Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

ティファニーで朝食を食べない『ティファニーで朝食』を

2021年04月30日 15時54分27秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:3/3
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
ムーン・リバー
ティファニー


【あらすじ】
ニューヨークのアパートで猫と暮らしている
娼婦ホリー(オードリー・ヘプバーン)。

ある日、彼女のアパートに
作家志望の青年ポール(ジョージ・レパード)が引っ越してくる。
自由奔放なホリーに最初はとまどっていたポールだが、
次第に彼女の不思議な魅力に惹かれていく。

ところが、テキサスからホリーの夫が彼女を連れ戻しにやって来て……。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1961年のアメリカ映画。

美しい。
ただただ美しい。
お話が、画が、オードリー・ヘプバーンが。

今年の10月5日でちょうど60年経つんだ、
この映画が公開されて。
これには時を超える面白さがあるよ。
いや、面白いという表現が正確かわからないほどに、
それ以上の感動や情愛を感じるのがこの映画の魅力。

それは何に起因するんだろうかって
ずっと考えていたんだけど、
僕は複数あると思っている。

まず、テーマが不変の「男女の愛」。
これは男と女がいる限り、
いつの時代に観てもわかりやすいんじゃないかな。

次に、オードリー・ヘプバーンの美しさ。
顔が小さくて特徴のある美人だから、
とても印象に残りやすい。
だから、あのサングラスをちょっと下にさげた、
いたずらっぽい表情がメチャクチャかわいいし、
着ている服すべてが映える。

最後に、メインテーマの『ムーン・リバー』。
これは日本でもCMにたくさん使われてきたせいで、
歌だけ知ってる人は多いだろう。
優しくて情緒的なメロディーは、
この映画と合わせて聴くと自然と涙が出てくる。

でもやっぱり、オードリー・ヘプバーンの魅力が一番かな。
彼女を観るたびに、
女優という仕事って本当に尊いなと思う。
もう亡くなって28年経つけど、
いまだに名作として語り継がれ、
その美しさで人々を魅了するんだから。

今となっては、
もはや後出しジャンケンみたいなものだけど、
オードリー・ヘプバーンの人柄を知ると、
さらにこの映画がよいものに見えてくる。

彼女は自分の見た目にコンプレックスがあったらしい
(いや、すべての顔面コンプに謝れって言いたいぐらい、
 贅沢な悩みだと思うけどw)。
だから、目をかけてもらうだけでもありがたいと感謝し、
時間は遵守し、
セリフも完璧に覚え、
周囲の人たちへの礼儀と尊敬を忘れなかったそうだ。
そういうエピソードが
彼女をより一層美しく感じさせるんだよね。

そんな素晴らしい作品だけど、
時代的なものもあって、
今では理解されなさそうな描写もある。
ラストでポールが言う
「お互いに所有し合うことで人は幸せになれる」というのは、
今の感覚だとかなり時代錯誤な気もする。
まあ、それはホリーが自由奔放だったからこそ、
自分のところに留めておくためのセリフなんだろうけど。

逆に、現代でも共通しそうな設定もある。
ホリーは金持ちの男と遊んでお小遣いをもらってるから、
それパパ活じゃないのって(笑)
ポールも売れない作家だけど、
金持ちマダムからお金をもらって体を売ってるから、
それママ活じゃないのって(笑)
こういうのは昔からあるんだね。

また、この映画を今「新作」として公開したら、
バッシングを受ける可能性は否定できない。
日系アメリカ人ユニオシの描かれ方が差別的だから。
チビ、出っ歯、メガネという見た目に、
神経質な性格っていう悪意ある描かれ方。

まあ、当時のアメリカ人は日本人のことをよく知らなかっただろうから、
致し方ない部分もあるとは思うけど。
日本のバラエティで欧米人を演じるとき、
すぐに付け鼻するようなものかな。

ちなみに、そのユニオシを演じたのは
ミッキー・ルーニーというアメリカ人の俳優だけれど、
別に彼自身がレイシストだったわけではないことは付け加えておこう。
むしろ、彼は生涯で8人の配偶者がいるほど魅力的だったようだ(笑)

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

 

純愛のラブストーリーの後にやってくる恐怖のサスペンス『砕け散るところを見せてあげる』

2021年04月29日 00時52分09秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:31/80
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
サスペンス
いじめ
サイコパス

【あらすじ】
平凡な日々を送る濱田清澄(中川大志)はある日、
学年一の嫌われ者と呼ばれる孤独な少女・蔵本玻璃(石井杏奈)に出会う。
玻璃は救いの手を差し伸べてくれる清澄に徐々に心を開くようになるが、
彼女には誰にも言えない秘密があった…。

その秘密に気づき始めた清澄に<恐るべき危険>が迫り、
友人の田丸(井之脇海)や尾崎姉妹(松井愛莉、清原果耶)も心配する中、
物語は予測できない衝撃の展開を見せていく。

この物語は、ラブストーリーなのか、サスペンスなのか…。

【感想】
原作の小説は読んでいないけれど、
構成的には『タイタニック』に近いかなっていう映画。
つまり、前半と後半でガラッとジャンルが変わるの。
『タイタニック』は純愛→パニックだったけど、
本作は純愛→サスペンス。
この前後半でまったく異なる方向性になるのが
本作のウリかなーと。
まあ、『タイタニック』ほどの納得感はないけどw

見るに堪えないひどいいじめを受けている
玻璃のことが気になる清澄。
正直、映画を観る限りでは、
顔意外で好きになる要素はあんまり見当たらないんだよね。
しかも、あれだけいじめを受けている
ポジションの子に惹かれるっていうのは、
相当の「かわいいは正義」だったんだと思う。

ただ、仲良くなってみると、
よくしゃべるし、礼儀正しいし、
どんどん彼女の魅力に引き込まれていくのはわかる。
さらに、ちょっと不思議ちゃんだったり、
何か秘密を抱えていそうな影を感じる部分もまた、
放っておけないポイントなのかもしれないね。

そんな子を全力で愛し、
守ろうとする清澄の株は爆上がりですよ。
中川大志って、ちょっと前までは、
よくある高校生キラキラ青春恋愛映画の常連で、
この映画もその延長かなと思っていたら、、、
まさかの後半戦。

それまで感じていた甘酸っぱい青春の話から
一気に地獄に突き落とされたかのような恐怖の始まり。
“ある人”のサイコパスな演技に圧倒された。
ただ、その動機が語られないままだったから、
流れとしてはちょっと不親切というか、
「なんで?」っていう疑問は残るかなー。

その一件を踏まえた上で、
時空を超えた大きな愛にたどり着くっていう流れは、
いきなりスケールが大きくなって、
ちょっと追いつけない感じもあるけれど、
永遠に続く人の想いというものに心温まる。

