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モダニズムだけじゃない建築ブログ

若手建築家がリノベした歴史的建築物

2013年07月25日 23時16分21秒 | 建築

 小樽市は道内でも歴史的建築物が多く残る街である。しかし、それら歴史的建築物を維持補修するための、市の予算は極めて少ないようだ。PRESS CAFÉが入っている「旧渋澤倉庫」のオーナーからもそのような話を伺ったことがある。小樽市の歴史的建造物に指定された建築を、上手く利用している好例がある。「(旧)岡川薬局/Café White」は建築家・クリエイティブディレクターの福島慶介氏が2009年に建物を購入し、2010年から営業を開始した建築で、Caféの他にイベントスペースやギャラリー、宿泊施設としても使われている。

 屋根形状は四方が折れ屋根形状のマンサード屋根である。薬局時代の店舗部分は天井がとても高く、現在はその空間を利用して2階に渡るカフェスペースとしている。

 カフェスペースは建築家であるオーナーのデザインが秀逸である。白を基調とした空間は吹き抜けを中心として構成されていて、実際の床面積よりとても広く感じる。吹き抜け部2階は壁面を利用するように客席が配置されている。まるで、小樽に多く残る歴史的銀行建築の、縮小版のようだ。

 パントンチェアやイームズのロッキングチェアも白で統一されている。

 Café Whiteの名の通りである。

 テレビで紹介され、訪れた日には多くの客で賑わっていた。PRESS CAFÉもそうだが、歴史的建築物が用途を変えてでも大切に使い続けられることは、とても良いことである。日本の経済はもう長い期間厳しいことになっている。このように多くの歴史的建築物の保存が、民間の企業や個人の力に頼っている現状は、何とかならないかと思う。

「(旧)岡川薬局/Café White」
設計者:? 竣工:1930年 小樽市若松1-1-7
小樽市指定歴史的建造物



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
文化財に泊まる。 (isamu)
2013-08-06 07:59:31
どうもです。

昨日、静岡県の伊東市にある温泉付きホステルへの一泊家族旅行から帰宅しました。 閉館した老舗旅館を購入し、旅行者向けの素泊まり宿泊所として運営されているホステルです。 文化財に泊まることができる機会はなかなか無いのでオススメです。 リフォームの際に建物に変な味付けがなされておらず、昭和そのままの建物です。 海近く川の横に木造三階建てという当時としては結構頑張っている建物でした。
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遅くなりましたー!済みませーん! (moro)
2013-08-11 18:41:20
文化財に宿泊するのは、本当にワクワクします!慌ててisamuさんのブログを拝見しましたら、ホステルの写真ではなくて、熊出没の写真が!ブルブルガクガク!(笑)
今年、前半超低空飛行してましたので、これから徐々に高度を上げます。(まだ無理かな?苦笑)
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