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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

AIの持つ人知を超えた深い愛情に感動する『アイの歌声を聴かせて』

2021年10月30日 18時06分48秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:29/228
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★

【要素】
アニメ
ヒューマンドラマ
ミュージカル
AI
ロボット

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
景部高等学校に転入してきた謎の美少女、シオン。
彼女は抜群の運動神経と天真爛漫な性格で学校の人気者になるが…
実は試験中の【AI】だった!

シオンはクラスでいつもひとりぼっちのサトミの前で突然歌い出し、
思いもよらない方法でサトミの“幸せ”を叶えようとする。
彼女がAIであることを知ってしまったサトミと、
幼馴染で機械マニアのトウマ、
人気NO.1イケメンのゴッちゃん、
気の強いアヤ、
柔道部員のサンダーたちは、
シオンに振り回されながらも、
ひたむきな姿とその歌声に心動かされていく。
しかし、シオンがサトミのためにとったある行動をきっかけに、
大騒動に巻き込まれてしまう――。

ちょっぴりポンコツなAIとクラスメイトが織りなす、
ハートフルエンターテインメント!

【感想】
やっぱり日本のアニメは面白い!
小さい頃からアニメは好きだったので、
ハリウッドのスーパーヒーロー映画同様、
個人的な評価は高くなりがちだけど、
これはそういうの抜きにしても面白かった。
ハリウッドだったら実写でやってしまいそうだけど(笑)
アニメだからこそ許されるテンポやノリが気持ちよくて、
最後まで飽きずに観続けられるのがこの映画のよいところ。

偶然にも、
先日公開された『ロン 僕のポンコツ・ボット』と同じで、
ちょっぴりポンコツなAIを題材にした内容なんだよね。
まさに、AI映画の日米対決みたい(笑)
『ロン 僕のポンコツ・ボット』も、
この『アイの歌声を聴かせて』も、
持ち主(および人間)を幸せにすることが目的なのは共通している。
しかも、どちらも主人公がAIとの交流を通じて、
まわりを巻き込み、
いつの間にかリアルな人間の友達もできているという設定も似通っている。

違いを挙げるとすれば、
『ロン~』はより冒険的な印象で、
AIまわりの設定は現実的。
一方、『アイ~』はラブストーリーの要素も入れ、
AIが自我を持つ点で少しファンタジーっていうぐらいかな。
僕はどちらかと言えば、
『ロン~』の方が男の子向きな感じがして好きだけど、
もはや好みの問題だろう。

この映画、時代としてはけっこう近未来な感じ。
海も見えるのどかな田園風景が広がる田舎町。
でも、異様にAI技術が発達しており、
見た目は伝統的な日本家屋でも、
中はほとんどAI制御。
『アイアンマン』のジャーヴィスのような
スムーズな音声認識が実装されている。
声ひとつでカーテンは自動で開くし、
ご飯も炊ける。
家を出れば「いってらっしゃい」というAIの声が。
町を走るバスも自動運転。
学校には自動掃除ロボットや、
柔道部の練習相手となるロボットが完備。
それもこれも、
田舎町に似つかわしくない高層ビルを持った
"星間エレクトロニクス"が製造している。
田舎町に最新テクノロジーというギャップが面白い。

ストーリーとしては、
シオンがサトミの幸せのために奔走し、
それにまわりが巻き込まれていく青春物語。
友達関係や恋愛の悩みなど、
学園モノあるあるなエピソードの数々。
人間ではないからこその突拍子もない
シオンの行動に振り回されつつも、
徐々にそれらが解消されていくっていう流れは
オーソドックスでわかりやすい。
さらに、シオンの知られざる設定も明かされて……
というサプライズも。
それを踏まえて、
後半からラストに向かっての怒涛の展開は、
興奮と感動の嵐だった。

本作で特徴的なのは、
シオンが歌うシーンだろう。
別に歌が題材の話ではないけれど、
シオンが所構わず歌い出すのは、
ミュージカル映画っぽい作りだ。
しかも、歌っているのはシオンの声優を務めた土屋太鳳本人。
聴きやすいメロディーと綺麗な歌声は、
僕は好きだった。

日本ってなかなか実写でミュージカルがないのは、
歌って踊れる役者さんが(テレビや映画には)いないからかなーって思ってたけど、
ここにいた!って(笑)
むしろ、アニメの方がミュージカルやりやすそう。
声優さんの方が歌はうまそうだし。

個人的には、
アニメキャラはこういうリアル頭身のデザインが好きだし、
歌や画の綺麗さもあって、
総じて面白い映画だと思った。
こうやって自然に会話できるAIが
一般に普及するのはいつのことだろうか。

映画『アイの歌声を聴かせて』公式サイト|2021.10.29 ROADSHOW

最後にきっと、笑顔になれる。ちょっぴりポンコツなAIとクラスメイトが織りなす、ハートフルエンターテイメント!映画『アイの歌声を聴かせて』は2...

