昨今よく聞く遺伝子。解析やら治療やら組換えやらと、現実世界での話も多いですが、それと同じくらい、いや、それ以上に物語の中に登場し、私たちの知的好奇心や恐いもの見たさを刺激し、物語に華を添えてまいりました。
キメラやクローン、生物の設計図をいじくる神の領域に近い科学。
それらを怖れながらも魅かれて止まないのが私たちです。少しSFに近いものを書きたいとき、ぜひとも仕入れておきたい知識ですね。
「遺伝子」とはなんでしょう?
そもそも、「遺伝子」という物質があるのか。
DNAとはナニが違うのか。染色体とはナニが違うのか。はたまた塩基なんてのも聞きますね。これらの関係は何なんでしょう?
その辺りをできるだけわかりやすく解説しようと思います。(噛み砕きまくってあるので、少しでも詳しい方には退屈かもしれません)
最初はあまり、キメラとかクローンとかに直接関わる話はできません。ですが、これからそういった内容に触れるのに、どうしても必要な知識ですので少し我慢してください。
「生命の設計図・DNA」という言葉だけ知っていて、具体的には一体、ナニがどうなっていて、目に見えないような小さくて細いものから、自分の体ができるんだ? とナゾに思ってらっしゃる方は気合を入れて読んでみて下さい。
全ての生物は、細胞の塊です。私も、あなたも。
そして、私たちの体の、ほとんどの細胞には「核」というものを持っています。(例外もありますけど)この核の中に納まっているのが「染色体」であり「DNA」であり「遺伝子」です。
では、この三者の関係は一体何なのか。また、その役割は? 「生命の設計図」とか言われても、図面を引いた紙が入っているわけでなし、そもそも文字が書いてあるわけないし。
まずは三者の関係から行きましょう。
核の中には染色体というものが、人間の場合は46本納まっています。(本当は他にも色々入ってますが、メインは染色体です)そして、その染色体は、DNA(デオキシリボ核酸 Deoxyribo Nucleic Acid)という超絶長い分子と、その他タンパク質などでできています。
DNAっていうのは、染色体を作っているメインの物質なのです。DNAっていう名前自体が、「塩化ナトリウム」とか「硫化水素」とかと同じ、「デオキシリボースという糖の一種(砂糖とかの糖とはちょっと形が違う。なめて甘いかは不明)が付いた核の中の酸」という意味の物質名なのですね。
で。
そのDNAの一部が「遺伝子」になっているのです。
…………。分かりませんね。これじゃ。
「遺伝子」というのは、「遺伝情報を運ぶ因子」という意味です。
因子と言われてもピンとこないかと思います。私がピンと来ません。辞書で調べてみましょう。
1.ある結果を生ずるもととなる諸要素の一。要因。
2.[数]→因数に同じ。
広辞苑 第五版 より。
この場合1.ですね。しかし……分かりにくいなあ。
要するに「それを引き起こすナニか」ってことでしょう。今回ならば、「遺伝情報を伝えるナニか」といえますね。
お父さんと私の、目の形がそっくり。お母さんと私の、声がそっくり。その「そっくり」な理由って、何か「お父さんの目の形」や「お母さんの喉の形」を決めている設計図があって、それと同じ図面が引かれた設計図を、私はお父さんとお母さんから受け継いでるからなのでしょう。
その、「設計図」=「遺伝情報を伝える何か(遺伝子)」で、=DNAの一部なのです。
なんとな~く、分かりますでしょうか。設計図といっても紙じゃないですからね。細胞の中に紙は入りませんから。じゃあ、紙の代わりにナニに書いてあるのか、といったらDNAに書いてある。そういうことです。
ならば、何故「一部」なのかといえば、「遺伝情報を伝えていない部分」があるからです。この詳しい話はまた少し後に回します。
その前に。
DNAっていうのは、いわば超絶ほっそい糸です。文字なんて書けません。じゃあ、どうやって設計が書いてあるんでしょうか。
それを知るにはまず、DNAがどんなものか知らなければいけませんね。
先ほど、DNAは長ーい一本の分子だ、と言いました。けれどこの分子は、同じような小さな塊が、鎖のように何個も何個も繋がったものです。
この小さな塊を「ヌクレオチド」と言います。ヌクレオチドは「リン酸」と「デオキシリボース(糖)」と「塩基」の三つがくっついたもので、ヌクレオチドが連なってDNAを作る時は、上のヌクレオチドの「デオキシリボース」に下のヌクレオチドの「リン酸」がくっついていく形でどんどん長い鎖になっていきます。
さっきヌクレオチドは、三つがくっついたものだと言いました。
たとえば、A-B-Cというつながりの塊があって、前の塊のBに次の塊のAをくっつける作業を繰り返したとします。どうなるかというと、A-B-A-B-A-B-……と連なりますね。Cはどこに行ったんでしょう?
