蒼い空の下で

文系男子の何気ない1日を記します。

夏のあとがき①-セミの鳴き声-

2018-08-26 23:43:18 | 2018年学童野球
8月も終わりだというのにやけに雲が高い。
それに付け加え、例年に比べると妙な暑さだ。

ろうきん杯予選の最終日。
この日も朝から蒸し暑い。
だが、飼育中のカブトムシは相変わらず元気に過ごしてくれている。

歩夢の夏休み自由研究。
今年はカブトムシの生育状況を提出か。
毎朝、カブトムシの状況を見て、歩夢に伝えるのが日課となる。
まぁ、来週中にでも作ってみる事にしようか。

-午前7時集合-
渉太と湊志の海外研修組を除き、欠席者はいない。
10時半からの試合に備え、ホームグラウンドで調整。

9時を目途に一通りの練習をこなす。
いい汗だけは掛けた。

父親は元より、母親たちもグラウンドに現れる。
そして、配車係の車に子供達を乗せて青葉球場へ。
昨日同様、私は3、4年生を連れて行く。

日照りで暑くなった車中。
スマフォを取り出し、とある曲をかけてみる。
-夏疾風-
今夏の熱闘甲子園で使われていた曲。
懐かしさをも感じるいい曲だ。

9時半頃、青葉球場に到着。
周辺の畔では既に稲刈りが済んでいる所も見えた。
もうそんな時期になったのか。
夏の訪れ、そして過ぎ去っていくのも早い。

連れてきた子供達と一緒に1塁側へと移動。
傍ら、目の前で行われている大飯と名田庄の試合に目をやる。

既に到着していた保護者が、一角を陣取っていた。
しばらくは、試合を見ながらゆっくりとする。
すると、どこからか青郷小で行われていた青郷クラブと高浜クラブの試合結果が入る。

1試合目も終盤に差し掛かったところでマリナーズが動きだす。
この日も先発は和貴のようだ。
貴悠と投球練習を始める。

しばらくすると、大飯の勝利で第1試合が終わる。
ベンチ、そして応援席の入れ替えとなる。
「必笑」と書かれた横断幕を掲げ、テントを設営。

気付けばシートノックが始まる。
昨日と同じ布陣のようだ。
グラウンド整備を終えると、マリナーズは円陣を組んで声出しを始めた。
この日、ベンチ入りした6年生の母親達もその様子を見つめる。
なぜかその目が寂しそうにも見えた。

—11時25分開始-
初回、4年生の歩夢と柾樹から好機を作り出すも得点に結びつかず。
その裏、すかさず和貴の投球に託す。

このチームは、和貴が崩れればそれでおしまいだ。
立ち上がり、みんなで守ってリズムを掴む。
それが何よりも大事なことである。

ランナーを得点圏に出すも、貴悠の送球から三盗を刺す。
ところがその直後、外野を割くタイムリーを浴びて先制を許す。
とりあえず1点を追いかける展開となる。
ここからキズ口を開けなければいいだけのことだ。

その直後の攻撃に入る前。
ベンチ前では、膝をつき子供目線とした雄介を中心に小さな円陣が組まれる。
気持ちだけは切らすわけにはいかない。

3回裏の守り。
先頭バッターの打球を3年生の悠久が見事に捕球。
いい入り出しとなったが、ここでもピンチを招くこととなる。

ランナーを三塁に置いた場面でのバッテリーミス。
すかさず、ホームに返ってくる相手走者だったが、それをアウトにしてみせる。

まだ試合の流れはどちらに傾くかは分からない。
逆に言えば、こちらにも手繰り寄せる好機は十分にある。

すると、それは突然に訪れた。
4回、フォアボールで出塁した太良を得点圏に置き、和貴が打って返す。
また、続く貴悠もフォアボールを選び、相手の失策から生還する事となる。
こうなれば、流れは必然とやってくるものだ。

未夢、悠久が連続フォアボールで出塁。
ここで登場したのが九番に甘んじる海翔。
ベンチからの大きな声援の中、期待に応える。
右中間を破ったタイムリーツーベース。

ここでこの日一番の大きな声が響き渡る。
あの太い美声は、間違いなくベンチから見守る秀美さんのものだろう。
私はレンズ越しに笑ってみせた。

だが、私はこの期に及んでもリードしているとは知らなかった。
得点係をする大作に何度か得点状況を確認していた程だ。

ところが、四回裏に逆転を許してしまう。
こちらは騙し騙しの守り。
そこに飛べば、言わずとヒットと化す。
そうなれば、とても太刀打ちは出来ない。

5回を終えたところで3対5。
押せ押せムードも一転した。

6回表の攻撃。
時間の経過から見てもこれが最終回になるのか。

「まだ終わっていない」
ありきたりな言葉だが、雄介が円陣の中で子ども達に伝えたのが聞こえた。

その言葉を信じた子供達は最後の最後まで諦めなかった。
フォアボールで繋いだ下位打線が上位にまで廻した。
しかし、1点は返せたものの追撃はそこまで。
4対5で敗れる結果となった。

グラウンドの整備に入り、ベンチを眺めると、そこからは落ち込んだ様子が見られた。
私は、自分自身が悔しいのかそうでないのかがよく分からなかった。

試合を終え、自動車に忘れ物を取りに向かう途中だった。
球場の入り口で久々に森さんに出会った。
気付かない所から応援してくれている。
あの頃と同じだ。

自動車に戻って忘れ物を手にした。
心地の良い風を感じながら雲の高い空を見上げた。
すると、やたら耳にするセミの鳴き声が気になり始めた。
そして、気が付けば同じ時期のあの日を想い出させるのであった。

                        つづく
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