《専制による秩序》
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前回のつづきを急いで付け加える。
説明責任が果たされているのは、懲戒処分の「退学」であって、「自主退学」は「定員内不合格」と同じブラックボックスだ。
私が勤めた定時制高校では、夏休み明けに、全日制から転校してくる子たちがいた。一年生の1学期の成績で、「このままここにいてもどうせ進級できないから」と退学を迫られた子たちだ。
いまは違うか?
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2年前に留年した子に出会った。
両親と一緒に教育委員会と話し合い、合理的配慮を受けることで進級できた。
先生の評価より、子どもの学ぶ意欲を信頼できる両親がいなかったら、彼も自主退学を選ぶしかなかっただろう。
「定員内不合格」と「自主退学」には、明確なルールも、歯止めもない。
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『ルールは簡単だ。強者はやりたいようにやり、弱者は従う』だけ。
こういう状態を、なんと呼ぶか?
専制支配!!
「専制」とは何か?
《専制とは、権力をもった人々が一方的に振るう、残酷かつ不公正な行い、である》(※)
(※)『真実と修復』ジュディス・L・ハーマン みすず書房
【写真:仲村伊織】