CはBからぶら下がったまま、ぴろぴろと鎖の横にはみ出しています。実はこのCにあたる部分、「塩基」が遺伝情報を伝えているんです。
塩基にはDNAの場合、次の四つの種類があります。「A(アデニン)」「T(チミン)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」です。この四種類が、例えばGGACTTCTTTTCといった風に並んでいるのです。そしてこのうち、AはTと、GはCとくっつきます。(鎖の縦方向、リン酸とデオキシリボースの結合ほど強いわけではありませんが)
そして、一本のDNAのお向かいには、もう一本DNAがあって、このAとT、GとCの結合を利用して、はしごみたいな構造を作っています。これがかの有名な「二重らせん構造」ですね。
さっき「AとT、GとCの結合を利用して」と言いました。
と、いうことは。
片方がGACTと並んでいたら、お向かいにある
片方はCTGAと並んでなければいけません。実際にそうなっています。
さてさて。DNAという鎖は二本で一つのはしごを作っていて、その足をかける横棒部分が「塩基」といって、四種類あると言いました。
では本題。実は、遺伝情報というのは、この「四種類の塩基の並び方」で記録されているのです。
たとえば目の形を表している部分が「TTAGGCATCCGG」の人と「CTAGGCATCCGG」の人では、目の形が少し違う。(実際にはこんなことはありえません。もっと長くて、複雑で、たくさんの遺伝子が目の形成に関わっています)最初一文字がTかCか。これが目のデザインが少し違うことを示しています。
「何でだ~!?」となると思います。
なんででしょう。
これを理解するために、この設計図でつくられる「私たち」の建材の方を先にチェックしておきましょう。
人間の体の七割は水である。
よく聞く言葉ですね。でも水はただの水。私たちの形を作ることはできません。
水の次に多いのがタンパク質です。
タンパク質は、有名なコラーゲンを始めとした、体本体を支える「壁」など、正に建材として使われるものがあります。そして食べ物を消化する酵素など、体の中で働いて、体を維持する従業員として使われるものもあります。種類はそれはもう、目が回る位あります。
このタンパク質の配分や働き方などが、その人の特徴となります。骨格とかね。……骨はカルシウムじゃないか! って? いえいえ、骨もタンパク質が含まれているんですよ。コラーゲンという繊維状のタンパク質に、カルシウムを含む無機化合物が沈着してできているんです。
ともかく、人間の細胞一つ一つを接着し、細胞の巨大マンション(?)である体のメンテナンスやら、食糧配給やらを行って、ただの細胞の塊を「人間」にしているのはこのタンパク質です。(もちろん細胞の内側でもタンパク質は使われています)よって、このタンパク質の、どんな種類が、どこで、いつ、どれくらい作られるか、で私たちの遺伝的特徴は決まっていきます。(タンパク質以外の要因もありますが、とりあえず今回ははしょります)
で、このタンパク質。気が遠くなるくらいの種類がありますが、実はたった二十種類のアミノ酸でできています。
アミノ酸。……ダイエット? 最近注目を集めていますよね。
先ほど、DNAはヌクレオチドが鎖状に繋がった長い長い分子だ、といいました。
タンパク質は、アミノ酸が鎖状に繋がった、長い長い分子なのです。
そして、アミノ酸の種類はたった二十種。たった二十種類でも、どれだけ、どんな順番でつなげるかで無限の種類のタンパク質が作れるというわけです。
さあ、やっと戻ってまいりました。
私たちの体の建材、タンパク質は、二十種類のアミノ酸を色々な順番で、色々な長さにつなげてできるものでした。
だったらつまり、私たちの設計図には、「どのアミノ酸をどの順番で、どれくらいつなげるか」が書いてあれば良いわけです。そこで登場するのがさっきの四種類の塩基。
塩基四種類じゃ、アミノ酸の二十種類には間に合いませんよね?
