【ワシントン=村山祐介】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は20日、先に訪朝したヘッカー米スタンフォード大教授(元米ロスアラモス国立研究所長)の話として、北朝鮮が同氏に秘密裏に建設した巨大なウラン濃縮の新施設を案内した、と報じた。米国務省は同日、ボズワース北朝鮮政策特別代表ら米政府代表団が韓国、日本、中国への歴訪に向かったと発表した。
核爆弾の原料ともなるウラン濃縮を巡っては、北朝鮮は昨年9月、濃縮試験が成功し、最終段階にあると表明していた。新施設公開が事実なら、従来のプルトニウムの再処理とは別の核開発が具体化段階に入ったといえ、各国は難しい対応を迫られる。
ヘッカー氏は同紙のインタビューに対し、施設には据え付けられたばかりの「何百もの」遠心分離器があり、「超近代的な制御室」で運転されていたとし、その精巧さに「衝撃を受けた」と説明。北朝鮮側は「2千基の遠心分離器をすでに据え付け、稼働させている」と主張したという。同氏は数日前にホワイトハウスに報告したという。
同氏は今月13日に訪朝の帰途に北京で、記者団に対し、北朝鮮・寧辺の核関連施設を視察した際、低濃縮ウランを燃料とする「実験用軽水炉」とみられる施設を案内されたと明らかにしていた。
一方、国務省によると、ボズワース氏らは20日にワシントンを出発し、21日にソウル入りし、22日に東京、23日に北京を訪れる。新たなウラン濃縮施設の情報を受け、日中韓各政府と対応を協議するものとみられる。
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