あと、この映画で語られる"UFO"の正体。
おそらく、嫌なことや触れたくないことを、
まるっと請け負う概念的なものとして
使われているのかなって思う。
ただ、その時々で何を指しているのかが若干違うから、
ちょっとわかりづらい。

そういう引っ掛かるところはあるにせよ、
純愛からのサスペンスという180度異なる展開は面白かったし、
よくあるラブストーリーとは一味違う世界観は好きだった。

それにしても、矢田亜希子が高校生の子供を持つ母親の役とは。
時代は流れてるね。

映画『砕け散るところを見せてあげる』公式サイト

中川大志&石井杏奈 W主演。常識を覆す、衝撃の愛の物語。映画『砕け散るところを見せてあげる』

映画『砕け散るところを見せてあげる』公式サイト

 

妖美な美女が撃って、蹴って、殴って、刺す『AVA/エヴァ』

2021年04月27日 00時30分21秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:65/79
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
女スパイ
銃撃戦
格闘

【あらすじ】
美しき暗殺者エヴァ(ジェシカ・チャステイン)。
完璧な容姿と知性、そして圧倒的な戦闘能力。

組織に命じられるまま、
完璧に任務をこなしながらも、
常に自問自答を繰り返していた。
「なぜ標的たちは殺されるのだろうか」と。

ある日、エヴァは全組織員が注目する極秘の潜入任務に臨むが、
組織から事前に与えられていた重要な情報に誤りがあった。
そのことでエヴァの正体に気づいた敵と熾烈な銃撃戦になってしまう。

辛くも生き延びたエヴァは、
関係者の中に自分を陥れようとしている存在を疑い、
次第に組織への激しい不信感を募らせていく。
そんなエヴァに、
組織にとって危険因子となった彼女を
秘密裏に始末しようする最強の殺し屋
”サイモン”の魔の手が迫っていた。

暗殺者 VS 暗殺者、
血で血を洗う戦いの火蓋が今、
切って落とされる。

【感想】
緊急事態宣言のため、
"近場の大型シネコン"ではこれが臨時休館前の最後の作品。

女スパイ映画です。
ここのところブームなのかわからないけど、
シャーリーズ・セロンの『アトミック・ブロンド』(2017)以降、
安定供給されてるんだよ、このジャンル。

ジェニファー・ローレンスの『レッド・スパロー』(2018)。
サッシャ・ルスの『ANNA/アナ』(2019)。
そして、今夏公開予定のスカーレット・ヨハンソンの『ブラック・ウィドウ』。

日本でもよく、
旬な若手俳優の入れ替わりで、
同じような高校生キラキラ青春恋愛映画が作られているけど、
ハリウッドも同じような映画はいっぱいある。
今まで何回サメに襲われて、
ゾンビに襲われて、
隕石が降ってきたんだと。
そんな感じで、
女スパイ映画も増えているんだろうか。

だけど、内容はほとんど同じなんだよね(笑)
とにかく美女が、撃って、蹴って、殴って、刺す。

今回もそんな感じで、
ジェシカ・チャステインが撃って、蹴って、殴って、刺してる。
過去の3作品と比べると、
アクションがちょっと弱いのと、
キャラクターがあまり深堀されていなかった印象かなー。

今回、エヴァが組織から消されそうになった理由って、
標的に対して「なぜあなたは狙われるのか」
ってのを直に聞いちゃうところなんだよ。
スパイと言っても、
所詮は駒だからさ、
理由など聞かされず、
ただ上からの命令を忠実にこなしていくことが望ましい。
だから、彼女のような態度は、
「命令に疑問を持つ」ことにつながるから、
危険と判断されかねない。
というのは、僕の勝手な憶測で、
実際そういう意図があって、
エヴァを消そうとしたのかはわからない。

そこがしっくり来ないところ。
やることやってるんだから、
ターゲットにそういう質問することの何がいけないのか謎っていう。

しかも、彼女はアルコール依存症な上に、
妹の婚約者が自分の元カレってことで、
ちょっと悪いことしようともするし、
無駄にキャラの設定が多い。
もしかしたら、亡くなった父親が浮気性だったっていうことが、
人格形成に影響を与えているのかもしれないけれど、
大して触れられていないから、
消化不良感しかない。

なので、戦う女性は好きなんだけど、
この映画はストーリーもキャラクターもアクションも、
期待していた割にはちょっと、、、という感じ。

キャストが豪華なだけに惜しい。。。
アルコール依存症の設定はなくして、
父親の浮気が原因で、
男という存在に対して人一倍不信感がある
とかってした方がわかりやすかったかも。

とはいえ、ジェシカ・チャステインがメチャクチャ美しいのは、
紛れもない事実。
顔の凹凸が強いから、
斜めや横から見る顔がすごく映える。
だから、真っ赤なドレスとか真っ赤な口紅とか、
強い色に負けないんだよね。
あの真っ赤なドレスを身にまとったときの妖美さと、
その姿で撃って、蹴って、殴って、刺す姿には惚れます。

映画『AVA/エヴァ』公式サイト|4月16日公開

映画『AVA/エヴァ』公式サイト|4月16日公開|ジェシカ・チャステイン主演最新作!豪華キャスト&スタッフが集結した極上のアクション・エンタ...

https://klockworx-v.com/ava/

 

2021年春ドラマの面白かったランキング/第1話時点(10本鑑賞)

2021年04月26日 23時11分10秒 | ドラマ
1. 大豆田とわ子と三人の元夫(フジテレビ)
2. イチケイのカラス(フジテレビ)
3. コントが始まる(日本テレビ)
4. ドラゴン桜(TBS)
5. 桜の塔(テレビ朝日)
6. 恋はDeepに(日本テレビ)
7. 着飾る恋には理由があって(TBS)
8. リコカツ(TBS)
9. レンアイ漫画家(フジテレビ)
10. ネメシス(日本テレビ)

『大豆田とわ子と三人の元夫』が断トツトップ。
言葉遊びのような神がかったセリフが最高すぎて!
唯一セリフをメモりたくなるドラマ。

『イチケイのカラス』は、
主体が裁判官だけど、
やってることはこれまでの弁護士モノや検察モノと同じ。
唯一の違いは、被告を諭すことができること。
そこがいい。

『コントが始まる』は、
売れないお笑い芸人の3人によるドタバタコメディ。
大人の青春感があるのと、
その3人のキャスト演技がうますぎる。

『ドラゴン桜』は、
もはや『GTO』。
世代的に懐かしさを感じると同時に、
安定感がある。

『桜の塔』は、
刑事モノだけど、
中身は出世バトル。
派閥争い全開で、
『白い巨塔』っぽさを感じる。
関智一さんの声がいい。
まわりの人全員「雑種」呼ばわりすればいい(笑)

