明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

政治ニュースに一言(4)カザフスタン暴動の裏の真実

2022-01-14 16:08:34 | ニュース

昨日カザフスタンやミヤンマーやウクライナの政情不安について、如何にも知ったかぶりして「経済が問題」などと書いてしまいましたが、その後に新たな事実・分析が「田中宇ニュース」に載っていたので、改めて訂正と最新の情報とを書いてお詫びの代わりにしたいと思います。

今回のカザフスタンの暴動の本質は「ナザルバエフ前大統領とトカエフ大統領」の主導権争いにあり、経済云々は全く関係が無かったのだということが分かりました(昨日は私の頓珍漢な分析を書いてしまい、どうもすいません)。そしてこの暴動によるどさくさに紛れてトカエフ大統領がクーデターを決行、政府内のナザルバエフ安全保障会議議長一派を一掃することに成功した、というのがカザフ騒動の真実らしい。こういうことは日本のマスコミは殆ど伝えないから、ついつい世界の動向について「いい加減な憶測」を書いてしまった。反省しきりである。

まずは時系列で事件の流れを確認してみよう。

① ナザルバエフは自分が作った貧富格差による国民の不満の高まりを受け、2019年3月に大統領を辞任したが自らの権力を守る為に、終身の安保議長として居残り、代わりに自分の傀儡だったトカエフを大統領に据えた。しかしその後もナザルバエフ一派の巨額の儲けの搾取は続き、国民の不満は燻り続けていた。

② カザフ南西部のカスピ海岸の油田の街ジャナオゼンで「元旦から LNG を小売価格自由化した」事による燃料値上げに怒った市民らが、翌1月2日に国の政策に抗議して「反対デモ」を起こした。このジャナオゼンは2011年に油田会社の社員たちが安月給に怒って労働紛争を起こし、治安部隊が非武装の市民に発砲して鎮圧したという歴史的な場所である。昨年7月にも労働争議があった。

③ 反対運動はすぐ大都市アルマトイに飛び火し、今回の暴動となる。だがアルマトイの暴動はジャナオゼンのデモと異なり、「政権転覆のプロたち」の仕業のように感じられる(田中宇氏談)。

④ 暴動が起きてすぐカザフ全土のインターネットや携帯電話が停止された。だが暴徒側は予め用意した無線機などで連絡を取り、まず銃器店を襲って武器を奪い、さらに警察や軍の詰所を襲って武器を確保した。暴徒は各所で破壊や強奪を重ね、役所を占領・消防署の消防車を焼き討ち・街頭の監視カメラを壊してから暴動を起こすなどして治安部隊と交戦。治安部隊を退去させる。一月5日にはアルマトイの国際空港も暴徒に占拠された。

⑤ アルマトイの暴動は「外国勢力のプロの犯行だ」とトカエフ大統領は発表。強行姿勢を取る。

⑥ 暴動の責任を取る形で、1月5日、マシエフ諜報長官(ナザルバエフ派)は更迭された。このマシエフ長官は、米バイデン大統領の息子ハンター・バイデンと親しかったとされる人物である・・・。

ざっとこのような状況である。ここから今回のクーデター事件の真実を「田中宇流の裏読みストーリー」で紐解いて行くのだが、残念ながらこれから先は「田中宇の国際ニュース解説・会員版」の記事なので、ここに書く事ができない。残念である(皆さんには申し訳ないが、著作権を守るのは当然なので仕方ない)。とても面白い隠された事実が満載なので、興味のある方は是非とも会費(大体1ヶ月600円くらい?・・・未確認)を払って会員になることをお勧めする。日本のマスコミには書かれていない「本当の真実」を知る事ができるので、絶対オススメです。

とは言ってもこのままではモヤモヤが残るので、ちょっと「さわりだけ」書いておきますね。

⑦ スターリンの旧ソ連時代、ロシアはカザフ人を弾圧し、大量に餓死させて民族浄化を図るなどしており、カザフ人の間には今でもそれを恨んで「ロシア敵視のナショナリズム」が根強く残っている。

⑧ ロシアのプーチンは自国と国境を接するカザフの安定を望んでいて、国民に批判されているナザルバエフに早く辞めてもらいたかった。それに抵抗して、ナザルバエフは「ロシア敵視のナショナリズム」を国民に煽り、延命を図る。仕方なくプーチンは、昨夏カザフ政府に対して、ロシア系住民への弾圧を止めるよう要請していた。

⑨ トカエフは1月5日に CSTO(集団安全保障条約)に基づき、素早くロシアに軍事支援を要請。鎮圧に向かったロシア軍の真の意図は、ナザルバエフ一派のカウンター・クーデターによる「カザフ内戦」といった事態を阻止するのが役目だったのでは、と考えらていれる。

⑩ プーチンの圧力でナザルバエフは権力の座から追い落とされ、トカエフのクーデターが成功した。ロシア軍はそれを見届けると、カザフから戻って行く。

・・・こんなシナリオではないかと田中宇氏は「見事に解説」してみせた。流石の慧眼である。脱帽!

カザフスタンの今後の安定は、ひとえに「トカエフ大統領の手腕」に掛かっている訳だが、それは今後の動きを注視して行く他ないだろう。未だに東側・旧ソ連の衛星国と NATO との紛争は各地で起きていて、時々、ウクライナのように軍事的に激しい衝突が内戦にまで発展しそうな状況になってきているのが現実である。英米の諜報機関やアルカイダ・IS・などの暗躍も無くなってはいない。国際政治の難しいところは、マスコミの報道に現れない「裏の部分」が実は本筋だ、ということ。勉強になります。


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