就学相談会(1)
先日の日曜日は就学相談会でした。
参加者は35家族、73名。
たぶん過去最多です。
相談前アンケートで、「普通学級に決めている」に○がついていたのは2枚だけでした。
(どちらも以前の相談会に参加された方です。)
残りはすべて「普通学級にしたいが迷っている」か「特別支援」でした。
「相談会」というタイトルではありますが、私にとっては「真剣勝負」のようなところがあります。
就学前の小さな子どもたちを見ながら、「この子たちの人生が、ここで大きく左右されるかもしれない」という恐れをいつも感じます。
今回のアンケートの中に、「夢のよう」という言葉がありました。
就学前ではなく、すでに特別支援学級に通っている子どものお母さんです。
「…普通級に居てもいいんですか?
居れるんですか?
夢のようなことです。」
夢のようなことです。
その言葉が、ずっと私の頭を巡っています。
「夢のよう」とは、「障害がなくなる」ことではありません。
「普通学級に行けば、勉強ができるようになる」ことではありません。
それよりも、この子がこの子のありのままで認められる場所、この子がこの子のままで堂々と生きていける生活の場所を取り戻すことのできる喜びなのだと思います。
「できる・できない」という、物事の成就の話は、この子の生活の揺るがない土台があって後の話。
この子が自分の人生を生きる喜びは、この子にとって大切な家族や友だちとの感情の行き交う温もりの内にあるはずなのに。
障害があると分かったとたん、この子の幸せは、できることを増やし障害を補っていく道を歩くことのように言われる。
障害が軽減されれば、ふつうの子どもたちの日常があふれる学校生活に戻れるという。
でも、この子が障害を克服して、障害のない子どもたちに追いつく日がこないことは、年を重ねるほどにわかります。
障害のない子どもの成長はあまりに早すぎます。
だから、普通学級の暮らしを求めることは無理なのだと言い聞かせるしかなかった日々があったのだと思います。
「夢のようなことです。」
それは「養護学校反対」という運動の言葉ではありません。
それは「分けることは差別」だという、怒りの言葉ではありません。
「夢のようなことです。」
ただ、わが子が、私にとってかけがえのない大切な子どもである、というまなざしと敬意と普通の日常生活の環境を、わが子に贈りたいと願う親の叫びのように聞こえることばでした。
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ishizaki
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