小林秀雄の講演CDに出てくる桜の話が面白くて、小林氏曰く「ソメイヨシノは低級な桜」なんだとか。歌なんかに詠まれる日本古来の桜は山桜の方で、ソメイヨシノは近代以降に文部省が盛んに植えていったために増殖した「低級な桜」であるというのがその理由。また、一緒に語られる、山桜を愛するあまり身代を潰してしまった男の話も興味深いです。ということで、桜の季節に必聴の講演ですね~。 . . . 本文を読む
ミステリーファンの間では有名な作品らしいんだけど、はじめて読みました。夫を殺した妻が、夫の送り込んだ探偵を客の中から捜すという、奇想天外なストーリー!犯罪者の探偵捜しなんて、着想がよいです。というわけで、簡単に感想! . . . 本文を読む
今年は宮沢賢治生誕120年の年ですが、再読されるべき名著だと思います。いまや知らぬ人のいない国民作家宮沢賢治の虚飾を剥ぎ、真実の姿に迫ったノンフィクションで、文学史上の問題のみならず、メディア論、歴史論等々、様々な視座の入った貴重な一冊。多くの宮沢賢治信者の学者評論家が無視したのもわかる問題作で、安部政権下の日本だからこそ再注目されてほしい。ちなみに、安部晋三の祖父岸信介と宮沢賢治って同年生まれ(1896年)なんですよね。 . . . 本文を読む
ミステリーの名作再読運動の一環で読んだ本なんですが、多分初読ですね(再読じゃないか)。ミステリーマガジンのオールタイムベスト第2位に恥じない傑作でした。最後のエピローグがなくても傑作の部類なんだけど、最後のエピローグで「ワっ!」という感じ・・・。横溝正史が愛読した作家ということで、金田一物なんかが好きな人におすすめ! . . . 本文を読む
こんなことを書くと怒られますが、安部公房の本より断然面白かった!作家安部公房と女優山口果林との不倫告白本なんですが、出会った時の二人は41歳と18歳!しかも、若き日の果林さんの写真がとってもキュート。四十男がはまるのも無理ないわって一方、罪作りなのはノーベル文学賞候補だった作家の方だな~。ということで、簡単な感想のみ。 . . . 本文を読む
ミステリーの名作再読運動中のわたしですが、この本は小学生の頃に読んで以来で、夫が妻を殺した容疑で捕まってしまう場面くらいしか覚えていなかったんだけど、あらためて読み直したら、とんでもない名作でした。でも、この良さは子供には難しかったかもしれない・・・。ことによると、フィッツジェラルドとかチャンドラーより才能のある人だったかもしれないですね~、ウィリアム・アイリッシュって。ということで、簡単に感想。 . . . 本文を読む
1961年の2月1日といえば、「風流夢譚」事件のあった日で、今年で55年になるんですが、どこかで語られたりするんでしょうか?作家深沢七郎の小説が皇室を侮辱しているとして、出版社社長の家に右翼少年が押し入り、家政婦を殺害した事件。タレントの不倫問題(?)よりよっぽど語られるべきだと思うんですが・・・。問題の小説「風流夢譚」も電子書籍化されましたしね。 . . . 本文を読む
たまたま知ってしまったんだけど、ノーベル賞作家大江健三郎と悪役なんかで知られた俳優成田三樹夫が同年同日(1935年1月31日)生まれだって、はじめて知りました。ちなみに、大江が一浪で東大、成田が現役で東大でもすぐ中退。 . . . 本文を読む
たまたま人から教わって読んでみたら、凄い本でした。絶版なんですが、どこかの出版社で文庫にしたら売れるんじゃないですかね。デーブ・スペクターの日本語学習の歴史と方法が書かれています。やっぱり達人レベルの語学力の持ち主は尊敬に値しますね。おすすめ。 . . . 本文を読む
わたしの蔵書のなかでもちょっと珍しいもののひとつに、薔薇十字社という、渋澤龍彦や三島由紀夫と縁のあった出版社から出ていた、森茉莉の翻訳『マドゥモァゼル・ルウルウ』という本があります。この翻訳は1933年に私家版が出ているものの、一般に知られるようになったのは1973年の薔薇十字社刊のものからだと想像されますが、わたしが持っているのは薔薇十字社の再販版で、学生時代に大学の近くの古本屋で見つけました。当時かなり安い値段で手に入れた記憶がありますが、ananなんかで知られる堀内誠一さんの凝った装丁による函付の一冊です。で、なんでいまさらこの本の話を持ち出したかというと、この本の印税をめぐって森茉莉と出版関係者サイドが揉めたって話の内幕を最近になって知ったからなんですよね。ま、予想通り、茉莉さんの勘違いみたいなんだけど・・・。 . . . 本文を読む
NHK-BSの番組をきっかけに三冊のクリスティの本を読んだんですが、そのうちの一冊。他の二冊は『そして誰もいなくなった』と『オリエント急行殺人事件』だったんだけど、この二冊は子供の頃に読んで以来の再読で、この本に関しては初めて読みました。 . . . 本文を読む
ここのところ、NHKでアガサ・クリスティ関連の番組をいろいろ放送しているんですが、これもそのひとつ。寺島しのぶがナビゲーターになって、クリスティゆかりの地を訪ねるんですが、番組の内容もさることながら、寺島しのぶの堂々ぶりが感心しました。簡単な感想のみ。 . . . 本文を読む
三島由紀夫の文庫の解説なんかでおなじみだった文芸評論家の佐伯彰一の訃報に続いて、この人の訃報とは。ま、佐伯氏享年93歳で、加島氏92歳だから、大往生だとは思います。ということで、ご冥福をお祈りいたします。 . . . 本文を読む