『恋はDeepに』は、
まさかのファンタジードラマ。
石原さとみはアリエルなのかなって。

『着飾る恋には理由があって』は、
いかにも現代らしいラブコメ。
インフルエンサー役の川口春奈がフォロワー数にやっきになる姿を、
冷ややかに見る横浜流星という構図は興味深い。

『リコカツ』は、
家族全員離婚するという、
これまた現代っぽいラブコメ。
でも、「さっさと別れれば?」
で終わっちゃうぐらいには、
今のところグダグダ感あり。
三石琴乃さんの声がいい。
月に変わっておしおきすればいい(笑)

『レンアイ漫画家』は、
ミッションクリア型のラブコメ。
ただ、ストーリー展開に納得感が持てなくて、
イマイチ面白さが伝わらず。。。

『ネメシス』は、探偵ドラマ。
なんだけど、今のところ一番刺さらない(笑)
推理シーンはもはや『名探偵コナン』の“眠りの小五郎”と同じで、
広瀬すずのダイブはサイコメトリーなのかなって。
世界観がいまだにつかめない。。。

こうして見ると、
今回のドラマのタイトルって副題がないね。

もはや『GTO』かと思った『ドラゴン桜』:第1話

2021年04月26日 01時08分44秒 | ドラマ


【個人的な評価】
2021年日本放送ドラマで面白かった順位:-
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
教育エンターテインメント
漫画
ドラゴン桜
受験
東大

【あらすじ】
かつて、落ちこぼれだった龍山高校から東京大学合格者を輩出し、
一躍時の人となった元暴走族の弁護士・桜木建二(阿部寛)。
その後、法律事務所を設立し、
学校再建のエキスパートとして
順風満帆な弁護士人生を歩んでいた。

時は令和。
偏差値32で経営破綻寸前の龍海学園で、
教頭・高原浩之(及川光博)が桜木による
学校の再建案を提案する。
しかし、自由な校風を理想に掲げる
理事長・龍野久美子(江口のりこ)は進学校化に反対し、
意見が割れていた。

果たして桜木、
そして彼の元教え子であり、
法律事務所でいっしょに働く弁護士の水野直美(長澤まさみ)は、
東大合格者を出し、学園を再建できるのか…。

【感想】
これ、前作観てないんだよね。。。
当時はドラマから離れていたから。。。
ただ、バイト先が撮影に使われたことがあって、
主要な生徒役はこの目でバッチリ見たけれど。
もう16年前の話(笑)

さて、第2シーズン。
原作漫画も読んでないけど、
こんな『GTO』みたいな感じなんだっけ?
早速、桜木がオートバイかっ飛ばして、
鉄パイプ持って校舎に突撃。
悪さした生徒をこらしめるっていう話だったんだけど。

とはいえ、ムカつく悪ガキにこびることなく、
容赦ない大人の怒りをぶつける展開は、
王道かつスカッとする流れで気持ちいい(笑)

また、いろんな人物の思惑が錯綜することで、
今後の展開は面白くなりそう。
とはいえ、もっと教育論をぶっぱなすドラマかなと思っていたから、
ちょっと意外だった。

日曜劇場『ドラゴン桜』

TBS「日曜劇場『ドラゴン桜』」の公式サイトです。日曜よる9時放送。

TBSテレビ

 

他愛のない日常が極上のドラマになってる『街の上で』

2021年04月25日 23時24分12秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:26/78
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
ヒューマンドラマ
浮気
恋バナ
恋愛相談
下北沢

【あらすじ】
下北沢の古着屋で働いている荒川青(あお)。
青は基本的にひとりで行動している。
たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったり。
口数は多くもなく、少なくもなく。
ただ、生活圏は異常に狭いし、行動範囲も下北沢を出ない。
事足りてしまうから。

そんな青の日常生活に、
ふと訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常。
出演することになるまでの流れと、
いざ出てみたものの、
それで何か変わったのかわからない数日間。
また、その過程で青が出会う女性たち。

青は彼女たちとの交流で何を感じるのか。

【感想】
始終、人の恋愛相談を聞いているような感覚の映画(笑)
でも、それが妙に心地いいというか、
微笑ましいと感じられるのが、
この映画のすごいところ。

それは、極限にまで精製された
共感度の高い主人公がいてこそかなーって思う。
彼は、いわゆる凡人だ。
下北沢の古着屋で働き、
たまに行きつけのバーに行き、
帰って寝て、
それで次の日も同じことが続く。

何か夢を追いかけるわけでもないし、
身を焦がすほどの恋に出会いがあるわけでもない。
むしろ、彼女に浮気された挙句、
「別れたい」と言われる始末。

ヨリは戻したいけど、
そのために他の映画であるような
「懸命な努力」や「絶えることのない愛」
を見せつけることもしない。
せいぜい、バーのマスターに愚痴って終わりだ。

ああ、多くの人ってこうかもなって感じる。
こういう物語だと、
主人公が目的を達成するために、
苦難を乗り越え、
その先に勝利が待っているというのが王道。
その過程で主人公が大きく変化・成長するっていうことに、
観ている人夢や希望を抱くよね。
自分もそうありたいと。

でも、実際はどうだろう。
インタビューで主人公の青を演じた若葉竜也も言っていたけど、
人ってそんなに急には変えられないし、変わらない。
僕もまあ同じことを考えているかな(笑)

変わりたいと願うだけの人が大多数。
残りの変わろうと努力した人たちも、
それを完遂する前に辞めてしまう人がほとんどじゃないか。

今回の主人公だって、
結局何か大きく変わったということはない。
でも、そこに人間らしさがあると思うんだよなー。
幻想に近い綺麗事を並べる映画も
それはそれで憧れを抱くけれど、
この映画は共感を呼ぶことに振り切っているのが面白い。

今泉力哉監督の映画のそんなところが、
僕は好きなんだよね。
男女の恋愛において、
「あるある」といった共感を感じられること、
「このキャラはきっとこう思っていたんだと思う」と、
登場人物の気持ちを身近に感じられることがけっこう多くて。

この方の作品をすべては観たことないけれど、
今回の映画は『愛がなんだ』や『アイネクライネナハトムジーク』に近い雰囲気を感じるかも。
ものすごくドラマチックでロマンチックっていうわけじゃないんだけど、
この男女の距離感や考え方のすれ違いなどを描くのがとてもうまい。

さらに、今回の映画では、
コメディかと思うほどにキャラクターのやり取りが笑えるのも特徴的。
セリフの掛け合いや"間"の使い方が絶妙で。

また、一見バラバラに見えた登場人物たちが、
意外なところでつながっているという設定は、
現実でもあるリアルさを覚える。

悩める男女のあれやこれやを描かせたら、
今一番上手に作れる人なんじゃなかろうか。

この映画で個人的に一番いいなと思えたのは、
青とイハ(中田青渚)のやり取り。
あれ、ワンシーンが長かったよね。
10分~20分ぐらいあったんじゃないかな。
セリフっていうのを忘れるぐらい、
2人の自然すぎるトークがよかった。
お互いの恋愛話をグダグダ話してるだけなんだけど、
「友達のまま恋愛関係になれたらいいのに」
みたいな話に、強く同意したよ(笑)

