切られお富!

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『スプレンドール』エットーレ・スコラ監督

2022-10-30 16:03:01 | アメリカの夜(映画日記)
『ニューシネマパラダイス』と同時期に公開された映画館にまつわる映画なんだけど、センチメンタルで大衆的な『ニューシネマパラダイス』に押されて、地味に扱われてしまった佳作です。マルチェロ・マストロヤンニが映画館主だってだけで、観るしかないでしょ。

エットーレ・スコラ監督の作品はそれなりに観ているつもりだったわたしも、恥ずかしながら見逃していてようやく見ました。

まず、映画館のオープンセットがよいです。それに、マストロヤンニは言うに及ばず、奥さん役のマリナ・ブラディがよい!ゴダールの『彼女について私が知っている二、三の事柄』のクールなイメージとは打って変わって、温かみのある素敵な奥さんで、日本でこの役ができそうなのは絵沢萌子さんくらいかな。町の人気者になるのも道理です。

そしてこの映画がいいのは、映画館でかかる映画が、ちゃんとマニアに受ける映画だということ。最初に屋外で上演するのがフリッツ・ラングの『メトロポリス』ですからね。このあたりからして、原田マハの『キネマの神様』とは違いますよ。

そして、映画界が全盛期からポルノ傾向~衰退へと向かうさまもちゃんと描かれている。(イタリアも日本も同じなんですね。)

ということで、『ニューシネマパラダイス』では物足りない映画ファンにおススメ。

しかし、限定販売でもいいから、エットーレ・スコラ映画全集ボックスセットを出してほしいです。買いますから。紀伊国屋さんか角川さん、どうですか!






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