明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

NBA通信:来季の構想を眺めてみる

2019-07-07 21:52:37 | スポーツ・ゴルフ
2018−19シーズンはトロント・ラプターズの予想外の優勝で終わった。その瞬間から話題はもう大物のトレード話で持ちきりである。近頃のNBAはチームの思惑などはお構い無しで、有力選手のチーム選びがどんどん加速している。元はと言えばレブロンがマイアミでボッシュとウェイドとの「3キング」を作って優勝したのが皮切りであって、その後続々とスーパースターを3人集めるのが流行ったように見える。このところの常勝軍団ウォリアーズも、カリーとトンプソンとグリーンを集めて頭一つ抜け出した上に、更にKDことケビン・デュラントを加えて「無敵」とも言える破竹の勢いだった(過去形!)。クリーブランドでカイリーとラブの3人を集めたレブロンも、昨年は自身の年齢もあって歯が立たなかったのである。そのウォリアーズがKDの大怪我で失速し、カワイ・レナード率いるトロントに破れたのは正に「選手の優劣が優勝を決める」証拠である。つまりチーム力=選手なのだ。そうなればチームがやるべきことは最高の選手を集めることであり、フロント陣には高い交渉力が求められているわけである。だがスーパースターともなれば「どのチームに移るのか」予想が付きにくく、お金も大事だが「ほかの色々な理由」で決まる場合の方が多いみたいで悩ましい。そこで私が調べたわけではないが「誰が何処に移籍するか」、ネットに書いてある情報をまとめてみたので参考にどうぞ。

1、カワイ・レナードとポール・ジョージ
サンアントニオで怪我してから去就が注目されていたレナードだが、去年トロントに移籍するや「あれよあれよ」と言うまにいきなり優勝。MVPを取って勝利の美酒に酔っているかと思いきや、今度はロサンゼルス・クリッパーズに移籍するとのニュースが飛び込んできた。よっぽどラプターズが嫌なのかな?と勘ぐりたくもなるが、お騒がせ選手であることには変わりはない。ハジき出されたデマー・デローザンは「いい迷惑な」と怒っているに違いないが、これも「NBAあるある」の一つと諦めねばならないだろう。移籍する理由は、彼がカリフォルニア生まれでトロントは馴染みがなかったというのと、ロサンゼルス・クリッパーズが「エース不在」で自由にプレー出来る環境が整っていると考えたからじゃないだろうか。オクラホマシティからポール・ジョージが移籍することを条件にクリッパーズ行きを決めたというのが、彼のチーム構想の肝である。もしかしたら、トロントに行く時からサンアントニオを辞めて一度東カンファレンスのチームに移っておいて、1年後にはまた西海岸のチームに戻ってこようと「計算していた」のかも知れない。となるとクリッパーズという選択は長年の計画で、これはこれで結構長く続きそうである。

2、ケビン・デュラントとカイリー・アービング
ワシントンDC生まれだがテキサス大学に進学し、ドラフトでシアトル・スーパーソニックスに全体2位で入ってルーキーイヤーから目覚ましい活躍をするという、順風満帆のキャリアを積んできた。チームがオクラホマシティーに移ってサンダーとして再出発してからは、チームの運気も上昇し、ジェームス・ハーデンやラッセル・ウェストブルックといった「今やNBAの顔」と言われるほどの逸材が「揃って在籍していた」ことも奇跡的に起きている。サンダーからゴールデンステートに移籍した頃には、余りにも有望選手を集め過ぎじゃないか?と、ちょっと逆風が吹いていた時期もあったように覚えている。やはり彼も優勝リングが欲しかったのだ、と言うのも勿論だが、自分中心のラッセル・ウェストブルックのプレーススタイルと合わなかったというのがデュラントの本音だと思う。彼は自分の得点よりもチームの総合力を大事にする選手なのである。去年はシーズン途中の「ふくらはぎの怪我」をリハビリするために休んでいたが、やっとトロントとのプレーオフに間に合って出てきたと思ったら、今度は「アキレス腱断裂」という大怪我をしてしまった。ゴールデンステートでスーパースターに囲まれているのも良いのかも知れないが、怪我で休んでいる間に「自分を見つめ直した」のではないだろうか。年を取ってくると生まれ故郷のワシントンDCの東海岸に戻りたいというのもあるかも知れないし、エース不在のブルックリンで「思う存分バスケットを楽しみたい」という考えもあるかも知れない。来季は全休もしくはシーズン後半の最後の方に出られるかどうかだが、ボストンからカイリー・アービングがやってくるということで、これからネッツは台風の目になりそうだ。おまけにデアンドレ・ジョーダンが入ってくるとなれば、相当強いのは間違いない。カイリー・アービングが抜けたボストンには、ホーネッツからケンバ・ウォーカーがやってくるらしいが、どうなんだろう。大幅なチーム改造が必要だろう。

