切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

指を切った話(向田邦子の「大根の月」)

2016-07-12 23:59:59 | 超読書日記
じつは、先日パンきり包丁で左の親指の指先を切ってしまって、ここ何日かは本当に難儀しました。やったことのある人はわかるでしょうけど、ホームベーカリーで食パンを作ったとき、最初と最後の一枚を切り分けるのって力が要るんですよね!で、その日の晩たまたま聴いていた小説の朗読テープが、向田邦子の短篇「大根の月」で、これはお母さんが子供の人差し指を事故で切り落としてしまった話なんだけど、指が指の話を呼んだな、と。縁起でもないかな?

わたしの指先程度でも結構な出血だったんで、本当に指を切り落としたらどうなるんだろう?

ま、そんなことより、この短篇は、指の話というよりは家族の人間関係の変化の話なんですよね。

自分の包丁を自分で研ぐ習慣の母親が、自分の過失というより子供のおふざけのせいで、指を切り落としてしまう。そのことがきっかけで、姑は孫を取り上げ、母親は精神を病み、夫は妻との関係をさけるようになる・・・。当の子供は指のことを問われても母親のせいだとは決して言わない。

ま、向田邦子の視線は怖いと思いました。闇とか淵は日常に転がっているとでもいうような・・・。

ちなみに、わたしの聴いていた新潮社の朗読テープでは、栗原小巻さんが朗読していました。CDも出ています。興味のある方はどうぞ!

PS:月並みだけど、栗原小巻といえば、映画『忍ぶ川』がキレイだったなあ~。


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