まあでもやっぱり、
若葉竜也の演技が一番よかったかな。
全編を通じて見せるぎこちなさや
素朴な感じに親しみを感じる。

映画『街の上で』公式サイト

『愛がなんだ』若葉竜也×今泉力哉監督が、変容する“文化の街”下北沢を舞台に紡ぐ、古着屋と古本屋と自主映画と恋人と友達についての物語。

 

少女たちへの性的搾取の実態に迫った『SNS-少女たちの10日間-』

2021年04月24日 23時05分17秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:1/77👑
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ドキュメンタリー
性的虐待
性的搾取
ロリコン
SNSの闇

【あらすじ】
巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋で、
幼い顔立ちをした3名の女優(18歳以上)は、
偽のSNSアカウントで12歳のふりをするという任務を与えられた。

彼女らはそれぞれ部屋のPCで、
連絡をしてきたすべての年齢の男性とコミュニケーションを取った。
大多数の成人男性はビデオセックスを要求し、
自身の性器の写真やポルノのリンクを送信してきた。
中には恐喝する者も。

精神科医、性科学者、弁護士や警備員など、
専門家の万全なバックアップやアフターケアを用意しながら
撮影を続けること10日間。
児童への性的搾取者が徐々に尻尾を出し始めるのだった…。

【感想】
今年の1位これでいいんじゃないかっていうぐらい
衝撃的かつおぞましいドキュメンタリー。
少女を取り巻くSNSの環境について、
想像以上にえげつない実態を知れる点で、
とても興味深い内容だった。

人の性癖や性的嗜好にとやかく言うつもりはないけれど、
ここに出てくる男たちは同じ男性から見ても、
気持ち悪いと言わざるを得ない。。。

アカウント開設から5分で
16人もの男性からのコンタクト。
最終的には、この3人の女優は10日間で
2,458人の男性から連絡が来たそうだ。

年齢はバラバラだが、
作中では40代以上のおっさんが目立った印象。
目と口以外はモザイクで覆われているものの、
何となくの風貌はわかる。
「おまえよくそのビジュアルでそんなこと言えるな」
って思っちゃうぐらい、
言動がカオス。

簡単な挨拶の後、
男はみんな性的な質問を始め、
服を脱げだの裸の写真を送れだの要求がエスカレート。
求めてもいないのに、
勝手に自ら服を脱ぎ、
チ〇コを見せびらかす人もいれば、
手が机の下で小刻みに揺れている人もいる。
中には「射精できなくて苦しい。君の胸の写真があればイケる。だから送ってくれ」と、
訳の分からないことをほざく人まで現れる始末。

そもそも知らない女性にfacebookで
ビデオチャットするってのが考えられないんだけど。
で、「12歳だけどいい?」と聞くと、
全員「年齢なんて関係ないよ」って。
ちなみに、チェコでは15歳未満に対する
性的な目的でのやり取りは違法とされているそう。
だから、おまえら全員犯罪者だからな?

何人かの男には実際に会うんだけど、
大勢の人でにぎわうカフェにいるにも関わらず、
おっさんたちは少女にこの後のホテルでの流れや、
陰部に関するトークを繰り広げる。

これ、ドキュメンタリーだからね?
男たちは実在する一般人で、
女優を12歳の少女だと認識した上で言ってるんだからね?

本物の12歳だったら、
何が起きているのか理解できずに、
男の言いなりになってしまう人もいそう。
でも、問題視すべきは男たちの方だろう。
12歳の少女にそういうことを平気で要求して、
彼女たちの人格に影響が出てしまうという想像力が欠如しているのだ。

彼らは何も気にしない。
というか興味がないんだろうな。
それは、少女たちをひとりの人間としてではなく、
性欲のはけ口という記号でしか認識していないから。
そして、相手を自分より弱い存在だと思ってなめているから。

幼い頃にこんな大人とやり取りしたら、
男性観歪むよな。。。
実は僕も6歳ぐらいのとき、
近からずとも遠からずなことがあり。。。

通学中の電車の中で見ず知らずの男に
突然股間をつかまれたり、
手を握られたり。。。
それ以来、「男っていうものは気持ち悪い怖い存在である」
と思うようになって、
いまだにその認識は消えません。

おそらく、このドキュメンタリーのようなことは、
日本でも表沙汰になっていないものも含めるとたくさんあるんだろう。

作中の弁護士も言ってたけど、
サービス提供者はこういうのを取り締まらないんだよな。
そうすることで利用者が減って、
広告収入が減ってしまうから。

だから、ある程度は自己防衛するしかない。
子供がいる人にとっては、
我が子とSNSの関わり合いについて考えさせられるだろう。

あと、男性にも観てもらいたい。
同じ男の恥部を第三者の立場から見ることによって、
その身勝手さや勘違いっぷりが自分にもないか
見直すことにつながるかもしれない。

映画『SNS-少女たちの10日間-』オフィシャルサイト

映画『SNS-少女たちの10日間-』オフィシャルサイト

 

キャプテン・アメリカの意志を継いでいく『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』

2021年04月24日 01時25分23秒 | ドラマ

【個人的な評価】
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
マーベル
アクション
スーパーヒーロー
アベンジャーズ
キャプテン・アメリカ
シビル・ウォー
ブラックパンサー

【あらすじ】
『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の世界で、
サム(アンソニー・マッキー)は空軍と提携し、
任務遂行に当たっていた。

彼は『エンドゲーム』のラストで、
年老いたスティーブ・ロジャースから盾を受け継いでいたが、
「借り物みたいだ」と後を継ぐことはせず、
時代に合った新たなヒーローの必要性を説いていた。

一方、バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)は、
洗脳されていたときの悪夢と戦いながら、
平和な日々を過ごしていた。

そんなある日、
"フラッグ・スマッシャーズ"という
新たな犯罪組織が表に出てくる。

彼らの目的とは?
彼らの望む世界とは?

