「何も無くて死ぬはずがない」
スポニチ[ 2011年3月29日 11:12]
知的障害がある安永健太さん=当時(25)=が、佐賀県警の松・・・巡査長(30)らに取り押さえられた後で死亡した日から3年半。佐賀地裁は29日、松・・巡査長に無罪を言い渡した。
何が起きたのか、
誰が悪いのか、
何も分からない結論に、父親の孝行さんは
「何も無くて死ぬはずがない。健太に報告できることがない」と、無力感を漂わせた。
「被告人は無罪」。
裁判長から主文が言い渡されると、孝行さんは顔を紅潮させた。
読み上げられる判決理由を、目を伏せて聞いていたが、その目は時折、被告席の松・・巡査長に向いていた。
「健太がなぜ死んだのかが知りたい」。
事件直後からそう訴えていた孝行さん。
しかし付審判決定された罪名は、松・・巡査長が職務執行の際に相手を傷つけたとする「特別公務員暴行陵虐致傷罪」で、安永さんが亡くなったことを直接問う「致死罪」ではなかった。
公判で検察官役側と弁護側の双方の立証は、殴打があったとされる約1分間に何があったのかという点に絞られた。孝行さんは、被害者参加人として全公判を見守ったが、「なぜ」に答えるものはなかった。
今でも自転車の音を聞くだけで安永さんを思い出すという孝行さん。「裁判自体にそもそも意味がない。私の気持ちは何も変わらない」と話している。
□ □ □
取り押さえ死判決:遺族、無罪に落胆隠せず/弁護側は「真相解明できた」
毎日新聞・2011年3月30日
佐賀市で知的障害のある安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死したことを巡り、特別公務員暴行陵虐傷害罪で審判に付された佐賀県警巡査長、松・・・被告(30)に対し、佐賀地裁は29日、無罪(求刑・懲役1年)を言い渡した。
元気だった若者の突然の死を巡り、真相の究明を求めてきた遺族や支援者は落胆を隠さず、「裁判所も真実を明らかにはしてくれなかった」と不満を漏らした。
「裁判所には少しは期待していたけど、結局、警察を悪くはできないということでしょう」。亡くなった安永さんの父で、会見に応じた孝行さん(49)はあきらめたような口調で語った。
健太さんが取り押さえられたのは普段通っていた障害者施設からの帰り道だった。
「なぜ死なねばならなかったのか」という疑問、次々と説明が変わる警察への不信感。
付審判を求め、真相解明に期待したが、思いはかなわなかった。
心の整理は今もつかない。健太さんが過ごした2階で物音がしたり、好きだった自転車の音が聞こえると「健太が帰ってきたのかな」という思いにとらわれるという。
一方、松雪巡査長の弁護団は主張がほぼ認められた形となり「立派な真相解明ができた」と胸を張った。
弁護士が「よかったね」と声をかけると、松・巡査長は「はい」と笑顔で答えたという。検察官役の弁護士は控訴するかどうか1週間以内に結論を出す考えだが、弁護団は「審判は、公私両面で負担を強いており、すべきではない」と断念を求めた。
付審判制度に詳しい三重短大・楠本孝准教授(刑法学)は
「証言の信用性が疑われたので、無罪はしかたがない。
だが、この判断が常識的な判断だったかは疑問が残る」と指摘。
そのうえで「証言が信用できないからといって、取り押さえが保護行為だったとは判断できない。
信用できる証言を得られなかったのは、ひとえに発生当時の捜査段階での事実究明が不十分だったためだろう」と語った。
【蒔田備憲、竹花周】
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(yo)
「弁護士」という職業は、結局「軍隊」と同じらしい。
味方は殺してはいけないが、敵なら殺してもいい。
仕事は、勝ち負けがすべて。
真相?
25歳の若者がどうして死んだのか?
そんなことは知ったこっちゃない。
自分のお客様が無罪を勝ち取れば、「立派な真相解明」と胸を張る。
裁判とか、弁護士とか、法律とか、それ自体が人間を大切にするものではないと、肝に銘じておこう。
「普段通っていた障害者施設からの帰り道」で、私の友人たちが殺されないように。
殺される前に、私たちがやっておかなければいけないことはたくさんある。
やっぱり、小さな子どものころから、誰も分けないで、一緒に遊び、一緒に学び、一緒に育ちあう社会にしよう。
誰が警察官になっても、誰が弁護士になっても、誰が裁判官になっても、いろんな障害をもった人が同じ町で暮らしていることを、当たり前に知っている社会になるように。
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