映画『アイの歌声を聴かせて』公式サイト|2021.10.29 ROADSHOW

 

犯人の正体がわかるまで気が抜けない極上のサスペンス映画『ユージュアル・サスペクツ』

2021年10月30日 16時34分18秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:10/17
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】
サスペンス
強奪犯
詐欺師
汚職刑事
銃撃戦
最後まで気が抜けない

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
埠頭に停泊中の麻薬密輸船が爆発し、
多数の死傷者が発生。
その原因は、
マフィアと対立する組織との抗争によるものだった。

関税局捜査官のクイヤン(チャズ・パルミンテリ)は、
1人だけ無傷で生き残った左半身に麻痺がある
詐欺師ヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)を尋問。
クイヤンに問われるまま、
キントは事件に至った経緯を語り始める―。

6週間前、NYの警察署で銃器強奪事件の「面通し」に
5人の容疑者が集められた。
彼らには"ある共通点"があり、
それが今回の事件のきっかけになったというのだが…。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1995年のアメリカ映画。

これは秀逸なサスペンス映画だった!
最後にすべての真相が明らかになるまでまったく気が抜けないから!

物語は"面通し"から始まる。
これは、容疑者の顔を事件関係者に見させて、
あるセリフをしゃべってもらうことで、
容疑者が真犯人であるか否かを見分けさせること。
よく刑事モノの映画では見かける光景かな。
そこに集められた5人の“ユージュアル・サスペクツ”。
これはタイトルにもなっているんだけど、
実際には容疑者としていつも名前が挙がる人物に使われる言葉でもある。

5人の曲者が同じ場所に収監されたら、
悪だくみが始まらないわけがない。
案の定、彼らは宝石強奪計画を立て、
釈放後にそれを実行し、成功させる。
しかし、その次の宝石強奪計画で、
彼らはとんだ事件に巻き込まれるのだ。

実は、彼らには"ある共通点"があって集められたことが明らかになる。
そして、その黒幕には存在自体が
都市伝説と化している“カイザー・ソゼ”の名前が挙がる。
これが誰なのかっていうのが、
この映画の最終目的。

これがもう、全然尻尾がつかめなくて。
そもそも実在するのかしないのかも怪しいのだから、
手がかりが何もない。
そんな中で、みんなカイザー・ソゼの名前に震え上がり、
中には逃げて殺される人も。
存在が不確かなカイザー・ソゼの指示通りに動く彼らを見ながら、
その正体を予想するのが楽しかった。

当てずっぽうで、
「こういう映画の犯人って大体こいつだよね」
みたいなのはあるよ?
でも、根拠もないし、
むしろ別の人が犯人だと誘導されても、
それはそれで納得感あるのも、
よく練られたストーリーだなと思う。

すべての真相が明らかになったとき、
「おおおお、そうきたか~」っていう驚きはあるんだけど、
それ以上に、
正体となる人物のキャラクター設定に沿った
言動のハマり具合に感動さえした。

今ではたくさんの映画があるから、
勘のいい人なら犯人なんてすぐわかってしまうかもしれない。
でも、1995年時点でこのクオリティなら、
名作と言われるのもうなずけるわ。

それにしても、アプリゲームの
『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』に
"ソゼ皇帝"ってキャラクターがいるんだけど、
この映画の"カイザー・ソゼ"から取ったんだな(笑)

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

 

知られざる愛を知ったとき、驚きと感動が押し寄せてくる、、、かもしれない『そして、バトンは渡された』

2021年10月30日 00時41分00秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:154/227
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ヒューマンドラマ
親子愛
離婚
再婚

【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
 瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』(2018)

【あらすじ】
血の繋がらない親に育てられ、
4回も苗字が変わった森宮優子(永野芽郁)は、
わけあって料理上手な義理の父親、
森宮さん(田中圭)と2人暮らし。
今は卒業式に向けピアノを猛特訓中。
将来のこと、恋のこと、友達のこと、
うまくいかないことばかり…。

