重低音のBlue Canary

♪ 思いつくままを、つたない文と photo で …

「残す」ということ。

2007-01-25 | つれずれ
国道41号線――。
名古屋市の中心街から、北の郊外・犬山、多治見市方面に向かう主要道路です。


いきなりで恐縮ですが、
いま青信号に変わった市内東区・41号線「東片端」の交差点を、
わが愛車、金色塗装の「マツケン・サンバ号」と一緒に、
渡っていただけますか? 画面をスクロールしながら。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

お分かりになりましたか?


走り始めた真ん中の車線の正面に、
大きな木が、立ちはだかっています。

なので、やむを得ず車線が、
その大木を避ける格好で少しカーブし、かつ狭くなりながら、すり抜けているのです。


広い国道の、それも道路の真ん中に立っている大木は、
高さ20.5m、幹周り3.3mのクスノキです。
樹齢は推定350年だそうですから、
江戸時代に芽を出したことになります。


昭和40年、それまで幅員15mだった国道が50mに広げられることになった時、
この大クスノキはまだ、
旧国道に面して建っていた花屋さんの庭に植わっていました。

当然、道路拡幅のため沿線の民家が一斉に後ろへ十数メートル動かされることになった際、
このクスノキは、伐採される予定でした。


しかし――。
その工事計画が明らかになると、沿線の住民から、
「この大クスノキは、名古屋の歴史を見続けてきたシンボル。切り倒すのはあまりにも惜しい。なんとか残してほしい」と望む声が湧き起こりました。

地元マスコミもそんな陳情運動を取り上げ、後押しした結果、
当時の市長の決断で、この大クスノキは伐採を免れ、
逆に道路が、車線を譲ることになったのです。


さらにそれから数十年後、
中央分離帯上に高速道路が建設されることになった時も、
ご覧の通り、
枝を大きく広げたクスノキの邪魔にならないように、設計が配慮されたそうです。


大クスノキはいま、
道路上に特別に設けて造られた最大幅5.7m、長さ16mの「交通島」に守られて立っていて、
その下を、
1日に2万数千台の車が、
間断なく走っています。


こういう残し方って、いいですよね。

私自身は名古屋市民でもないのに、
ちょっぴり自慢したくなります。


今夜も、
三日月が、
きれいでしたよ。



昨夜より、ほんの少しだけ太って……。


--------------------------------------------------------------------------