127:『近世祭礼・月次風俗絵巻』「祇園祭礼絵巻」東方出版 2005年 狩野博幸 山路興造 藤井健三
近世祭礼・月次風俗絵巻
「祇園祭礼絵巻」
狩野博幸 執筆
山路興造 執筆
藤井健三 執筆
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本書は江戸時代前期に制作された祭礼・風俗絵巻六巻を収録、各作品全巻を掲載するものである。
東方出版
2005-1
273 ページ 定価税31,500円
東方出版『近世祭礼・月次風俗絵巻』から「祇園祭礼絵巻」を楽しむ。
今年七月には京都祇園祭の宵山と巡行を見てきたので、記憶に新しい。
もちろん、長刀が先頭。
余談、数年前の話だが、長刀のお稚児さんは、わたくしの甥っ子もお稚児さんをつとめたことがある。
わたくしの好きな綾傘鉾も載っている。
棒踊り、熊面のようすに心が躍る。
四条傘鉾でも棒踊りのようすが記されていて、ステキ。
『近世祭礼・月次風俗絵巻』「紀州和歌御祭礼絵巻」東方出版には熊面(赤、白、黒)六人だったがこの絵巻物では熊の赤面ひとり。太鼓も踊りながらならされている。
他の好きな鉾や山も多い。
当時巡行では中に人が入ってかついでいたようすや、前に進む時にてこを使っていたようすなどが描かれている。
間がり角に竹を使い水を蒔いて曲がる という絵はなかった。
長刀の後方(絵中央)におくそ頭巾をかぶった方々。
名付け方に笑う。
袖をにって顔隠しにした頭巾。こちらも おくそ頭巾の変形らしい。顔隠しが自在で事件が起り、まずは江戸そして京でも禁止されたと言う。
歌舞伎に葉度々呉服屋というものが出てくる。有名なところでは『白波五人男』。そして呉服を商って旅すると言う話しも多い、例えば『籠釣瓶』『江戸土産』など。だが、いずれも、箱に入れ風呂敷で津tッbで肩に背負っておられた。この絵巻物の行列では、着物のたとう紙をびらびらと見せて強調させたり、外郎売(薬屋)の様な形で、なおかつ透き通った箱に着物を重ねていれ、色を見せてたものなどが認められる。こういった商いもされていたのだろうか?いずれにせよ「京の着倒れ」と言われるくらいだもの。呉服商や着物の商人が練り歩くのもわかるような気がする。
この絵巻物では山鉾には華美な絨毯などの絵は描かれておらず、きれを横巻、楯に縫いあわされていた。
祇園祭とだけあって、いろいろ呪術的な意味合いの風習なども解説にあり、たいへん面白かった。
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