ワニなつノート

一月の集会の準備(その7)



《校長が教育委員会に宛てた文書》①


1月の集会資料を準備していて、おもしろい資料を見つけました。

ある高校の校長が、教育委員会の人事部に宛てた「介助・講師」配当要望の文書です。

日付は、平成元年3月。

そう30年前の文書です。



              ◇



【本校定時制生徒特別指導のための
非常勤講師配当に関する経過報告
並びに今後の措置のお願い】



1 経緯

(1) 昭和62年度入学のA(多動性自閉症)の特別指導措置として、生活指導特別補助員(62年4・5月)並びに非常勤講師(62年6月~63年3月)の配当をいただき、具体的には4月から7月を3名で交替週30時間の一般賃金、9月~3月を2名で交替週24時間の非常勤講師で対応してまいりました。なお、3名と2名は中学校時代より介助に当っており、Aと人間関係の保てる人選に配慮した。

(2) (略)

(3) 平成元年度は受験の特例措置でB(脳性麻痺による全身不随)が入学し(添付参考資料①)、Aともども前記2名の非常勤講師(週24時間)をもって当ることについてのご了解をいただき、2名の教科講師時数16時間のほかに、特別指導時数8時間の配当をいただき、対応してまいりました。(前年度よりさらに6時間減)


2 《今後(平成2年度)の見通し》

(1) A(4年に進級)・B(2年に進級)らはできるだけ自立させる方針が基本にあり、確かに年度を追って比較的学校生活に順応しつつあるが、個々の場面では介助者がはりついていることによって、問題が大きくならず、今日に至っていることは衆目の認めるところである。

(2) A・Bらと限らず、各学年とも心身障害・自閉症及び病弱の生徒を数十名抱えている。
指導困難に加え、養護学校と異なって限りある教員の眼の届かぬところから発生する問題も多い。特に添付を避けるが別紙参考資料②(62・63・平成元年の計※名)の実態を参照していただきたい。


3 《校長の方針とお願い》

(1) 元年度に続き2年度も全都最大定時制(認可19・運用20学級)であり、指導困難はさらにきびしいものと予想されるが、地域中学校(それぞれ心身障害学級を抱えている)の実態や親の要望を受け入れないわけにはいかない。特にA・Bほか多くの障害者への対応を失くしてはならないと考える。

(2) 2年度も前記2名の非常勤講師(週24時間)をもって介助にあたることについてのご配慮をいただきたく、2名の教科講師時数16時間(配当済)のほかに、特別指導時数8時間の配当を賜りたく伏してお願い申し上げます。



          ◇



 この文書は、あくまで「介助・講師時数」の「加配」のためのものである。したがって、「障害児」には「介助者」が「はりついている」ことが必要である、等の表現はある。

だが、改めて言う。これは、平成元年に「公立高校長」が「教育委員会」に出した文書だ。

「障害者差別解消法」どころか、「障害者差別禁止条約」もなかった時代。


【昭和62年度入学の…】ということは、千葉県ではまだ「会」もなかった時代だ。


その時代に、校長が、【地域中学校(それぞれ心身障害学級を抱えている)の実態や親の要望を受け入れないわけにはいかない】と言い、【特にA・Bほか多くの障害者への対応を失くしてはならないと考える。】と、明言しているのだ。


この校長に話を聞きたいところだが、それは無理そうだ。
その後の消息を知らないし、年齢も約90歳ということで難しいだろう。

でも、文書中にあるAと人間関係の保てる人選に配慮した】という、高校の介助員をしていた人の話は聞けるとおもう(・。・)


「聞きたい♪」と思った人は、来年1月14日に予定を入れてくださいな(^^)v
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