だから、塩基三つで一つのアミノ酸を指定するんです。
例えばTACはメチオニンというアミノ酸を。
四種類を三つ並べる並べ方の種類は64パターン。アミノ酸は二十種類だからかなり余ってしまいますが、そこはそれ、同じメチオニンを指定する並びが複数個あるんです。二つ並べるんじゃ十六パターンでたりないですしね。
このようにして、DNAのある部分には、例えば「目を作るのに必要なタンパク質」を構成するアミノ酸の並び方が、塩基によって表されているのです。これが、DNAが設計図である、ということの正体です。
ここまで来て、やっと「遺伝子はDNAの一部」という話に戻ります。
DNAのうち、「遺伝子」をやっているのは四種類の塩基の並び方でした。これが特定のタンパク質を構成するアミノ酸の順番を、三つ一組で表していたのです。ところがところが。一本のDNAの、端から端まで、全部がアミノ酸を指定している(コードしている、といいます)わけではありません。何もコードしていない、いつ、どれ位タンパク質を作るかを決める、現場監督としても働かない、まったく役に立たない塩基の並び(塩基配列といいます)があるのです。
こんなもの、遺伝子じゃないですよね。設計図やってませんから。
だから、「DNAの一部が遺伝子」なのです。DNAのなかで遺伝子をやっている部分はそんなに多くはありません。
まとめ。
DNAっていうのは染色体を構成している分子の一つで、このDNAという物質の塩基配列のうち、ごく一部がアミノ酸をコードして、遺伝子として働いている。
この文章が理解できれば、あなたは遺伝子の正体を知っていることでしょう。
キメラやクローン、生物の設計図をいじくる神の領域に近い科学。
それらを怖れながらも魅かれて止まないのが私たちです。少しSFに近いものを書きたいとき、ぜひとも仕入れておきたい知識ですね。
「遺伝子」とはなんでしょう?
そもそも、「遺伝子」という物質があるのか。
DNAとはナニが違うのか。染色体とはナニが違うのか。はたまた塩基なんてのも聞きますね。これらの関係は何なんでしょう?
その辺りをできるだけわかりやすく解説しようと思います。(噛み砕きまくってあるので、少しでも詳しい方には退屈かもしれません)
最初はあまり、キメラとかクローンとかに直接関わる話はできません。ですが、これからそういった内容に触れるのに、どうしても必要な知識ですので少し我慢してください。
「生命の設計図・DNA」という言葉だけ知っていて、具体的には一体、ナニがどうなっていて、目に見えないような小さくて細いものから、自分の体ができるんだ? とナゾに思ってらっしゃる方は気合を入れて読んでみて下さい。
全ての生物は、細胞の塊です。私も、あなたも。
そして、私たちの体の、ほとんどの細胞には「核」というものを持っています。(例外もありますけど)この核の中に納まっているのが「染色体」であり「DNA」であり「遺伝子」です。
では、この三者の関係は一体何なのか。また、その役割は? 「生命の設計図」とか言われても、図面を引いた紙が入っているわけでなし、そもそも文字が書いてあるわけないし。
まずは三者の関係から行きましょう。
核の中には染色体というものが、人間の場合は46本納まっています。(本当は他にも色々入ってますが、メインは染色体です)そして、その染色体は、DNA(デオキシリボ核酸 Deoxyribo Nucleic Acid)という超絶長い分子と、その他タンパク質などでできています。
DNAっていうのは、染色体を作っているメインの物質なのです。DNAっていう名前自体が、「塩化ナトリウム」とか「硫化水素」とかと同じ、「デオキシリボースという糖の一種(砂糖とかの糖とはちょっと形が違う。なめて甘いかは不明)が付いた核の中の酸」という意味の物質名なのですね。
で。
そのDNAの一部が「遺伝子」になっているのです。
…………。分かりませんね。これじゃ。
「遺伝子」というのは、「遺伝情報を運ぶ因子」という意味です。
因子と言われてもピンとこないかと思います。私がピンと来ません。辞書で調べてみましょう。
1.ある結果を生ずるもととなる諸要素の一。要因。
