ワニなつノート

おくりもの




おくりもの



私たちはみんな誰かに守られた子ども。
守られた私がもらった一番の贈りもの。
それがこの子へ一番に贈りたいもの。


あの子はニンジンが嫌いで、この子はピーマンが嫌い。
そんな違いはあっても、「食べる」を共有する身体感覚は同じ。

あの子は言葉を話さず、この子は呼吸器を使う。
そんな違いはあっても、「みんなと一緒の安心」を共有する生活感覚は同じ。

みんな誰かに守られた子どもとして、
私たちはみんなふつうの子どもだった。



新しい教室の緊張。
なじんでいく風景。

突然の雷雨の不安。
遠足の前のワクワク。

同じ時の流れで息をして、
同じ感情の流れに身をゆだねる。
そのつながりを拠りどころに育つ自尊感情もある。



私たちはみんな誰かに守られた子ども。
教室の風景も、時の流れも、
「守られた子どもみんな」を同じく包み込む。

私たちはみんな一人じゃない。
その共感覚を味わう生活を、ふつう学級という。



だから、私たちはみんな誰かを守ることで、孤独と戦う。
この子がさびしくないように。

誰も分けない。
誰も捨てない。
子どもを「いない」ことにはさせない。
必ず見つける。



私がこの子に出会ったとき、この子は私をみつけてくれた。
私たちはみんな、この子にも「守られる子ども」だった。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ようこそ就園・就学相談会へ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事