神戸在住、恋するスタジオ・フォトグラファー、ときどきドキドキ、ホンニョホニョン日記!

元銀塩・スタジオ・フォトグラファーである吾輩が日々、感じ、考え、体験したことをのんびり書き連ねていく日記形式のブログ。

ネガ修整について ②

2008年04月17日 20時09分30秒 | Weblog
私が普段、使っているのは製図用の3mmのシャープペンシルだ。メインに使う芯の濃いさは大体、二種類。Bと2Bである。
以前はHなど硬い芯も必要に応じて使っていたが、フォトビックスという機械でテレビに投影できるようになったので、以前より、精妙なチェックをしながら修整ができるようになった。そのシステムに慣れると単純にBの鉛筆だけでも塗り分けられるようになったのだ。
ネガを修整する場合、鉛筆でする場合と液体で修整する場合がある。後者は筆で補色となる染料を塗って、白く飛ばすのだ。
たとえば、黒いところを薄めたいのなら、ネガで白くなった部位を単純に黒い鉛筆で塗布していけばいいのだが、にきびなどの赤い斑点はなかなか、思うように鉛筆で消えない。だから、補色となる染料を塗布すれば、簡単に白くなるはずなのだが、現実はそう簡単にはいかない。赤といっても黒がまざった赤もあれば、ピンクに近い赤もある。アトピーの人の肌はマゼンタがかかっているし、そばかすやひげのあとなど、人間の顔もひとつのグランドであり、色も多種多様である。
染料修整の一番の難点は、補色を間違えると、色の残滓のように変な色がプリントに出てしまい、二次災害のようにプリントがだいなしになることである。
だから、私は鉛筆しか使わない。
ただし、お宮参りの赤ちゃんの顔のアップを撮影して、赤く腫れている部位が大きい場合は、あっさりとデジタル修整に回すようにしている。
(回すといっても私がするのだが)
この場合もある程度、ネガに鉛筆修整を施してからスキャンする場合と、そのままスルーしてスキャンデータをとる場合がある。
そのボーダーは個々の内容によって判断している。
デジタルでもネガでも、修整の極意は、修整したことを感じさせないことだと思う。
コメント
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