野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

サカキ(モッコク科)とヒサカキ(モッコク科)神事はどちらを使う

2023-07-05 | フィールドガイド--植物編--

サカキ(モッコク科)とヒサカキ(モッコク科) 

 

エングラーの分類ではツバキ科だったが、APGではモッコク科と記されている。

 

皆さんの地域ではサカキとヒサカキをどのように利用されています。

今は流通がしっかりしているので、神前にはサカキ、仏前にはヒサカキがあたりまえになっていませんか!

神事や仏事で扱われやすい植物のサカキとヒサカキ

日本列島でも、サカキが生えない地域もあり、ヒサカキをサカキとよび利用されてきた歴史があります。

(毎年、恒例のナチュラリストクラブの最終回が民俗学と植物の話、そのなかから今回はサカキとヒサカキ)

 

サカキ

枝、葉は神前に玉串として供えられる。(供えられるのは「サカキ」だが、ヒサカキを使う(「サカキ」は関東地方以北に自生しない)ところもある)

葉の表面はのっぺりとしていて緑が濃く、縁が滑らかな曲線になっている。枝の先端の芽はやや大きく、 弓なりに曲がり鷹の爪に似ている。

サカキの花は6月ごろ。11月ごろに黒い実がつく。

「榊」 は日本で作られた漢字で、 木へんに神。その漢字のとおり、 古くから神棚に供えるなどの神事に使われているため、神社に良く植えられています。

 

ヒサカキ

照葉樹林のなかではふつうにみられる樹木。岩手県、秋田県以南から四国、九州、琉球列島、および朝鮮半島南部、台湾、中国、インド、マレーなどにに分布する

別名もビシャコ(関西)、シバ(九州)ヒシャシャギ、シャシャキ、クサカキなど数多くある。日常に利用されてきたことが名前の豊富さからわかる。地域によってはヒサカキを「サカキ」というところもある。(例 新潟県佐渡、中国地方や四国など また、岡山県北部ではヒサカキがないのでソヨゴを使うという)

花は3から4月に黄を帯びた白から赤紫色まで。

ヒサカキの灰はムラサキの根で染める江戸紫やアカネ染めの媒染剤に使われた。そのため、それ用にヒサカキを栽培もされていたようだ。アルミニウムが含まれているので貴重な灰になる。

サカキは神前がおもだが、ヒサカキはサカキの代わりの神前ばかりか、シキミのかわりに墓・仏壇へのお供えなどとして利用されている。


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