乱鳥の書きなぐり

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127:『近世祭礼・月次風俗絵巻』「祇園祭礼絵巻」東方出版 狩野博幸 山路興造 藤井健三 (5枚)

2012年08月16日 | 絵巻物、縁起絵巻、巻物、絵解き掛け軸、屏風


  127:『近世祭礼・月次風俗絵巻』「祇園祭礼絵巻」東方出版 2005年 狩野博幸 山路興造 藤井健三


近世祭礼・月次風俗絵巻

「祇園祭礼絵巻」

狩野博幸 執筆 
山路興造 執筆 
藤井健三 執筆

東方出版データーベース ▼
本書は江戸時代前期に制作された祭礼・風俗絵巻六巻を収録、各作品全巻を掲載するものである。

東方出版

2005-1

273 ページ 定価税31,500円














 東方出版『近世祭礼・月次風俗絵巻』から「祇園祭礼絵巻」を楽しむ。

 今年七月には京都祇園祭の宵山と巡行を見てきたので、記憶に新しい。

 もちろん、長刀が先頭。

 余談、数年前の話だが、長刀のお稚児さんは、わたくしの甥っ子もお稚児さんをつとめたことがある。


 わたくしの好きな綾傘鉾も載っている。 

 棒踊り、熊面のようすに心が躍る。

 四条傘鉾でも棒踊りのようすが記されていて、ステキ。

 『近世祭礼・月次風俗絵巻』「紀州和歌御祭礼絵巻」東方出版には熊面(赤、白、黒)六人だったがこの絵巻物では熊の赤面ひとり。太鼓も踊りながらならされている。

 他の好きな鉾や山も多い。

 当時巡行では中に人が入ってかついでいたようすや、前に進む時にてこを使っていたようすなどが描かれている。

 間がり角に竹を使い水を蒔いて曲がる という絵はなかった。
 
 長刀の後方(絵中央)におくそ頭巾をかぶった方々。
 
 名付け方に笑う。

 袖をにって顔隠しにした頭巾。こちらも おくそ頭巾の変形らしい。顔隠しが自在で事件が起り、まずは江戸そして京でも禁止されたと言う。

 歌舞伎に葉度々呉服屋というものが出てくる。有名なところでは『白波五人男』。そして呉服を商って旅すると言う話しも多い、例えば『籠釣瓶』『江戸土産』など。だが、いずれも、箱に入れ風呂敷で津tッbで肩に背負っておられた。この絵巻物の行列では、着物のたとう紙をびらびらと見せて強調させたり、外郎売(薬屋)の様な形で、なおかつ透き通った箱に着物を重ねていれ、色を見せてたものなどが認められる。こういった商いもされていたのだろうか?いずれにせよ「京の着倒れ」と言われるくらいだもの。呉服商や着物の商人が練り歩くのもわかるような気がする。


 この絵巻物では山鉾には華美な絨毯などの絵は描かれておらず、きれを横巻、楯に縫いあわされていた。

 祇園祭とだけあって、いろいろ呪術的な意味合いの風習なども解説にあり、たいへん面白かった。






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