戦時中。特攻から逃げて出撃できなかった青年、敷島。
特攻隊の拠点である大戸島に現れたゴジラもまた恐れて攻撃することができず、
残っていた整備兵まで全滅させてしまう。
戦争が終結し、敷島は自分だけが生き残ったことに大きな自責の念を抱きながらも、
東京へ戻り少しずつ人生を軌道に乗せていく。
そんななか、逃したゴジラがさらに巨大化して現れ、破壊の限りを尽くしはじめる。
というわけで。
令和になってから観る昭和ゴジラの懐古ロマンも実に素晴らしいのだが
それよりさらに前の時代。戦後すぐを舞台にしたゴジラ。
東京に舞台が移ってからの戦後の人間ドラマとしても面白い。
俳優がみんな古き良き特撮の演技ができていてポイント高い。
ヒロイン役の浜辺美波がめちゃくちゃ可愛くて見惚れてしまった。
すげえいい女優に育ったなぁ……。
貧しい戦後の描写もリアルで、身につまされる。
「パンパンにでもなれって言うの!?」というセリフがとても良かった!!
怪獣映画を観に来た親子連れのあいだで
「お父さんパンパンって何?」という会話が各地で聞かれたかと思うと胸熱!!
戦後のどん底から這い上がる人々の生命力の描写に
「まるで朝ドラを観ているようだ!!」と思ったんだが
神木隆之介&浜辺美波って朝ドラでも共演してたのかよ……。
劇場でゴジラを見たのは『ゴジラvsデストロイア』以来な気がするが
約30年ぶりに映画館で観たゴジラの迫力がものすごい。
今のフルCGのゴジラでもしっかりゴジラ。戦後の銀座を蹂躙する描写が実に痛快。
昭和ゴジラより前の時代のはずなのに凶悪さが格段に上なのはなんでだよって思うがw
光線を溜めてから吐くタイミングがこれ以上ないほど完璧で感動した。
仕事が忙しくてレイトショーでしか観れなかったが
これは是非imaxでもう一度観たい……。
昭和世代からするとゴジラは着ぐるみだからこそ愛嬌も感じられて
子供たちのヒーローたりえる、とも思うのだけれど、それは単なる老害の意見。
ここまでしっかり作られたら年寄りの小言なんか封殺されるわ。
ストーリーはご都合主義で「なんでやねん」の連続だったけれど、
終盤でのストレスをとことん撤廃した姿勢は評価できる。
すごいゴジラを見て、スカッとまとまったラストを見て、
笑顔で気持ち良く帰れるのが優良娯楽映画の条件だろうしな。
この作品の監督である山崎貴は名前はよく聞いていたけれど、
wikipediaで他の監督作品一覧を見たら
『ヤマト』『ドラえもん』『寄生獣』『ドラゴンクエスト』『ルパン三世』
という錚々たるメンツが並んでいてオエエェェとなった……。
思い入れのある作品を完全CG化されたらオールドファンは
拒否反応が出るのは仕方ないw
でも『海賊とよばれた男』はすごく良かった。
画面構成の良さだけでなく、流れるようなストーリーラインが共通してたな。
今回のゴジラで一気に株を上げたと思うので、ここは是非次回作にも期待!