乱鳥の書きなぐり

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映画『山椒大夫』1954年 124分   監督 溝口健二 脚本 八尋不二 依田義賢  原作 森鷗外

2024年08月27日 | 説経節、幸若舞、舞の本等

  映画『山椒大夫』1954年 124分   監督 溝口健二 脚本 八尋不二 依田義賢  原作 森鷗外




山椒大夫
1954年
124分

監督 溝口健二
脚本 八尋不二 依田義賢  
原作 森鷗外
出演者 田中絹代 花柳喜章 香川京子 進藤英太郎 河野秋武 菅井一郎 見明凡太朗



 以前見た時には手放しでほめたたえていた映画『山椒大夫』

 しかしながら、今回見ると、ずいぶんと感じ方が変わっていた。


 森鴎外原作の『山椒大夫』は、説経節の『山椒太夫』とはずいぶん違っていた。

 確かに、安寿と厨子王の道行きの苦難をもう少し膨らませた方が良かったのではないかと感じた。

 また上にも書いた苦難の部分やそれに伴う身分の差のおぞましさ。また、母との関係性を掘り下げなければ、説経節の『山椒太夫』ではないように感じた。

 最もこれは、森鴎外原作の『山椒大夫』なのである。

 森鴎外の『山椒大夫』はこの点において、研究者から批判されていることを改めて感じた。




『山椒大夫』と『山椒太夫』

 説経節では【太】を使われ、文字数も一つ多い。




 面白かったのは、4,50歳の女性を探して、墓が移った時の厨子王。

 子どもの墓でもなく、母がたどり着いたのではなく厨子王が悲しみにたたずんのだが。

 謡曲の『隅田川』が思い浮かび、自然に、鐘の音が鳴り響く気がした。


 
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