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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

マラソンに見るスポーツ界の不可解な事情

2016-03-01 20:00:59 | スポーツ・ゴルフ
オリンピックの参加資格をかけて戦うと言うのは並大抵では無い。選考試合で良い成績を収める人がそのままメダルを取れるかというと、選考試合とオリンピックでは時期も違うし場所も当然異なるので、必ずしも勝てるとは限らない。選考試合で1位の選手がオリンピックで惨敗し、選考試合で良い成績を出せなかった選手が協会推薦で出場しオリンピックで銀メダルを取る、という事もある。マラソンは一発勝負、当日の調子を何か月も前に見通すのは難しいと思う。前回のマラソンでぶっちぎりの優勝を果たした福士加代子が、またマラソンを走るという。何が問題なのか。

要はオリンピックでメダルを取ろうとするから問題がおかしくなる。メダルを取るのは本人の目標であって、協会はサポートや強化のお手伝いをするのが役目では無いのか。実力があるとか実績があるとかいろいろ言ったって、選考試合で結果を出さなければオリンピックに出れない、と言うのが一番わかりやすいではないか。当然である。オリンピックは一発勝負、同じ一発勝負の選考試合に勝てなくてなんで本番で勝てるのかと問われれば、返す言葉は無い。実にすんなりしたシンプルなルールである。ところが選考試合が3つもあると言う。出場を決める勝負の選考試合は、1位から3位までを決める一発勝負の戦いにすべきである。あるいは一次予選で10人に絞り、最終予選で3人を決めても良い。間は半年くらい空けておくのが、疲労の回復力と安定した強さを見るために良いだろう。

どちらにしても出場する選手が全員同時にレースをする事が前提である。別々のレースで一人ずつ選ぶなど、どんな理屈から言っても「考えられない」方法である。オリンピックはタイムではなく「勝ち負けの掛かった勝負」である。もちろん標準タイムをクリアしなければオリンピックに行けないのであれば、足切りして今回は2人ということはあるだろう。しかし標準タイムをクリアしていれば、先にゴールしたものがオリンピックに行くべきである。それが勝負だ、出場する選手は誰しも納得するであろう。それが勝負の世界だ。その日たまたま調子が悪くても、体調が悪くて力が出せなくても、運悪く他の選手と接触してリタイヤしても、結果は尊重するのがアスリートの世界である。万人が納得するにはこれしか無いではないか。

もし、マラソン大会を主催する側の要望から選考試合に格上げしてくれないかとの打診があって、あちらもこちらも顔を立てた結果、選考試合が3つもある出来たとすれば、協会とは何のために働いているのか金のためなのかとの誹りを免れない。オリンピックはマラソンランナーに取って人生の夢である。その1つのために過酷な練習を営々と続けているのである。それが後援企業やテレビ放送局の思惑で左右されるとすれば、余りにも金目当ての企業論理がまかり通るスポーツとは真逆の世界では無いか。福士加代子の怒りはスポーツを愛する全ての人の怒りである。もう良い加減にこんな下らない選考方法はやめて、王道たる一発勝負の選考試合にするべきだ。そしてもう一つ、協会は選考に関わるなと言いたい。大体1位から3位までを決めるのに、協会の年寄りは不要だ。むしろそのほうが盛り上がってレースも白熱して良いだろう。万人が見てわかる、これがスポーツの原点であるから。

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