【感想】
スティーブ不在のキャプテン・アメリカを継ぐ物語が
こんなに面白くなるなんて思わなかったよ。
登場人物がみんな苦悩と葛藤に苛まれているのが
すごく人間らしくてよかった。

サムは後任を断ったものの、
ずっとモヤモヤしてるし、
バッキーは洗脳からの脱出に四苦八苦。

しかし、メイン2人より一番苦しんでいたのは、
ジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)だよね。
僕は今回のドラマの中で、
2代目キャプテン・アメリカを担った彼が
一番辛い立場だったと思う。

ジョンは優秀な陸軍兵士で、
アメリカ政府から2代目に任命されたけれど、
そのプレッシャーって半端なさすぎじゃない?って。

キャプテン・アメリカはもはやアイコン的な存在で、
常に国民の模範とされる。
さらに、サムとバッキーは、
自分たちの大切な仲間の盾を使われていることに、
どこかしっくりきていない様子で、
ジョンと仲良くしようとはしない。
ジョンからしたら、
先輩からよく思われていないっていう、
人間関係的にもやりづらい状況じゃんね。

しかも、彼は身体能力が高いとはいえ、]
あくまでも普通の人間。
アベンジャーズの一員であるサムやバッキーとも違うし、
今回の敵であるフラッグ・スマッシャーズのメンバーのように
超人血清も打っていない(結局途中から打つけど)。

もうね、精神的にかなりストレスフルすぎるだろって。
だからか、途中から彼は常に何かにイラついている印象を受けたなー。
相棒が敵に殺された後なんかは、
怒りと悲しみが爆発しすぎて、
闇が深かった。。。

そんな中で、フラッグ・スマッシャーズとの戦いが続いていくのだけれど、
果たして彼らは本当の悪だったのかっていうところを考えさせるのも、
このドラマの見どころ。

そもそもこの世界は、
サノスの指パッチンで半分の人が消えて、
それに順応してたんだよね。
それが5年後に急にみんな戻ってくるから、
世界中がカオス。
フラッグ・スマッシャーズとしては、
以前の半分の人がいなかったときのような、
国境なき世界に戻したい。

だから、国境で分断させようとしている
GRC(世界再定住評議会)と真っ向から対立しているわけ。

最終話では、そんなフラッグ・スマッシャーズを
ただのテロリストとして片付けようとしていたGRCのお偉いさんに、
サムが苦言を呈するところが印象的だった。

「テロリストや難民というレッテルは、難題を避ける逃げ口上だ」と。

GRCのような巨大組織には、
時としてサノスの指パッチンのように、
世界に大きな影響を与えることができる。
だからこそ、今回フラッグ・スマッシャーズが
行動を起こした理由を考えるべきだと説く彼の姿は、
スティーブ以上に優しく公平な新しいリーダー像を感じた。

さらに、このドラマは黒人の差別問題を考えさせるようなセリフやシーンも多い。
こういう現代のアメリカ社会を意識して作られたような設定はリアリティがある。

そして、まだまだ続きそうな予感。
シャロン・カーター(エミリー・ヴァンキャンプ)が。。。



Disney+

 

雪代縁のハマりっぷりに悶絶する『るろうに剣心 最終章 The Final』

2021年04月23日 12時51分08秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:3/76
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
超絶ハイスピード殺陣
マトリックス×チャンバラ
週刊少年ジャンプ
るろうに剣心

【あらすじ】
かつて<人斬り抜刀斎>として恐れられ、
激動の幕末を刀一本で戦い抜いた男、緋村剣心(佐藤健)。
新時代を迎えた今は、仲間たちと平穏な日々を送っていた。

ある日、東京が何者かに攻撃され、
次々と大切な人々が襲われた剣心は、
次第に追い詰められていく。
憔悴しきった彼の前に現れたのは、
あの志々雄に武器や軍艦を送り込んでいた
上海マフィアの頭目・雪代縁(新田真剣佑)。

剣心の<十字傷の謎>を知る彼こそが、
剣心自らが生み出してしまった最恐最悪の敵だった。
剣心に強烈な恨みを持ち、
剣心だけではなく<剣心が作った新時代>をも破壊するため<人誅>を仕掛けてくる!

すべてを悟った剣心は自らの責任とし、
薫や仲間たちを集め、
自分の過去を語り始める。
<かつて結婚していたこと>、
そして<自らの手で妻を斬殺したこと>。
今まで語られることのなかった衝撃の過去に
仲間たちはショックを受ける。

その矢先、遂に縁による東京への総攻撃が開始され、
一瞬で修羅場と化す。
そして、縁の復讐の刃は
神谷道場の仲間たちにも容赦なく向けられていく。

逃れられない運命を背負い、
愛する者のためすべてをかけて立ち向かう、
究極の戦いが始まる。

【感想】
朝イチでキメてきました。
これはもう邦画の宝でござるな。

原作とは違う展開ではあるものの、
総じて満足できる内容だった!
実写でここまで度肝を抜かれる超絶アクション、
他にないね!
1対多数の戦いは、
『マトリックス リローデッド』の
ネオ vs 無数のスミスを思わせる迫力!!

そして、雪代縁を演じた新田真剣佑のハマりっぷり!!
もうね、彼の両親に感謝だね。
真剣佑を生んでくれてありがとうと。
結婚式でたまに新郎が新婦の両親に対して、
「〇〇さんを生んでくれてありがとう」とかって言うけど、
まさにそんな感じ!
剣心を演じた佐藤健との年齢差的にもほぼドンピシャだし。
姉を殺された恨み、悲しみ、
剣心からすべてを奪ってやろうとする執念の塊っぷりは、
想像以上の好演で、
彼なくしてこの映画は成立し得なかったよ!

僕の中では、浦村署長の奥さんと娘さんの
再現度の高さもツボだったけどw

ただ、原作で言うところの『人誅編』を踏まえると、
映画版はちょっと内容が薄かったかなという印象は否めず。

この『人誅編』で一番肝となってくるのは、
「剣心の苦しみ」と「そこからの脱却」かなって思ってる。
原作では、薫を救えなかったことで心が壊れ、
一旦は刀を置いてしまうんよね。
でも、剣心の中の真実である
「弱き人を助ける」
という想いは捨てきれなかった。
だから、どんなに小さくても助けを求める声は必ず届き、
その声に応えるべく再び立ち上がる姿は、
涙なしには読めないエピソード。

そこの印象が強く、
個人的には『るろ剣』全編通して、
一番好きな展開だったので、
映画ではそこに匹敵するほどの
気持ちの盛り上がりは得られなかったかなー。

そもそも、志々雄が出てくる
『京都編』と分断されてしまっているから、
仕方ない部分はあるけれど。
志々雄一派との戦いを経て、
左之助は斎藤一を超える決意をし、
弥彦は強くなることに執念を持ち、
恵は剣心への想いを断ち切るという、
本来あるべき各キャラそれぞれの"前進"の過程がないからね。

とはいえ、今回の映画では、
それをカバーして有り余るほどの超絶アクションがある。
そして、原作にはない、
まさかすぎる"アレ"に心躍ったので、
ものすごく楽しめる作品であることに間違いはない!!
IMAXで観るべし!!

次の『The Beginning』も楽しみだ!
剣心の過去の物語。
これ観たら、今回の映画もまた感じ方変わりそう。

映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』公式サイト

『るろうに剣心 最終章』The Final 4月23日(金)/The Beginning 6月4日(金)2作連続ロードショー!主演:佐藤健×...