2.[数]→因数に同じ。
広辞苑 第五版 より。
この場合1.ですね。しかし……分かりにくいなあ。
要するに「それを引き起こすナニか」ってことでしょう。今回ならば、「遺伝情報を伝えるナニか」といえますね。
お父さんと私の、目の形がそっくり。お母さんと私の、声がそっくり。その「そっくり」な理由って、何か「お父さんの目の形」や「お母さんの喉の形」を決めている設計図があって、それと同じ図面が引かれた設計図を、私はお父さんとお母さんから受け継いでるからなのでしょう。
その、「設計図」=「遺伝情報を伝える何か(遺伝子)」で、=DNAの一部なのです。
なんとな~く、分かりますでしょうか。設計図といっても紙じゃないですからね。細胞の中に紙は入りませんから。じゃあ、紙の代わりにナニに書いてあるのか、といったらDNAに書いてある。そういうことです。
ならば、何故「一部」なのかといえば、「遺伝情報を伝えていない部分」があるからです。この詳しい話はまた少し後に回します。
その前に。
DNAっていうのは、いわば超絶ほっそい糸です。文字なんて書けません。じゃあ、どうやって設計が書いてあるんでしょうか。
それを知るにはまず、DNAがどんなものか知らなければいけませんね。
先ほど、DNAは長ーい一本の分子だ、と言いました。けれどこの分子は、同じような小さな塊が、鎖のように何個も何個も繋がったものです。
この小さな塊を「ヌクレオチド」と言います。ヌクレオチドは「リン酸」と「デオキシリボース(糖)」と「塩基」の三つがくっついたもので、ヌクレオチドが連なってDNAを作る時は、上のヌクレオチドの「デオキシリボース」に下のヌクレオチドの「リン酸」がくっついていく形でどんどん長い鎖になっていきます。
さっきヌクレオチドは、三つがくっついたものだと言いました。
たとえば、A-B-Cというつながりの塊があって、前の塊のBに次の塊のAをくっつける作業を繰り返したとします。どうなるかというと、A-B-A-B-A-B-……と連なりますね。Cはどこに行ったんでしょう?
CはBからぶら下がったまま、ぴろぴろと鎖の横にはみ出しています。実はこのCにあたる部分、「塩基」が遺伝情報を伝えているんです。
塩基にはDNAの場合、次の四つの種類があります。「A(アデニン)」「T(チミン)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」です。この四種類が、例えばGGACTTCTTTTCといった風に並んでいるのです。そしてこのうち、AはTと、GはCとくっつきます。(鎖の縦方向、リン酸とデオキシリボースの結合ほど強いわけではありませんが)
そして、一本のDNAのお向かいには、もう一本DNAがあって、このAとT、GとCの結合を利用して、はしごみたいな構造を作っています。これがかの有名な「二重らせん構造」ですね。
さっき「AとT、GとCの結合を利用して」と言いました。
と、いうことは。
片方がGACTと並んでいたら、お向かいにある
片方はCTGAと並んでなければいけません。実際にそうなっています。
さてさて。DNAという鎖は二本で一つのはしごを作っていて、その足をかける横棒部分が「塩基」といって、四種類あると言いました。
では本題。実は、遺伝情報というのは、この「四種類の塩基の並び方」で記録されているのです。
たとえば目の形を表している部分が「TTAGGCATCCGG」の人と「CTAGGCATCCGG」の人では、目の形が少し違う。(実際にはこんなことはありえません。もっと長くて、複雑で、たくさんの遺伝子が目の形成に関わっています)最初一文字がTかCか。これが目のデザインが少し違うことを示しています。
「何でだ~!?」となると思います。
なんででしょう。
これを理解するために、この設計図でつくられる「私たち」の建材の方を先にチェックしておきましょう。
人間の体の七割は水である。
よく聞く言葉ですね。でも水はただの水。私たちの形を作ることはできません。
水の次に多いのがタンパク質です。