3、アンソニー・デイビス
そろそろ優勝リングを狙う時期に入ってきての「満を持しての移籍」である。生まれがシカゴなのでシカゴファンとしては来てくれないかなと密かに期待はしていたのだが、故郷に錦を飾るのはまだ若すぎるので却下。シカゴはあんまりお金もないようなので、トレード話も殆ど聞かないから寂しい話である。まあプレーオフに出れるかどうかで頑張っているチームだから、ADのようなスーパースターはちょっと無理かもね。というわけでレブロンのいるロサンゼルス・レイカーズに移籍した。ベテランのラージョン・ロンドとスーパールーキーのカイル・クズマ、それにデマーカス・カズンズを加えての超強力布陣は正に脅威である。いままではニューオーリンズという「余りメジャーとは言えないチーム」にいて知名度はあっても実際の試合を見ることは少なかったのだが、これからは名門レイカーズということで話題の中心になることは間違い無さそうである。レイカーズと言えばロンゾ・ボールがどうなってるのかと思ったら、ADが抜けた後にドラフト最大の目玉のザイオン・ウィリアムソンを取ったニューオーリンズに、ブランドン・イングラムとともにちゃっかり移籍してたというんだから「相当したたか」である。ペリカンズは大改造して殆ど新規チームみたいになった訳だが、ザイオンが怪我体質なのが気になると言えば気になる。

4、デリック・ローズとアイザイア・トーマス
こちらは怪我の影響でチームを渡り歩いていて、「過去の栄光」を何とか復活させたい選手である。デリック・ローズは古巣シカゴのお隣「デトロイト・ピストンズ」と契約。アイザイア・トーマスは日本人初のドラフト1順目指名で話題となった「八村塁」の所属するワシントン・ウィザーズと単年契約したらしい、と報じられている。日本では八村のおかげで急にワシントンが注目されているが、元々ジョン・ウォールとブラッドリー・ピールの二枚看板のチームである。個人的にはジョン・ウォールが好きなのだが、如何せん存在感の無いチームなので余り注目はしていない。ここでトーマスが成績を出してくれれば、来年のトレードではもう少しいいチームからのオファーが来るかも知れないと思っている。まあ新人が続々と出てくるからだんだん難しくなっては来るが、スピードとテクニックが彼本来の出来に戻ってくれば、充分スターターを任せる力は持っているので、もうひと頑張り活躍を期待したい。ちなみにデリック・ローズは、私がNBAで最も好きな選手の一人である。今季はミネソタで存在感を示したが、デトロイトという「プレーオフ進出圏内」のチームに移ったことで一層彼の「華麗なプレー」が爆発するんじゃないかとワクワクしている。デトロイトはどっちかと言うと「玄人好みの渋いチームカラー」で、往年のバッドボーイズを思わせるメンバーが揃っているのだが、ブレイク・グリフィンやアンドレ・ドラモンドやレジー・ジャクソンといった強力メンバーにトニー・スネルとかも移籍しているので、控えでスタートしても「充分に出場機会は増えてくる」筈だと感じている。二人のビッグマンでゴール下をガンガン攻めていき、デリックの多彩なパスワークやカットインで得点を積み上げることができれば、プレーオフ進出というよりも「カンファレンス上位も狙える」と踏んでいる。私の期待も込めて、ちょっと楽しみなチームである。

5、その他の有力な選手
●ボストン
アル・ホーフォードと入れ替わりにエネス・カンターが入る。期待していたゴードン・ヘイワードかやや不発なのが痛いが、カイリー・アービングよりサイズがあるケンバ・ウォーカーを中心にして、ここは心機一転巻き返しを図ってもらいたいものである。会社の「熱血ボストンファン」の上司はカイリーがチームを去るってんでガックシ落ち込んでいたが、これで少しは元気が出るだろうか。

●シカゴ・・・トマシュ・サトランスキーというチェコ出身の201cmのガードをワシントンから取っている。シカゴと対戦したときには25点を取っているので、実力はありそうだ。ザック・ラビーンとラウリ・マルッカネンに、ウェンデル・カーターとクリス・ダンと揃えていて、メンバーはやや小粒だが頑張っている。まあ、暫くはプレーオフ進出は難しい状況だが、若いチームだけに将来が楽しみである。

●クリーブランド
一時はファイナル常連だったチームがここまで落ちるかという見本のような侘しささえ感じる体たらくだ。それなりに戦力は揃えているのかも知れないが、レブロンとカイリーがいなくなった今、火の消えたような寂しさは否めない。暫くお休みである。

●ダラス
ルカ・ドンチッチとクリスタルプス・ポルジンギスが面白い。選手層の薄いのが弱みだが、ティム・ハーダウェイなどのベテランもいて、彼等の活躍がちょっと注目である。NBAというよりはコアなバスケットのファンに受けるチーム。

