ただ今 里の自坊到着。母親の大好きな 心斎橋大丸 見て歩き。化粧してもらったり、ながめたり、触ったり。女性はいつまでも女性だね。ひるめしはお好み焼き一人前をペロリと食べた。
母親は15年前、脳の血管が切れて、助かりませんと言われながら 一命をとりとめた。母の強靭な意志と神のご加護と仏さまの計らいがあったのだと思う。
きっと、父親のこととか、私のこととかが心配で、この世に、踏みとどまってくれた感じがする。
身体の能力や言語機能はほとんど失われた。脳の組織自体も ほとんどない。 最重度の障害扱いである。
母親は凄まじく、気丈夫で、そういう感じなのに、喋れないのに、あれやこれやと大声をあげて 何かと看護士さん達を困らせている。
園長さん、看護士さん、ヘルパーさん、どうもすみません。そして、ありがとうございます。
あ、そぅそぅ 母親は言語機能が失われてるから、基本喋れない。感情や考えは すべて、アーとかウーとかオーとかの母音三語を組み合わせたり、表情をだしたり、小声、大声で伝えてる。
充分ではないが、四割程度は理解できる。
そんな母がたった一言だけ話せる言葉がある。
「ありがとうございます」
神様が与えてくれた、たった一言。
仏さまからいただいたたった一言が、
「ありがとうございます」
嬉しかったり、感謝したり、感動したりの 良いとか楽しい感情はすべて 「ありがとうございます」
脳と人間と神仏の不思議。
たった一言喋れる言葉が もし、バカとかアホとかキライだったらと思うと ぞっとする。
母親は今日、楽しかったみたいで、みんなに 「ありがとうございます」 を連発していた。
お出かけの締めくくりは母親の通っていた四天王寺高校。懐かしくて ウォーウォーと言ってた。
四天王寺高校は四天王寺に隣接しているので、てらの境内まで入り散策した。阿弥陀様がおられたので、「南無阿弥陀仏て言おうか」って母に言った。
母は一言「ありがとうございます」南無阿弥陀仏は「ありがとうございます」である。
今日は天気も良く、風もなかったし、暖かかった。 なかなかの孝行日和だった。
しかし、車から車椅子に久々に持ち上げた母親はずっしり重かった。
何時もしっかり、食べさせて もらってる証拠ですね。50㎏はあんのちゃうかな。
親父どの。仏さまになった親父どの。今日、母親は始終ご機嫌でしたよ。ずっと 見守ってくれていて
ありがとうございます。
平和ならこその一日。
北朝鮮や中国が、1日も早く正気を取り戻しますように。
南無阿弥陀仏。