切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『樅の木は残った』 山本周五郎 著

2016-07-13 23:59:59 | 超読書日記
今週のNHK「にっぽんの芸能」は、江戸時代の有名なお家騒動「伊達騒動」を題材にした歌舞伎の「伽羅先代萩」を取り上げるとのこと。伊達騒動の真相には諸説あるんだそうですが、「先代萩」の悪役・仁木弾正のモデル原田甲斐が実は忠臣だったという内容の作品が、この『樅の木は残った』で、山本周五郎の代表作ですね。ということで、正直、ヘビーな読書でした。簡単な感想のみ。 . . . 本文を読む
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指を切った話(向田邦子の「大根の月」)

2016-07-12 23:59:59 | 超読書日記
じつは、先日パンきり包丁で左の親指の指先を切ってしまって、ここ何日かは本当に難儀しました。やったことのある人はわかるでしょうけど、ホームベーカリーで食パンを作ったとき、最初と最後の一枚を切り分けるのって力が要るんですよね!で、その日の晩たまたま聴いていた小説の朗読テープが、向田邦子の短篇「大根の月」で、これはお母さんが子供の人差し指を事故で切り落としてしまった話なんだけど、指が指の話を呼んだな、と。縁起でもないかな? . . . 本文を読む
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今日は鴎外忌なんだよね。

2016-07-09 22:24:34 | 超読書日記
娘の森茉莉の方が好きとはいえ、鴎外も好きですよ(笑)。鴎外の文章もハイカラですから。一度は太宰治の墓があることで有名な三鷹の禅林寺に行ってみたいと思っています。ところで、「ととねえちゃん」のモデルになっている雑誌『暮らしの手帖』編集部に、鴎外の著作権が切れて生活に困った森茉莉が出入りしていた時期があるんですってね。ドラマに出てくるのかな? . . . 本文を読む
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今年も半分終わった日は、金子光晴の命日。

2016-06-30 23:59:59 | 超読書日記
6月30日は放蕩の詩人金子光晴の命日(1975)だと思うと、残りの半年は放浪したい気分に駆られますね。わたしだけかな・・・。 . . . 本文を読む
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『健康の味』 南伸坊 著

2016-06-27 23:59:59 | 超読書日記
小泉今日子の書評集で知って読みました。ある人の言った、「詩人ランボーもよいが、日本のシンボー(伸坊)もよい」って、ほんとですね。健康に関するエッセイ集です。南伸坊がゼンソク患者だって、親近感、感じてきたな~。 . . . 本文を読む
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桜桃忌に聴くべきCD

2016-06-19 23:59:59 | 超読書日記
たまたま縁あって聴いたんですが、よいですね、井上ひさしの太宰治に関する講演。この人の作家研究本(?)は、どれも細かい、具体的な人物像にこだわっていて面白いんですが、肉声で聴くとまた違います。ちなみに、太宰と井上ひさしって背格好が近いとは!(顔はだいぶ違うけどね!) . . . 本文を読む
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『西郷隆盛』 芥川龍之介 著

2016-05-30 23:59:59 | 超読書日記
芥川というと、初期にせよ晩年の作品にせよ、深刻なものがよく取り上げられるでしょ。でも、芥川の元気だったころの良さって、皮肉屋のユーモアみたいな部分なんですよね。で、オチは単純ながら、語り口とひとを喰った演出術で最高なのが、この『西郷隆盛』。わたしは、1分間しっかり笑いました!ということで、ご興味のある方はどうぞ! . . . 本文を読む
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『冬の鷹』 吉村昭 著

2016-05-24 00:15:40 | 超読書日記
ここのところ、オジサンの読む時代小説・歴史小説ばかり読んでいるんですが、これは傑作でした。「解体新書」の翻訳者として歴史に名を刻む杉田玄白と前野良沢。対照的なふたりを描いた重厚な一冊です。やはり、吉村昭は文章がよいですね。 . . . 本文を読む
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『歳月』 司馬遼太郎 著

2016-05-22 00:10:30 | 超読書日記
ウィキペディアに、大久保利通が撮らせたという、江藤新平の生首の写真が載っているんですが、つい140年位前の近代国家による処刑なんですよね、やはり国家って怖いな・・・。この本は、30過ぎまでほぼ無名、34歳くらいからその才覚で出世して、国政に携わる参議にまで大出世したものの、征韓論で西郷隆盛らと下野、最後は佐賀の乱の首謀者として数え年41歳で処刑された江藤新平の物語です。ま、ジェットコースター人生ですよ。切れ者故に組織から失脚していく人の典型ですね~。中堅クラスの社会人が読むと、いろいろ思うところがあるんじゃないでしょうか。おすすめ。 . . . 本文を読む
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蓮實重彦の三島賞受賞会見、観ました。

2016-05-18 22:35:22 | 超読書日記
ネットで話題になっていましたが、わたしもついに観ました。このひと、齢80歳にして健在なんですね。ひさびさに、バカにおもねらない大人を観た!大衆に媚びたり、「いいね!」といわれたいだけの軟弱な大人たちにウンザリしている人は、この動画を観ると元気が出るんじゃないでしょうか!というわけで、簡単に感想。 . . . 本文を読む
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『峠』 司馬遼太郎 著

2016-05-08 23:59:59 | 超読書日記
意外にも司馬遼太郎ファンだという俳優の東出昌大がテレビで推薦していたんで、読んでみました。これが面白かった!さすが歴女の旦那だけのことはある!ということで、簡単に感想! . . . 本文を読む
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内田百 没後45年

2016-04-20 21:18:57 | 超読書日記
困ったときの没後ネタ。愛すべき変人作家というか、高峰秀子がこの人の本を愛読していたってエピソードもよくわからないですね。一種のファザコンだったのかな。小説、随筆もありますが、とりあえず、この人にまつわる映画から・・・。 . . . 本文を読む
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石川啄木は貧乏じゃなかった!

2016-04-13 23:59:59 | 超読書日記
今日(4月13日)はたまたま石川啄木の命日なんだけど、「はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」と詠った歌人がじつはそれなりの収入を得ていて、それを遊興に使い果たしていたが故に「貧乏」だったという話を、後年知りました。子供の頃、本当に貧乏だと信じていたわたしの読書体験はなんだったんだ! . . . 本文を読む
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尾崎放哉 没後90年

2016-04-07 20:24:54 | 超読書日記
今日は「咳をしても一人」などの自由律俳句で知られる俳人尾崎放哉の命日で、今年は没後90年に当たるんですよね。でも、このひと自身は、ほんと微妙な人なんですよね。生前、滅茶苦茶評判悪いんで・・・。 . . . 本文を読む
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村上春樹がカーソン・マッカラーズの「結婚式のメンバー」を翻訳!

2016-04-03 23:59:59 | 超読書日記
最近、リアル書店には行ってなかったんでビックリしたんですが、文庫で村上春樹訳の「結婚式のメンバー」が出ていて驚きました。先日亡くなった加島詳造さんの翻訳が絶版だったんで、村上春樹が翻訳したらどうかなって、冗談で言っていたら本当になるとは!でも、村上春樹は趣味と仕事が両立してていいなあ~。羨ましい人生だ。 . . . 本文を読む
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