映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』公式サイト

 

宇宙飛行士の母と幼い娘の交流を描いた『約束の宇宙(そら)』

2021年04月21日 21時04分17秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:50/75
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
家族愛
宇宙飛行士
働く母親

【あらすじ】
フランス人宇宙飛行士のサラ(エヴァ・グリーン)は、
ドイツの欧州宇宙機関(ESA)で、
長年の夢だった宇宙へ行く事を目指して、
日々訓練に励んでいる。

物理学者の夫トマス(ラース・アイディンガー)とは離婚し、
7歳の幼い娘ステラ(ゼリー・ブーラン・レメル)と2人で暮らす彼女は、
「プロキシマ」と名付けられたミッションのクルーに選ばれる。

大喜びのサラだったが、
このミッションに旅立てば、
約1年もの間、
娘と離れ離れになる。
ステラを残し宇宙へ飛び立つまでに2ヶ月しかない。
過酷な訓練の合間に、
娘は母とある約束をする。
「打ち上げ前に2人でロケットを見たい」と。

母は約束を果たし、
無事に宇宙へ飛び立てるのか。

【感想】
宇宙飛行士が主人公だけど、
これまでのようなSF映画ではなく、
宇宙に飛び立つまでの家族との交流を描いた映画。

“自分の夢が叶う瞬間、子供とどう向き合っていくか”
ってのがこの作品のテーマかなー。
でもそれって、宇宙飛行士に限った話ではないから、
働く親ならば共感できるところもあると思う。

今回は宇宙飛行士ってことで、
それがわかりやすく描かれていた。
サラはずっと宇宙へ行くことを夢見ていたので、
今回のプロジェクトはまさに人生最大のチャンス。
でも、日々のトレーニングは過酷で、
肉体的にも精神的にも満身創痍が続く日々。

離婚した旦那が娘の面倒は看てくれるものの、
彼も同じ組織で働いているから忙しい身。
そんな状況の中で、
ステラは転校した先の学校になじめない様子。
それがまた、サラにとって精神的な重圧になるんだろう。
本来であれば、
自分が娘のケアをしなくてはいけないのに、
その時間が取れない。
そのことに苛立ち、
自分を責め、
トレーニングにも支障をきたす始末。

そういう壁を乗り越えて、
「ロケットを2人で見に行く」
という約束をどうするかってのが、
この映画の見どころ。

エンドクレジットでは、
これまで母親で宇宙飛行士だった方々を
写真と共に紹介していく形式だったので、
こんなにたくさんの、
しかもほとんどの人が2回以上宇宙に行ってるってことに驚いた。

ただ、全体的にこの映画をどう捉えるのかってのは、
なかなかセンシティブかもしれない。
僕は、「立派に見える宇宙飛行士でさえ、みんなと同じように悩み苦しんでいる」
と捉えられたけど、
逆に「宇宙飛行士でさえこんなにがんばってるんだから、あなたもがんばろう」
と捉えて、
余計にプレッシャーになったりしたら、
せっかくの映画という娯楽が楽しめなくなってしまいそうで。

それにしても、作中では描かれていなかったからわからないけど、
サラの親(つまり祖父母)に相談とかできなかったのかな、、、
って思わなくもない。。。(笑)
まあ、仮に祖父母がいたとしても、
協力的かどうかはわからないし、
結局、娘が母親を選ぶのであれば、
物語の展開としてはそこまで変わらなかったかも。

ちなみに、音楽の担当は坂本龍一さんでした。

映画『約束の宇宙(そら)』オフィシャルサイト

映画『約束の宇宙(そら)』オフィシャルサイト

 

SNSとの向き合い方を見直しそうな『着飾る恋には理由があって』:第1話

2021年04月21日 01時22分49秒 | ドラマ


【個人的な評価】
2021年日本放送ドラマで面白かった順位:-
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
インフルエンサー
ルームシェア

【あらすじ】
真柴くるみ(川口春奈)はインテリアメーカーで働く傍ら、
SNSでもフォロワーが10万人近くいる
インフルエンサーとしての顔も持つ。

そんな彼女は、日々業務に追われ、
マンションの契約更新を忘れていたせいで部屋を追い出されてしまう。

そこで手を差し伸べたのが、
昔から仲良くしている人気フードスタイリストの早乙女香子(夏川結衣)。
表参道の一等地に建つ彼女のマンションに住めることになり、
意気揚々とするくるみだが、
実は個性的なメンバーが集うルームシェアだった。

自由気ままに好きなときだけキッチンカーで
バルを営業するマイペースな料理人の藤野駿(横浜流星)。
駿のはとこでオンラインカウンセラーとして
悩み相談を請け負っている寺井陽人(丸山隆平)。
近所の高級スーパーでデリバリーのバイトをしながら、
現代アートの絵画やオブジェを作るアーティストの羽瀬彩夏(中村アン)。

ここにくるみと香子が加わって5人での共同生活が始まり、
先行きの不安さが募るばかり。

さらに、くるみが密かに慕っていた会社の社長である
葉山祥吾(向井理)も突然会社を辞めてしまい、意気消沈。

彼女の恋の行方は果たして……。

【感想】
とても今ドキっぽいラブストーリー。
とはいえ、第1話の時点ではまだ面白さが掴みきれないのが正直な感想。

『大豆田とわ子と三人の元夫』のように神がかったセリフや、
『恋はDeepに』のようにファンタジーな設定があるわけでもないから、
どこに面白さを見出せるかは今後の展開次第かなーと。

ただ、くるみと駿の対立構造は共感できる人も多そう。
インフルエンサーとしてフォロワーが増えていくことに喜びを感じているくるみと、
SNSに振り回される空虚さを説く駿の関係は、
まさに今の時代を反映していると言える。

横浜流星も過去のドラマや映画で演じたキャラクターを比べると、
ああいうちょっとお調子者感がある役はめずらしいかもしれない。

あと、あんな素敵な家ならルームシェアしたいなって思うほどのオシャレ感は映える。
でも、異性がいるとややこしそうなので、
やっぱり『バイプレイヤーズ』のような暮らしの方が楽しそうだな(笑)

火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』|TBSテレビ

TBS 火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』公式サイトです。2021年4月スタート。毎週火曜よる10時〜放送。

TBSテレビ

 

"孤独からの救い"と"自由"の狭間で揺れた『アンモナイトの目覚め』

2021年04月20日 23時33分30秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:26/74
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
同性愛

化石

【あらすじ】
1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジス。
人間嫌いの古生物学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)は、
世間とのつながりを絶ち、
母親と2人でこの町に暮らしていた。

かつて、彼女の発掘した化石が大発見として世間をにぎわせ、
大英博物館に展示されたが、
女性であるメアリーの名はすぐに世の中から忘れ去られた。

今は土産物用のアンモナイトを発掘し、
細々と生計を立てている彼女だが、
ひょんなことから裕福な化石収集家の妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を
数週間預かることになる。

美しく可憐で、
何もかもが正反対のシャーロットにいら立ち、
冷たく突き放すメアリー。

ある日、メアリーが高熱を出して倒れてしまうが、
シャーロットの献身的な介護のおかげで無事に回復。
それをきっかけに、2人の間にあ温かな感情が芽生える。

何もかもが正反対の2人だったが、
お互いへの感情は次第に大きくなっていき……。

【感想】
女性同士の恋愛を描いた映画。
同性愛モノって今まであんまりハマったことがなかったんだけど、
これは面白かった!

