猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

猿八座 ヨーロッパ公演報告 2 ポーランド編

2018年05月27日 17時29分52秒 | 公演記録
パリから飛行機で2時間。初めてのポーランドです。ワルシャワのショパン空港に降り立ちましたが、残念ながら乗り継ぎだけ。ハンバーガーを食べる時間しかありませんでした。更に空路で、クラクフへ。



さらに、そこから、車で2時間。地方の工業都市「ビエルスコ ビヤワ」に1日がかりで到着。この町で行われる「第28回の国際人形劇芸術祭」に参加します。



翌日は1日空きでしたので、いろいろな国の人形劇を鑑賞したり、夕方からの開会式に参加したりと、観劇三昧。




メイン会場のバイアルカ人形劇場と今回お世話いただいた、アダマ ビツケビチィ大学のエステラ先生。



猿八座が公演をした劇場。こうした劇場が市内にたくさんある。


いよいよ、公演です。一日二回の公演を行いました。演目は「源氏烏帽子折」だけでしたが、エステラ先生の解説や、ワークショップがついて、二時間近くやりました。







いろいろな国の演技を観ていると、勿論言葉はわからないわけですので、想像をして感じることの大切さが分かります。そうして、自分がやる番になりますと、言葉では伝わらないので、なんとか、別の方法で伝達しようと自然にするようです。強弱とか思い入れとかが、通常以上に、大きくなります。日本でやると、きっとわざとらしいぐらいだと思いますので、記録ビデオは見ないでおくことにします。

さて、この海外公演に当たっては、国際交流基金の助成をうけましたことに感謝申し上げます。













猿八座 ヨーロッパ公演報告 1 フランス編

2018年05月27日 12時47分29秒 | 公演記録
約2週間に渡るヨーロッパ公演旅行から、無事に帰国いたしました。行き帰りの飛行機の12時間近い缶詰状態は、私のような多動児には耐えがたい苦行でありますが、連続3年目ともなりますと、多少の慣れと覚悟ができるのもでございます。なんといっても私が編みだした最大の武器は、「さらし」であります。眠むるときは、ヘッドレストに頭部を縛り付けて固定。見た目はミイラ状態でしょうが、かまっていられません。これで熟睡できます。足がだるくなったら、テーブルにかけて、足を吊ります。いろいろ工夫していると時間がたつもの早くなります。そして、二時間に一回の機内散歩、ついでにトイレとおやつの調達、水分補給。大体、機内の一番後ろの方の配膳室に、同じような人々がたむろしているので、さも旅慣れたような顔をして、うろつきます。いつでもじっとしていないので、きっと回りは、迷惑だと思います。この頃は、通路側の席を譲ってくれないかと交渉するようにしています。もちろん、空いてる席があれば即、移動です。

さて、今回はまず、フランス、パリの郊外の村、ラ・ヌビール・スレソンにある「真夜中劇場」というところで、合計7公演を行いました。そのうち4公演は、小学生や幼稚園児を対象とした短縮版「信太妻」でした。しかし、一番受けたのは、一般公演でやった「源氏烏帽子折」の金王丸でした。この日も子供たちがたくさん来てくれましたが、言葉の意味はわからないでしょうから、どうやら「金王丸」の声色が面白かったようです。日本とは違う反応を体験できるのが、海外公演の良さです。以下、フランスでの写真を羅列します。






中世の建物を利用した劇場の建物。一番下の写真は、私が1週間過ごした小屋です。



劇団員との交流会





近郊の教会や城をちょっと観光。上からプイゾォという町の教会。ナポレオンが居たというフォンテンブロウの城。下は近くの城跡。




日仏合同黒衣チームの結成・・・名前は・・・NINJYA



毎日、劇団員の方々が交代で食事の準備をしてくれました。ここに住み込みの団員もいるので、完全自炊。毎晩、楽しいパーティーでした。とにかく、田舎だから野菜料理がおいしかった。一週間でかなり、太りました。








公演風景。一般公演では、ライトを極力落として、ろうそく明かりでやりたいとの希望。初めての試みでしたが、人形や芝居の化粧が真っ白なのは、本来、こういう明かりでやるものなのだと、痛感した次第。さすが、フランス人の感性は鋭い。