●ヒューストン、デンバー、ゴールデンステート、ミルウォーキー
ヒューストンは惜しくもカンファレンスファイナルへの進出を逃したが実力は充分あるチーム。ジェームス・ハーデンとCP3の二枚看板に、クリント・カペラ、PJタッカー、エリック・ゴードンと揃ったスターターは、ある意味最強とも言えるメンバーである。そのせいかトレードもしてなくて、現状維持で来季を戦う作戦のようだ。私としては、そろそろ年齢的に難しくなってきたネネに代えて、若いビッグマンを補強することで戦力の底上げを図るのもいいかも知れない。このチームの目標はただ1つ、ファイナルに出て優勝することしか無いのでは。そのためにはシーズン最初から「トップを目指して」、圧倒的な勢いを付けて欲しいものである。デンバーはニコラ・ヨキッチとポール・ミルサップが二枚看板の体制で、こちらもトレード参加はなしだ。ゴールデンステートはディアンジェロ・ラッセルを獲得してKDの抜けた穴を補強した。ミルウォーキーはヤニス・アデトクンボを大黒柱にブルック・ロペスやクリス・ミドルトンやエリック・ブレッドソーとメンバーが揃っている。マルコム・ブログドンがインディアナに移ったのは痛いが、代りにウェズリー・マシューズを取って戦力は維持できていると思われる。いずれも現状ではカンファレンス優勝を狙えるチームだけに、余りメンバーをイジらずに、このまま来季も戦おうという魂胆と見た。新しい選手を入れるのもよいが、ここは旧知の選手同士の「和」を重んじるというところか。私としては、ハーデンに優勝リングを取らしてあげたいと思っているのだが・・・。

●メンフィス、ニューヨーク、オクラホマ、マイアミ、オーランド、サクラメント
正直言って、よく知らないチーム。それぞれにファンがいて活躍もしてるのだろうが、余りゲームを見ていないから興味がわかないのか有名選手がいないので見ていないのか、どちらにしても書くだけの知識がないのでコメントは割愛する。

●ユタ
メンフィス生え抜きのマイク・コンリーが、ユタに入ってルディ・ゴベアとタッグを組む。そこにボヤン・ボグダノビッチが加わって新しいジャズを模索することになった。ガードとしてチームを切り盛りしてきたリッキー・ルビオはフェニックス・サンズに移籍。コンリーは高校・大学と「グレッグ・オデン」とチームメイトである。グレッグ・オデンはKDとドラフト全体一位を争って勝った逸材だが、怪我に泣かされてNBAを去ってしまった。マイク・コンリーはNBAの中堅選手といった位置付けではあるが、ここまでメンフィス一筋のフランチャイズ・プレイヤーであり、MAX契約を結んでチームの柱としてこれからという時に「2016年シーズン途中に脊髄損傷の大怪我」を負っている。二人とも怪我で苦しんでいるが、コンリーは何とか立ち直ったので不幸中の幸いである。やはりNBAの選手にとっては、能力の高さよりも怪我が一番の大敵かも知れない。「怪我をしない選手が一流選手だ」という言葉がスポーツ界全般にはあって、それで年棒が何十億円と差が出てくるわけだから、身体のケアは専門家に任せるのが一番であろう。怪我が理由で辞める選手というのは可哀想なものだ。

●フェニックス
リッキー・ルビオが加入したフェニックスはダリオ・シャリッチとルーキーのディアンドレ・エイトンを揃え、デビン・ブッカーと強力布陣で再出発である。スティーブ・ナッシュ引退後低迷が続くサンズだが、何かやってくれそうな雰囲気を醸し出しているのが不気味でもある。3ポイントのスペシャリストのカイル・コーバーも加入したので、フロントの本気度も増しているんじゃないだろか。見ものである。

●ポートランド、オーランド
ポートランドは相変わらずダミアン・リラードとCJマッカラム。オーランドはフィラデルフィアからマーケル・フルツが加入したが、彼は2017年のドラフト1位だったのにルーキーイヤーから怪我に泣かされて、結局シュートイップスになったりしてフィラデルフィアの構想から外されてしまった。こういう選手が新しい環境で復活できるとすれば、元々能力のある選手だけにオーランドの起爆剤となる可能性も無いわけではない。そこに掛けてみるという作戦かとも思えるが、果たして吉と出るかどうか。

という訳で、この先も何があるかわからないのから注目しながら見ている。が、取り敢えずFA選手達の移籍もここで落ち着いたようなので、私としては「ようやく来季の応援チーム選びに入る」ことができそうである。ちなみに私のNBAの見方は「選手ありき」なので悪しからず。今季はシカゴとミネソタを応援していたが、来季は何処を応援しようか正直言って迷っている。シカゴが余りに負けるので嫌になってしまったのだ。来季はそこそこプレーオフに出そうなチームを応援しようかと考えている。私はデトロイトで一世を風靡した「チャウンシー・ビラップス」のような味のある司令塔タイプが大好きなのだが、来季はそう言う選手が出てくるかどうか・・・。

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