それは、物語の始まりの時点で、
お互いに「好きじゃない」という状態から始まっているから。
同ジャンルの映画だと、
どちらかが一方的に好きっていうパターンが多いから、
この時点で興味を惹かれた。
この後、どうやって愛し合っていくようになるのかって。

特にメアリーはもともと人間嫌い。
だから、都会からやってきた金持ちの女性なんて、
タイプが違いすぎて余計に仲良くなんてなれないよね。

でも、本当にメアリーって人間嫌いだったのかってのは、
この映画を観てまず初めに感じること。
単に人とうまく関わり合えないだけで、
本当は寂しかっただけなんじゃないかって。

その証拠に、
メアリーへの想いが爆発したときの濡れ場のシーンは、
ものすごく獣的でエロティック。
あんなに露わになって相手を求める姿は、
人間嫌いとは到底思えない。
むしろ、これまで感じてきた孤独を
埋め合わせるかのような勢いに圧倒されちゃう。

ここでのケイト・ウィンスレットと
シアーシャ・ローナンの演技はすごかった。
大女優2人の体当たり演技に感動すら覚えるよ。。。

現実の世界でもそうだけど、
人付き合いよりも優先順位が高いものがあるって人はけっこういると思う。
オタクとかは特にそうだと思うけど。
それが、シャーロットにとっては化石だっただけ。

それゆえにあまり人と関わらなくなって、
余計にコミュニケーション取りづらくなっていった気がするんだよねー。
よっぽど劣悪な環境で育ったとか、
人に裏切られ続けたとかっていうことでもない限り、
社会性に特化した生物である人間が、
そこまで人間嫌いになることはないのでは、、、?
シャーロットも特にそういう設定があったわけではないし。

だから、一見とっつきにくそうな人、
他人に興味なさそうな人でも、
仲良くなったら案外面白くていい人っていうのはよく聞く話。

ただ、難しいのが距離の取り方。
シャーロットにとって、
メアリーはかけがえのない人であることに変わりはない。
とはいえ、やっぱり彼女は化石の優先順位も高いまま。
だから、自分を近くに置いておこうとしたメアリーに、
シャーロットは違和感を覚えちゃった。
拘束されることで、
まさに棚に並べられた化石のようになることを感じたんじゃないかな。

ずっとベタベタしていたい人と、
きちんと自分の時間は欲しい人、
このタイプの組み合わせは難しいね(笑)
メアリーは前者だったけど、
それは若さゆえっていうのもあるのかも。

同性愛をテーマにしてはいるけど、
そこに至る人間ドラマや、
カップルの価値観の違いを強く感じられるヒューマンドラマで、
見ごたえのある映画でした。

映画『アンモナイトの目覚め』 公式サイト

ケイト・ウィンスレット×シアーシャ・ローナン圧巻の共演 映画『アンモナイトの目覚め』4月9日(金) TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロー...

映画『アンモナイトの目覚め』 公式サイト

 

生きることへの執念が勝利を呼び込む『るろうに剣心 伝説の最期編』

2021年04月19日 22時05分06秒 | 映画


【個人的な評価】
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
超絶ハイスピード殺陣
週刊少年ジャンプ
るろうに剣心

【あらすじ】
志々雄(藤原竜也)に連れ去られた薫(武井咲)を助けるため、
剣心は海へ飛び込み、
ひとり岸へ打ち上げられた。
それを助けたのが、
師匠の比古清十郎(福山雅治)。

今の自分では志々雄を倒せない――
剣心は清十郎に奥義の伝授を懇願する。

一方、剣心が生きていると知った志々雄は政府に圧力をかけ、
剣心を人斬り時代の罪で公開打ち首にするよう命じる。

果たして、最大の危機に立たされた剣心は、
最狂の敵に打ち勝ち、
行方不明の薫と生きて再会できるのか?!

【感想】
3週間限定のリバイバル上映にて。
2014年の日本映画。
今回も本編の前後に最新作に向けた特別映像が入ってます。

もうね、最後の戦いに鳥肌が立ったでござる。
それぐらいかっこいい作品でござった。。。

今回の映画も、
原作コミックとは異なるストーリー展開ではあるけど、
うまく135分に収まるようにまとめたのがすごい!

特に今回の肝は、
奥義伝授において剣心が自分に欠けているものを認識することと、
志々雄との最終決戦の2つ。
これをちゃんと描いてあったのがファンとしてはうれしかった!

前者は、剣心の深層心理に関わる部分。
彼は多くの人を斬ってきたがゆえに、
その罪悪感から「いつ死んでもいい」と、
自分の命さえも軽んじてるんだよね。
でも、結局自らを犠牲にしたところで、
それで不幸になる人は出てくるし、
何の解決にもならない。

そこで原作では、
比古清十郎の九頭龍閃を食らう直前に、
幼い頃の記憶をきっかけに、
大切な人たちを守るためにも「生きる」
という選択肢を選ぶんだよ。

映画では、比古清十郎との戦いの中で、
みんなを守るためにも、
「奥義会得まで死ぬわけにはいかない」
と生への執着が芽生える流れ。

だから、アプローチの仕方が異なるんだよね。
映画には九頭龍閃は出てこないし。

個人的には、原作(およびアニメ)の方が、
しっかり尺が取れている分、
わかりやすい描写になっているのと、
ドラマチックな演出になっているから好きかなー。
映画だと「生きる」ことを選ぶまでの背景が薄いから、
感情移入しづらい印象。

後者の最終決戦はやーばいね。
剣心、左之助、斎藤、蒼紫の4人 VS 志々雄。
確かに原作でも4人出てきたけど、
ひとり一撃繰り出してやられてたのに対し、
映画では4対1の乱戦状態。

狭い室内を所狭しと暴れまわる
5人の攻防のかっこよさが凄まじいのなんのって!!
多分、志々雄は原作よりも強いと思う(笑)

ただ、キャラクターの描写については、
ちょっと物足りなさを感じた。
前作もそうだったけど、
蒼紫はやっぱりポッと出感があるんだよ。

勝手に出てきて剣心にやられて、
志々雄のところで再びどこからともなく現れて、
「抜刀斎は俺が倒す」
ってベジータみたいなことを言ってて(笑)
初見の人からしたら、
「あんた誰」ってなりそう。
志々雄にも言われてたし(笑)

あと、瀬田宗次郎。
彼の過去を知らないと、
途中で「弱肉強食」という
志々雄から教わった思想や価値観が崩れていくところが
ポカーンってなっちゃうかも。

あれはね、幼い頃ずっと虐げられてきた彼を、
喜怒哀楽の「楽」以外の感情をなくすほどの境遇から救ってくれたのが
志々雄だったという背景があってこそだから。

なので、キャラクターのところで★1つ減らしちゃったけど、
そういう部分を踏まえても有り余るほどの面白さがこの作品にはあったな。
やっぱり最終決戦のかっこよさで全部カバーできる!(笑)

今週の金曜日、いよいよ最新作!

