切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

尾崎放哉 没後90年

2016-04-07 20:24:54 | 超読書日記
今日は「咳をしても一人」などの自由律俳句で知られる俳人尾崎放哉の命日で、今年は没後90年に当たるんですよね。でも、このひと自身は、ほんと微妙な人なんですよね。生前、滅茶苦茶評判悪いんで・・・。

ちょっと厭世観めいた気分になったとき、たまたま尾崎放哉の句集に出会って、興味がわいて吉村昭の評伝を読んだんだけど、ま、愛されないキャラの人なんだ、これが!

一高から東京帝大法学部卒のエリート会社員だったんだけど、素行の悪さからドロップアウト。その後、各地を転々として、寺男(!)なんかをしてたんだけど、当時の評判も滅茶苦茶悪い!

ま、評伝読んでいても途中で嫌になるくらいで、書いてた吉村昭もさぞや辛かったでしょうね~。

で、海の見える場所に住みたいという理由で最晩年にたどり着いた小豆島でも、帝大出をはなにかけて、やっぱり評判最悪!

こういう徹底的な孤独の際にいたひとの俳句だと思って読むと、今まさに人間関係に悩んで孤独な生活をしている人のある種慰めになるかもしれませんね~。すさまじいレベルの反面教師というか・・・。

ま、半端にインテリで孤独な人には、自戒を込めた読書として、『海も暮れきる』をおすすめします。

しかし、この孤独な俳人の最期って、少しくらいは安らぎが訪れたんだろうか?享年41歳。

PS:こんぴら歌舞伎観劇で、高松までは行ったことがあるんだけど、小豆島は行ったことがないんで、一度くらいは行ってみたいと思います。映画にもなった『八日目の蝉』では、誘拐犯の女性の最後に行きつく先が小豆島でしたよね。あと、もちろん、高峰秀子の『二十四の瞳』の舞台でもありますけど。


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