○五体俳句002・舌01・林田紀音夫
「腕」に続いて第2弾は「舌」。五感の中の味覚をつかさどる舌。
○「舌いちまいを大切に群集のひとり」(林田紀音夫01)
○季語(無季)
【鑑賞】:群集の中に一人でいます。いまはこの舌を使って話したり味わったりしてはいないのですが、 そのうちこの舌を必ず使う時が来ます。それまでは口の中にしまって大切にしておきましょう。
○林田紀音夫(はやしだきねお)(1924~1998)
○好きな一句「鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ」02
○季語(無季)
【Profile】:熊本県生まれ。戦後「金剛」「青玄」「風」同人を経て→金子兜太の「海程」、→鈴木六林男の「花曜」同人。第11回現代俳句協会賞受賞。
林田紀音夫載句
2010/10/19 03滞る血のかなしさを硝子に頒つ(無季)〈五体・血〉
2011/01/25 04箸を割る多数の中のおくれた手(無季)〈五体・手〉
2011/05/03 05洗った手から軍艦の錆よみがえる(無季)〈五体・手〉
2013/02/27 06身辺の夜より黒く傘ひらく(無季)〈色彩・黒〉
2013/11/15 07黄の青の赤の雨傘誰から死ぬ(無季)〈特集・気象(雨)〉
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