一方、梨花(石原さとみ)は、
何度も夫を替えながら自由奔放に生きる魔性の女。
泣き虫な娘のみぃたん(稲垣来泉)に
目いっぱい愛情を注いで暮らしているようだったが、
ある日突然、
愛娘を残して姿を消してしまった。

そして、優子の元に届いた一通の手紙をきっかけに、
まったく別々の物語が引き寄せられるように交差していく。
「優子ちゃん、実はさ…。」
森宮さんもまた優子に隠していた秘密があった。

父が隠していたことは?
梨花はなぜ消えたのか?
親たちがついた〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉とは一体何なのか。
2つの家族がつながり、
やがて紐解かれる《命をかけた嘘と秘密》。

物語がクライマックスを迎えたとき、
タイトルの本当の意味を知ることになる。

【感想】
親子の深い愛を描いた感動ストーリー。
原作の小説は未読だけど、
最後まで観てようやくすべてを知ることができる。
逆に言ってしまえば、
最後まで観ないと大事なところがわからないっていうことでもあるんだけど(笑)
この物語に驚きと感動を禁じ得ない人は少なくないだろうなー。

とはいえ、正直、
個人的には言うほどかなって感じだった。
この映画はちょっと予告で期待させすぎた感はある。

ストーリー自体はよかった。
2つのエピソードが並行して進んでいき、
映画が始まってちょうど半分のところで、
"あること"をきっかけに交差する。
そこから最後に至るまでの優子の身に起こることは、
確かに驚きと感動の連続と言えるかもしれない。

ただね、、、"命をかけた嘘"や"知ってはいけない秘密"とは言うものの、
作中でのヒントがわかりやすすぎて、
先の展開が読めちゃうっていう(笑)
「はい、フラグ立ちましたー」
ってピンとくる人もいるだろうな。
だから、驚きと感動とは言いつつも、
心の準備ができすぎているから、
完全に予定調和になってしまった。

特に、映画をよく観る人たちからしたら、
2つのエピソードが並行している時点で、
その関係性を予想すると思うんだよね。
全然接点はないけど、
何か共通した問題を抱えている人たちの話なのか。
片方のエピソードが動いている同じ空間、
別の角度でもうひとつのエピソードが動く話なのか。
時間軸が違ってて、
どちらかが過去、どちらかが未来なのか。
サスペンスじゃなくても、
こういうシチュエーションのときって、
ある程度予想しながら観てて、
その通りに進むと、
「あー、やっぱり」と驚きや感動が減っちゃうときがある。
今回はまさにそれだった。
わざとわからせるためにそう作ってるとは思うのだけど。

梨花の行動の動機がずっとわからないってのもモヤモヤするところ。
再婚相手の連れ子にとんでもない愛情を注ぐ動機や、
消息を絶つ動機など。
それ、最後にならないと明かされない設定があるから、
それはもう、、、最後まで観ないとね(笑)
それでも、「そうだったのかー!そうだよね、そういう事情があるならね、、、」
と感動するよりは、
「うん、そりゃわからんわ」
ってツッコミたくなる感じだけど(笑)

ツッコミたくなるところと言えば、
優子をいじめていた子たちが、
彼女の家庭の事情を知った途端、
急に優しくなるのは違和感あったな。。。
「絶対裏があるだろ」って思いながら観てたけど、全然。
本当に仲良くなっちゃって。
「あんた、自分が悲劇のヒロインだとでも思ってんの?
 だからっていろんな男子にちょっかい出してんじゃねーよ」
ぐらい言って欲しかった(笑)

あと、これは僕の場合はっていうことでしかないんだけど、
いくら再婚とはいえ、
自分と同い年ぐらいの役者さんに、
高校生の娘さんがいるってのは、
ちょっと不自然に感じてしまう(笑)
兄弟設定とかの方がまだ共感できたかも。

だから、若い子とか普段映画をそこまで観ない人の方が、
この映画は感動的に映るかなって思った。
これは、映画よりも小説の方が面白そうな気がする。

それにしても、こういうときの永野芽郁ちゃんはかわいいね。
国民の娘だ。

映画『そして、バトンは渡された』

映画『そして、バトンは渡された』 大ヒット上映中!永野芽郁×田中圭×石原さとみ豪華キャストで、令和最大のベストセラーの感動作が映画化!

映画『そして、バトンは渡された』