現在の地元産の食材の利用割合については、県が実施する学校給食における地場産物の活用状況調査において報告しています。この調査は県が指定する特定の期間において学校給食の食材に地場産物がどの程度活用されているのかを集計するものです。令和3年度の調査においては、本市学校給食の県内産食材の使用割合は県平均67.4%に対し、本市は68.2%で、うち市内産食材の使用割合は年々増加し13.2%となっています。こうした中で学校給食においてもJAひたちと市学校給食会の契約に基づき収穫時期に合わせた旬の地元の野菜を使用しています。これにより食生活が自然の恩恵や食にかかわる人々の様々な活動の上に成り立っていることについて、児童生徒の理解を深め感謝の心をはぐくむことにつながっています。今後も関係機関と協力しながら学校給食への地元産の野菜の活用に努めていきます。
(3)地元産米のさらなる利用を
現在週5回の学校給食のうち3回程度米飯としており、すべて市内産のコメを使用しています。米飯給食は児童生徒に米飯を中心とした日本型の食生活やその味覚を伝承するため重要なものであるとして、国も一層の推進を図っているものです。こうしたことから米飯給食の回数については、献立のバランスや児童生徒の好みなども考慮しながら検討を重ねていきます。
次に米粉を利用したメニューの開発についてですが、平成29年度に調理員及び栄養教諭を対象として実施した調理衛生講習会において米粉のクリームスパゲティを開発して以降、米粉チキンや米粉シチューなど様々なメニューを開発しています。今後も市内小中学校の栄養教諭で構成する市学校給食会、栄養士会を中心として新たなメニューの開発に努めていきます。
再質問 宇田
(1)給食費に公的補助を
本市の給食費は各学校の私会計で、保護者から徴収する給食費のみで毎月業者に支払いをしているので、先ほどの答弁では適切な支援策を検討するということでしたけれども、できるだけ早く検討し、実施することが必要だと思っています。今国からの、対応に合わせて交付金も出ていますので、そのあたり、交付金を活用するということも含めてどのようにお考えか伺います。
答弁 湯浅教育部長
先ほど物価の高騰等の影響を注視し適切な対応策を検討していくということでご答弁を申し上げました。議員の方からもございました、交付金の活用、これも含めてどのような支援策があるかということを早急に検討していきたいと思います。
再質問 宇田
毎月毎月の献立とその支払いに関わってきますので、早急に検討し決断していただきたいと思います。一方、今年は国の交付金も使えるということですが、では来年度以降はどうするのかということが心配です。
給食費は、そもそも、「義務教育は無償」と明記された憲法26条に基づき、国の責任で無償にすべきと考えます。しかし、国がその責任を果たさない中、住民の生活に一番近い基礎自治体が、今年は国の交付金があるからということではなく、以前から多くの自治体で独自の予算を使って保護者負担の軽減や無償化を進めてきています。
本市の給食費、小学校で月4300円、中学校で4700円というのは、今では県内44市町村で4番目に高い額です。県内では、給食費を全員無償、2人目や3人目から無償などとしている自治体がすでに10自治体あります。その10自治体を含め、県内36の市町村では公費を入れてすでに保護者負担を軽減しています。
そこで、本市の給食費の保護者負担の軽減に対する考え方ですが、国の交付金を使った今年度限りの特例と考えるのか、来年度以降についても考えるのか、伺います。同時に保護者負担の軽減という場合、これ以上引き上げないということなのか、あるいは給食費の引き下げを行うことも含まれるのか、伺います。
答弁 湯浅教育部長
次年度以降の対応ですが、今年度の対策をこれから考えていくという中で、次年度以降についても今後の物価高騰の状況、これを十分に見極めながら判断していきたいというふうに考えているところです。
意見 宇田
「子育て世代に選ばれるまち」を目指す本市として、学校給食費の無償化、負担軽減はもう無視できない政策課題となっていると考えます。先ほど2期目に挑むと市長の決意も語られましたが、そこに向けて市長には、ぜひ、前向きな検討をお願いしたいと思います。
再質問 宇田
(2)地元産の野菜を豊富に
地場産の野菜を豊富にということで、13.2%、年々ひたちなか産が伸びてきているということでしたが、13.2%にとどまっているということで、これはもっと積極的に地場産品を使っていくという具体的な取り組みが必要であると考えます
例えば、東京都日野市では市が指定した農産物の栽培に対し奨励金を支払うことで、学校給食の地元産の利用率が32%の水準まで上がったということです。小平市では、地元産物の購入費の一部を補助することで、2%台だった利用率が30%に上がったということです。和歌山県では、輸入小麦を使った学校給食パンから除草剤グリホサートが検出されたという情報を知ったお母さんたちが中心になり、「安全な食材を学校給食に」という思いで広範な方の協力を得て、小麦を自ら栽培し、その小麦を学校給食のパンに使う取り組みが進んでいます。
そのような取り組みからわかるのは、教育委員会、学校栄養士、農協や農家の方、保護者、地域の方などが、みんなで連携して取り組んでいること、そして、行政が財政的なサポートをしていることです。
そこで、今後学校給食で本市の農産物の利用を大胆に進めていくために、ぜひ先進事例に学び、担当課の枠を超えさまざまな機関と連携し、新たな取り組みに挑戦していただきたい考えますが、いかがでしょうか。
答弁 湯浅教育部長
本市の学校給食においては季節ごとにJAを通して納品可能な市内産の野菜を使用しています。しかしながら必要数量に対して供給が追い付かない野菜もあるのが現状です。そこで今年度から、JAひたちのひたちなか地区学校給食部会に所属する生産者と市内学校の栄養教諭との意見交換会を開催しています。この意見交換会では市内産野菜の生産体制の現状や学校側の希望などについて相互理解を図ることで学校給食における市内産野菜の活用にかかる課題の解決を目的として開催しています。今後もJAの生産者のほか市の担当部局とも連携を図りながら学校給食への市内産野菜の活用に努めていきます。
意見 宇田
地元産米の利用についてですが、本市は業者に米飯を運んでもらうということのほかに、自分の学校の給食室に炊飯設備を設けて自校で米飯を炊くという取り組みも徐々に進んでいます。自校給食といった場合に、やはり米飯だけお弁当箱に入って業者から運ばれるのではなくて、私は当然自分の学校で炊いて温かいご飯が、お弁当箱ではなくて、ご飯の器で提供されるということが当然だろうと思っていますので、そういう取り組みとも合わせて米飯給食の回数を具体的に増やしていっていただきたいと要望したいと思います。
学校給食をもっともっとよくしていくということを真ん中にすえた取り組みで、さまざまな課題の解決と本市の発展にもつながると考えますので、今後の取り組みにぜひ、期待したいと思います。