猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

猿八座 村上公演 11月 

2021年10月01日 23時11分32秒 | お知らせ
 村上公演は、猿八座を応援して下さっている『人形浄瑠璃を楽しむ会』の田村初美さんのご尽力で、続いている貴重な舞台です。残念ながら、1年ブランクができましたが、これからも続いていってほしい公演です。
 今年の演目は、「説経をくり」全六段から、三段目と五段目を続けて御覧いただきます。この長大な物語は、小栗判官の筋と照手姫の筋が、交わっては離れ、また交わるという劇的な展開ですが、中抜きをする四段目は、小栗判官死後の照手を描く場面で、いわば照手の一人舞台なので、これは後のお楽しみ。今回は、三段目で毒殺された小栗が、五段目に飛んで閻魔大王の審判を受けるところに繋げるという趣向です。話の流れを、簡単に箇条書きしますと、
第三段目
     ①押し入り婿をした小栗判官を殺す為に、人食い馬の鬼鹿毛をけしかけるが、
      反対に乗りこなしてしまう『鬼鹿毛曲馬』
     ②横山親子が、小栗判官と10人の家来達を毒殺する『横山毒酒』
第五段目 ③閻魔大王が非業の死をとげ10人の家来を娑婆に戻そうとするが、
      かえって、小栗が帰ることになる『冥途墓割』
     ④餓鬼病みとなって娑婆帰りした小栗は、土車に乗せられ、本復の為、熊野湯の峰まで引かれていく。
     ⑤途中、車が、青墓の宿、万屋の前で動かなくなる。
      その万屋には、妻の照手(小萩)が、女中として働いている。
     ⑥照手は、この車を引くために、主人万屋長衛門に暇乞いをする『照手暇乞』
     ⑦大津まで、照手が餓鬼阿弥車を引く『照手車引』
息もつけない展開、お見逃し無く。