ようこそ新しい就学相談会へ （はじめに）

ようこそ新しい就学相談会へ　（はじめに）



《子どもが浴びる親の思い》


たっくんは高校に行かなかった。
あのとき母親が大切に願ったものは高校とは別にあった。
そのことを私は忘れないでおこう。
…たっくんに会えなくなって21年が過ぎる。


康治が入学したのは養護学校だった。
普通学級へ転校する時、２千日の闘いの日々、一浪し高校へ、
そして自立の後、母親が大切に願うものはいつも同じだった。
年に一度訪ねるたび、変わらない親の思いが今もある。
そのことを、私は忘れないでおこう。
…康治に会えなくなって19年が過ぎる。


朝子が高校に受かった日の、伊部さんの喜び様を思う。
大漁の舟盛りの寿司を注文し、誰がこんなに食べるのと純子さんに怒られても嬉しそうに笑っていた。
それから卒業までの８年の年月、伊部さんの思いをそばでみせてもらった。
そのことを私は忘れないでおこう。
…伊部さんに会えなくなって13年が過ぎる。
…純子さんにももう会えない。


子どものため通級にうなずいたＫさんの思いは、
一年で転校という形に変わった。
流れに逆らう術をＫさんも私も知らなかった。
それでも大切にしたい思いは変わらない。
障害の重い弟が入学する時、Kさんに迷いはなかった。
「お兄ちゃんのときはだまされたから」
その言葉は、恨みではなく、大切にしたいものを守るため。
自分に言い聞かせるものだった。
だました側の私に、その言葉を教えてくれた意味を今になって知る。
そのことを私は忘れないでおこう。
…Kさんに会えなくなって30年が過ぎる。


大切なものを守るために、闘うしかない時代があった。
そのとき、私がもっとも尊敬する人たちの思いは、いつも子どもにあった。
そのことを私は忘れないでおこう。


たっくんにも、康治にも、Ｋさんにも、伊部さんにも、純子さんにも、会えないけれど、
もらった思いは、ここにある。

おかげで、私は子どもたちに出会えた。
いまも出会える。


ようこそ、就学相談会へ。

「この子の一番かわいいところ」を、語り合い、笑いあえる仲間の一味へ、ようこそ。
みんなの子どもが、自分の人生に納得しながら堂々と生きるために、ようこそ。


　
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《2018年度の就学・就園相談会の日程》


5月13日（日）13時半～　障害児の高校進学相談会　　千葉市・きぼーる

7月1日（日）13時半～　就園・就学相談会　　柏市・パレット柏

7月8日（日）13時半～　就園・就学相談会　　千葉市・きぼーる

9月9日（日）13時半～　就園・就学相談会　　千葉市・きぼーる