ミラーおばさんのことば(2016-Ⅳ)
「子どもの屈辱をわかってやる感覚が、私たちにはまだ備わっていません。
子どもを尊重しその傷ついた心を知るというのは、知的な行為ではありません。」
もしあなたが、子どもの屈辱をわかってあげる感覚を備えたいと願うなら、
暮らしの中で、子どもとの相互性と応答性を守ると誓うことです。
子どもを尊重しその傷ついた心を知るには、
目の前の子どもに尋ねる以外に方法はありません。
でも尋ねるのに、言葉を用いてはいけません。
言葉とその子はまだ相互性を備えていないかもしれないからです。
言葉を使わずに、子どもの傷ついた心をどうやって尋ねるのか?
そもそも、自分以外の人の傷ついた心を「わかる」ことなど可能なのか?
目の前の子どもに尋ねること。
尋ねるのに、言葉を用いないこと。
尋ねる相手は目の前の子どもですが、
答えてくれるのはその子ではありません。
答えてくれるのは、目の前の子どもではなく、
あなたの中の子どもです。
相互性と応答性に守られた日常の暮らしのなかで、
目の前の子どもの感情の流れによりそいながら、
二人の感情の流れのなかであなた自身が痛むとき、
子どもの屈辱が何かに気づくかもしれません。
子どもの痛みが「分かる」のではありません。
あなたが痛みを感じるのです。
あなた自身の痛みを感じるのです。
子どもの屈辱が、あなたの痛みであるとき、
あなたは自分の言葉を見つけることができるかもしれません。
でも、それはかんじんなことではありません。
子どもと一緒に暮らす時間の流れ
子どものゆれうごく感情の流れ
自分の感情の流れ
その流れの速さや揺れや淀みを感じること。
子どもの屈辱をわかってあげる感覚を備えるためには、
暮らしの中で、子どもとの相互性と応答性を感じながらいきることです。
ひとまず、これが私の33年目のこたえです。
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