映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』公式サイト

映画『るろうに剣心』公式サイト!京都大火編8/1(金)/伝説の最期編9/13(土)二作連続超拡大全国ロードショー

 

原作にない新しいエピソードも追加された『ホムンクルス』

2021年04月18日 23時14分31秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:69/73
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★☆☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★☆☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
サスペンス
ホラー
漫画原作
ホムンクルス

【あらすじ】
一流ホテルとホームレスが溢れる
公園の狭間で車上生活を送る名越進(綾野剛)。
過去の記憶も感情も失い、
社会から孤立していた。

そこに突然、
奇抜なファッションに身を包んだ
研修医・伊藤学(成田凌)が目の前に現れる。

「頭蓋骨に穴を空けさせて欲しい」

突然の要求に戸惑う名越だったが、
“生きる理由”を与えるという伊藤の言葉に動かされ、
第六感が芽生えると言われるその手術
<トレパネーション>を受けることに。

術後、名越が右目を手で覆い、
左目だけで見たのは、
人間が異様な姿に変貌した世界だった。
その現象を「他人の深層心理が、視覚化されて見えている」と説く伊藤。
彼はその異形をホムンクルスと名付けた。

ホムンクルスと化した人々の心の闇と対峙していく中で、
名越の過去が徐々に紐解かれ、
自らの失った記憶と向き合うことに。

果たして名越が見てしまったものは真実なのか、
脳が作り出した虚像の世界なのか?
取り戻した記憶に隠された衝撃の結末とは?!

【感想】
よく実写化したなっていうある意味驚きの映画。

この映画を観るにあたって、原作の漫画も読んでみた。
原作のイメージに合う配役に、
バケモノじみたホムンクルスの再現など、
世界観としてはうまく作られてる!

ただ、個人的には原作のよさが
薄れてしまったようにも受け取れた。

そもそも、ホムンクルスというのは、
人間の深層心理に根付く自己認識、不満、
トラウマなどが表面化した姿形をしている。
太っていても中身がない人はペラペラの紙のようだったり、
日常生活に生きづらさを感じている人は水の中にいるように見えたり。

名越はそんなホムンクルスと関わり合うことで、
自らの過去と向き合っていくのよ。
だから、人間の内面の深い部分をえぐり出すようなストーリー展開がよくて、
自分に置き換えても共感できるところが多いのよね。

特に、名越は自分のつまらない人間性を外見のせいにして、
整形手術までしてしまうも、
手に入れたのは物質的な豊かさのみで、
本当の自分とは何かと虚無感に襲われる流れはとても面白い!

しかし、やはり映画は尺が限られていることもあって、
表面的な部分しか描かれていないように感じた。。。

エピソードも組長と女子高生の話があったけれど、
原作とは異なる展開の仕方。
オチは同じだけど、
名越が彼らと関わる中での考察や心理描写もほぼなく、
かなり駆け足でサラッと描かれているのみ。
だから、漫画を読んでいる人にはわかるだろうけど、
初見だったらかなり唐突な感じがするんじゃないかな。

後半で描かれていた話は映画オリジナルの新しい展開。
でも、原作の世界観に沿った話というよりは、
普通のサスペンス映画っぽく感じたので、
ちょっと消化不良感はある(笑)

人間の深層心理に潜む闇と
真っ向から対峙していくのがウリの漫画だけれど、
映画ではそこが弱かったので、
物足りなさを感じる人はいるかもなー。

これ、2時間の映画じゃなくて、
ネトフリとかで連続ドラマにした方が原作のよさがもっと出そう。

映画『ホムンクルス』

2021年4月2日全国公開 綾野剛 主演。監督 清水崇。原作 山本英夫 カルト的人気を誇る永遠の問題作、驚愕の映画化!

映画『ホムンクルス』

 

夢を追うかあきらめるか、お笑い青春ドラマ『コントが始まる』:第1話

2021年04月17日 23時55分13秒 | ドラマ


【個人的な評価】
2021年日本放送ドラマで面白かった順位:-
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
コメディ
青春
お笑い

【あらすじ】
売れないお笑いコントトリオ「マクベス」。
メンバーは春斗(菅田将暉)、瞬太(神木隆之介)、潤平(仲野太賀)の3人。

鳴かず飛ばずの日々を過ごす中、
春斗と潤平はある決断を迫られていた。
それは、お笑いを始める前に両親と約束した
「10年やって売れなかったら辞める」ということ。

一方、1年半前に訳あって大手企業を辞めた里穂子(有村架純)は、
妹のつむぎ(古川琴音)と同居しながら
ファミレスでウェイトレスをしていた。

そこでネタ作りをするようになったマクベス。
里穂子はその姿を見ているうちに興味を持ち、
いつの間にか隠れファンとなっていた。

しかしある日、
初めてマクベスのライブを訪れた里穂子を待っていたのは、
トリオ解散という重大発表!

呆然と帰路についた里穂子は、突然春斗から声をかけられる―――。

【感想】
お笑いをテーマにした笑いと感動の青春エンターテインメント。
菅田将暉は『火花』に続き、
ここでもお笑い芸人を演じ、
さらに『花束みたいな恋をした』が記憶に新しい中、
有村架純と再び共演。
しかも、麦くんと絹ちゃん感が強い(笑)

夢を続けたい気持ちと、
踏ん切りをつけなくてはいけない状況と、
その板挟みの中で葛藤していく姿が面白いドラマ。

でも、このドラマで一番の見どころだよなって思うのは、
演技派の若手を集めたところ。
今日はとにかく、泣く演技に心動かされた。

まず、ラーメン屋での潤平。
春斗に
「おまえってさ、大事な発言するとき、
 いっつもラーメン食い終わった後なのな」
って泣きながら言うところでもらい泣きしたよ。。。

そして、ラストの春斗。
夢をあきらめようとしたとき、
里穂子からのささやかな応援の言葉を聞いて涙ぐむんだけど、
その泣き方もよくて。。。

夢とどう向き合っていくのか、
今後が楽しみなドラマ。

https://www.ntv.co.jp/conpaji/