感想:名探偵ポアロ ベネチアの亡霊

2023-09-18 11:20:41 | 映画





1年前に愛する娘を亡くしたドレイク夫人が
ハロウィンのパーティで霊媒師を呼んで娘の降霊会を開く。
そこで起こった奇妙な出来事の数々を暴くべく
ポアロは灰色の脳細胞を駆使するが真相は見えてこない。
そして降霊会が終わったあとの深夜、霊媒師の死体が発見される。





ケネス・ブラナーの足の長いイケおじポアロ3作目!!

といっても2作目は見逃してしまったのでずいぶん久しぶり。

歳を取ったら海外古典ミステリを積極的に読む気力がどうしても起きなくて
映画化でこういう作品に触れる機会ができるのはありがたい。




ベネチアの河の上に立つ屋敷が舞台で
ゴンドラボートに乗らないと出入りができない。
事件の起こる日は強い嵐のため、全員が屋敷に閉じ込められてしまう。


1年前の娘の死が事故だったのか殺人だったのか。
ポアロの捜査によって降霊会に呼ばれた客たちと
1年前の事件との関わりが少しずつ見えてきて観る側の気分も上がる。



亡霊というオカルトがテーマだけあって、作品全編がホラーテイスト。

霊を一切信じることのないポアロが屋敷で体験するいくつもの怪奇現象は、
まんまホラー映画の手法が使われていてビビらされまくり。

個人的には「どこかから聴こえる子供の歌」の正体がずっと気になっていたので
それが明かされたときは一本取られたと思った。
まさに映画としての演出の勝利。



ネタバレを避けると何も書けなくなってしまうが、
「この謎の答えは?」「この謎の答えは?」と
ひとつずつに対して説明が欲しかったのに
一括で答えを出されてしまったのが残念だった点。



そんなわけで。
ミステリ作品としてはけっこう正道から外れている感じだったけれど。

クライマックスの華麗な推理と、意外な事件の真相。
登場人物それぞれの役回りと事件後に歩む人生も含めて
非常に綺麗にまとまって、気持ち良く鑑賞を終えることができた。


まさにクリスティ作品のいいところをまるっとくり抜いた脚本。
たまにはこういう地味だけど骨太な映画も補給しないとな!!


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