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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

デジタル2025(22)NHKスペシャルで「量子もつれ」を勉強する

2025-06-23 12:23:18 | 科学・デジタル

最近たまに聞く言葉に「量子」があります。量子コンピュータなどと普通のワイドショーなんかでも出てくる単語なんですが、実際は「何のことか全然分かってない」のですね(老人あるあるです)。まあ我々にしてみれば蛇口を捻れば水が出るとかスイッチを入れればガスに火が着くみたいな、簡単に言えば「道具の一種」だろうぐらいに軽く考えている訳です(まあ電子レンジみたいな日常的な便利な道具とはだいぶレベルが違うとは思ってるにしても)。で今回はちょっと量子というものについて本格的に勉強してみようかな?と思いました。まあ、量子コンピュータにも興味がありましたし、「量子ってこういう事なんだよ」と友達に自慢してやろうという不純な動機が一番先にあったのは事実です(どこまでマウント取る気なんだよ)。知ってるからどうって話じゃありませんが、気分はとっても良さそうですよね。

私は数学的なまたは物理的なあるいはそれに類した「科学的事象を解明する思考法」が大好きです。そういう疑問つまりこの世を形作っている物事の成り立ちを考える事で自分の脳味噌を鍛えるのが大好きなんですね。要は筋トレならぬ「脳トレ」です。ですから宇宙の話なんかは大好物ですし、相対性理論とか重力波なんていう難しい話も「一応食い付く」ぐらいの興味は持っている訳です(内容は分かりません!)。

番組はまず冒頭でこの「量子もつれ」という現象を分かりやすく説明するところから始まります。そして2つのスリットを通り抜ける光の軌跡が濃淡の筋となって現れる実験結果から「光は波であり同時に粒子であり、その両方の性質を併せ持つ」という、万人が知っているお馴染みの文章が出てくるわけです。この時点で我々凡人は分かったような分からないような「変な状態」に置かれるわけですね。

そして量子もつれの説明とアインシュタインの反論とその後の物理学の展開が長々と語られ、最後に何とか言うノーベル賞物理学者の実験が成功してとうとう「量子もつれは存在する」と証明されるという筋書きです。私にしてみれば「ああそうなの」としか言えない話ですよ、だって本当の所はチンプンカンプンなんですから。で、量子コンピュータが従来のコンピュータと比べて画期的に速いというのが図解されたあたりでは、何となく「そうなの?」と納得したかのように感じてましたが、実は半端思考停止状態だったと思います。

番組は量子もつれを追求した物理学者の高尚なドラマを描いたつもりでしょうが、結局私には何のことか理解出来なかったまま終わりました。このブログを書こうと思ってから録画を2度程見直しましたが、結局分からない事では全く同じです。そもそも「量子」という存在が「理解の外=イメージ出来ないもの」なんですね、もちろん量子コンピュータなんて「尚更」です。

私が思うにおそらく量子もつれとか重力波とか多次元世界とかのいわゆる宇宙の根源に関する疑問を説明される時の我々の反応=つまり「よく解らないまま放置されている感覚」は、もともと人間の普段の感覚と異なる世界の有り様を記述しようとして「分かりやすく例え話を使ってしまう」ところに原因があるんじゃないだろうか?、と思っています。

難しい事を何とか簡単に説明しようとするが為に「誤用」が生じて更に分かりにくくなったものの一つが「量子という概念」だと私は思いました(私の直感です)。私はこの番組を見てそう思ったし、何ならNHKの制作担当者も「同じように分かってない」んだと確信しました。もし本当に量子のことを分かっているのなら真正面から説明する筈だし「そうでなければ説明出来ない筈」なんです。

例えば1時間のドラマを見た人が全員量子の事を理解できたなら、日本中の学生が「全員ノーベル賞取ってもおかしくない」ですよね?・・・そんなに簡単なわけ、ないじゃありませんか。

結局この番組を見て最後に思ったことは「光」って結局「何なんだろう?」です。そしてトイレに行った時に思ったのは「私には学問は向いていないな」でした(笑)。

そしてもう一つ、もっと根本的な疑問が湧いてきました。良い会社に入ることだけが目的の大学なんて、わざわざ作る必要ある?って事です、意味ないじゃんって思えて来たんです。考えて見れば日本の大学の最高峰「東大」だって、学問を追求するホンの一部の生徒を除いた大多数の者にとっては「ただの職業訓練専門学校」でしかないという事実なんですね。まあ皆んな分かっている事なんだけど一向に変わらないんですよ、この誰が考えたか知らない「新入社員格付けシステム」・・・。

要するに、燃え立つような真理探求への欲求に動かされて研究一筋ン十年も没頭して最後にノーベル賞をもらうような人っちゅうのは、土台「相当な変わり者」なんですね、我々には縁遠い世界です。

振り返ってみれば私は学生時代に「アインシュタインの相対性理論」(勿論それを簡単に説明した一般読者向けの解説本でしたが)とか「マイケルソン・モーレーの実験」とか興味を持って読みふけった時期がありました。ですが、宇宙ひも理論とかシュレジンガーの猫とかになると「言ってる事のイメージが掴めず」諦めた記憶があります。一つの疑問を生涯かけて解こうとする人間の「知的欲求」への壮大なドラマは読んでる時は面白いんですが、じゃあ彼らの言っている事が分かるのか?と言うと「チンプンカンプンなわけです。

まあ幸いにも(と言うか不幸にもというか)物理学への興味は徐々に薄れていき、私の興味は当時流行のエレキバンドの方にに移って行き、その後色々あって(当然ですが)平々凡々な年金生活を送って今に至っています。まあ、有りがちな人生ですが満足しています。

で今思うことは人間って「不思議な生き物だよな〜」ってことですね。ここまで幾多の謎という謎を解明し、量子コンピュータみたいな凄い機械を作り出してそろそろ火星にも移住しようかと言うのに「なんで戦争みたいなくだらないことを一向にやめようとしないんだろう?」って事なんですよ。量子もつれもいいけど、こっちの方がもっと大事だろ!・・・って思ったりしてるわけです。人間にとって一番の謎は「他ならぬ自分自身」である・・・、これ誰が言ったんだっけ?



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