タンパク質は、有名なコラーゲンを始めとした、体本体を支える「壁」など、正に建材として使われるものがあります。そして食べ物を消化する酵素など、体の中で働いて、体を維持する従業員として使われるものもあります。種類はそれはもう、目が回る位あります。
このタンパク質の配分や働き方などが、その人の特徴となります。骨格とかね。……骨はカルシウムじゃないか! って? いえいえ、骨もタンパク質が含まれているんですよ。コラーゲンという繊維状のタンパク質に、カルシウムを含む無機化合物が沈着してできているんです。
ともかく、人間の細胞一つ一つを接着し、細胞の巨大マンション(?)である体のメンテナンスやら、食糧配給やらを行って、ただの細胞の塊を「人間」にしているのはこのタンパク質です。(もちろん細胞の内側でもタンパク質は使われています)よって、このタンパク質の、どんな種類が、どこで、いつ、どれくらい作られるか、で私たちの遺伝的特徴は決まっていきます。(タンパク質以外の要因もありますが、とりあえず今回ははしょります)
で、このタンパク質。気が遠くなるくらいの種類がありますが、実はたった二十種類のアミノ酸でできています。
アミノ酸。……ダイエット? 最近注目を集めていますよね。
先ほど、DNAはヌクレオチドが鎖状に繋がった長い長い分子だ、といいました。
タンパク質は、アミノ酸が鎖状に繋がった、長い長い分子なのです。
そして、アミノ酸の種類はたった二十種。たった二十種類でも、どれだけ、どんな順番でつなげるかで無限の種類のタンパク質が作れるというわけです。
さあ、やっと戻ってまいりました。
私たちの体の建材、タンパク質は、二十種類のアミノ酸を色々な順番で、色々な長さにつなげてできるものでした。
だったらつまり、私たちの設計図には、「どのアミノ酸をどの順番で、どれくらいつなげるか」が書いてあれば良いわけです。そこで登場するのがさっきの四種類の塩基。
塩基四種類じゃ、アミノ酸の二十種類には間に合いませんよね?
だから、塩基三つで一つのアミノ酸を指定するんです。
例えばTACはメチオニンというアミノ酸を。
四種類を三つ並べる並べ方の種類は64パターン。アミノ酸は二十種類だからかなり余ってしまいますが、そこはそれ、同じメチオニンを指定する並びが複数個あるんです。二つ並べるんじゃ十六パターンでたりないですしね。
このようにして、DNAのある部分には、例えば「目を作るのに必要なタンパク質」を構成するアミノ酸の並び方が、塩基によって表されているのです。これが、DNAが設計図である、ということの正体です。
ここまで来て、やっと「遺伝子はDNAの一部」という話に戻ります。
DNAのうち、「遺伝子」をやっているのは四種類の塩基の並び方でした。これが特定のタンパク質を構成するアミノ酸の順番を、三つ一組で表していたのです。ところがところが。一本のDNAの、端から端まで、全部がアミノ酸を指定している(コードしている、といいます)わけではありません。何もコードしていない、いつ、どれ位タンパク質を作るかを決める、現場監督としても働かない、まったく役に立たない塩基の並び(塩基配列といいます)があるのです。
こんなもの、遺伝子じゃないですよね。設計図やってませんから。
だから、「DNAの一部が遺伝子」なのです。DNAのなかで遺伝子をやっている部分はそんなに多くはありません。
まとめ。
DNAっていうのは染色体を構成している分子の一つで、このDNAという物質の塩基配列のうち、ごく一部がアミノ酸をコードして、遺伝子として働いている。
この文章が理解できれば、あなたは遺伝子の正体を知っていることでしょう。
長かったでしょう。分かった? 分かりにくくなかったですか?;
面白おかしく、分かりやすく書ければよいのですが、なかなかそれが難しいです;
元気のあるときに続けていこうとおもいますので、
興味のあるトピックにお付き合いくださいませv
懐かしいですv高校以来です(涙
大分忘れていましたよ(汗
ああ、生物素敵vv
ワクワクしますわ!
ほとんど理系の授業のない現在が不思議でたまりません(汗
これからも『ネタとしての生物学』は続くのですか?
どんなネタがたこやきさんブログで公開されるか、楽しみにしていますね!