≪親の信頼のカタチは、子どもの自立のカタチにつながる≫
言葉にしてみれば当たり前の気がします。
でも、こうして「言葉」として自覚したのは初めてだと思います。
今まで、何かで読んだ記憶もないような…。
そう、「障害のあるがままでの自立」という「新しい考え方」は、
青い芝の人たちの「親は敵だ」という立場から語られるのが
ふつうだったからかもしれません。
実際、障害者の自立生活運動は、
青い芝の会の「親は敵だ」という宣言から始まったのでした。
「障害者が家を出て一人暮らしをすること」
「結婚すること」
「子どもを産むこと」
「施設を出て生活すること」
障害のある人がそうした思いを抱いた時、
目の前に立ちはだかる一番の障壁が「親」でした。
その「親は敵だ」という言葉に込められた思いを真摯に受けとめて、
子どものじゃまをしないようにと、
子どもの味方でありたいと願う親たちの思いが、地域の普通学級へ、
0点でも高校へ、という運動を作ってきたのだと思います。
子どもの生きる「社会」は学校なのだから、
地域の学校でふつうに生活することが、
将来地域でふつうに生活していくことにつながると、
そう信じながら歩んできたのでした。
いまも高校までの学校生活を終えた障害をもつふつうの子どもたちが
大人になり、次々と自立生活へと向い歩んでいます。
たくさんの障害のある人たちが、
学校時代よりさらに何倍もの苦労しながら歩んでいます。
そうした無数の人たちのなかから、
歩さんや秀和が「登場」してきたような気がします。
「親は敵だ」から、
「親の信頼のカタチが、子どもの自立のカタチにつながる」へ。
それがこの30年余りの間に、
確かに変わってきたことの一つかもしれません。
それと、今回のカルタを言葉にして、もう一つ、気がつきました。
≪親の信頼のカタチは、子どもの自立のカタチにつながる≫ということは、
今までとはまったく違う「自立」の常識を作っていくことにつながります。
子どもひとりをがんばらせて、
教育や療育で個人の能力を伸ばして自立させるという発想とは
まったく違うところからの自立という話になっているのです。
今までの障害者自立生活運動の中で、もっとも遅れてきたのは、
やはり「親は敵だ」という「言葉」も「文字」ももたない
重度知的障害とよばれる人たちの自立でした。
私たちは、歩さんや秀和さんの生き方から、
もっともっと多くのことを教えてもらうことができそうです。
ますます12月21日が楽しみになってきました。
(つづく)
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