乱鳥の書きなぐり

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『疱瘡心得草』19 18丁裏 19丁表 志水軒朱蘭 述 

2020-07-13 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』19 18丁裏 19丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 

国立国会図書館所蔵
18丁裏

する事を禁(きん)じ、疹子(はしか)出(いづ)る時(とき)、元(もと)より腹痛(はらいたみ)泄瀉(せつしや)し、

或(あるい)ハ自利(じり)といふて、大便(だいべん)覚(おぼ)へず通ずるもの有(あり)、もし

くハ赤白(しやくびやく)の痢病(りびょう)を兼(かぬ)るもの有(あり)、是(これ)皆(みな)悪性(あくしょう)なり

急(いそ)ぎ良医(よきゐ)の療治(りやうじ)を受(うく)べし、疹子(はしか)出(で)る時(とき)吐(と)きやく

をするものなり、小児(せうに)なれば乳(ち)をあますものなり

然(しか)れども、はしか出(で)つくせバ、吐(と)も自(おのづ)から止(や)むものなり

又(また)出(いで)尽(つく)しても吐(と)、やまぬ症(せう)も有り、悪症(あくしゆう)也、慎(つつし)むべし

疹子(はしか)出(いで)て色紅(いろくれ)ひなるハ吉症(きつしやう)也、又 紫黒色(むらさきいろ)ともに

死症(ししやう)也、たゞ保養を第一とす、兎角(とかく)風寒(ふうかん)をいとふ

べし 軽(かろ)きものハ四十九日を待(まつ)て禁忌(どくいみ) を捨(すつ)べし

 

咳嗽(しわぶき)

 咳き(しわぶき)[名](スル)

 1 せきをすること。また、せき。「病室から軽い咳きが漏れる」

 2 わざとせきをすること。せきばらい。「メエルハイムは―して語りいでぬ」〈鴎外・文づかひ〉

 嗽(うがい うがひ)

 [名](スル)水や薬液などを口に含んで、口やのどをすすぐこと。含嗽 (がんそう) 。「食塩水で嗽する」「嗽薬」

泄瀉(せつしや)  (せっしゃ)

 下痢の中で、水を流すように下り、腹痛をあまり伴わない症状のことです。

 瀉(しゃ) シャ・そそぐ・はく

 瀉(しゃ)

 [1] 〘自サ変〙 しゃ・す 〘自サ変〙① 水などがそそぐ。ながれくだる。② 下痢(げり)をする。くだる。

 [2] 〘他サ変〙 しゃ・す 〘他サ変〙① 水などを流す。まき散らす。② 腹の中の食物などを吐き出す。吐く。
 
痢病(りびょう)
 激しい腹痛や下痢をともなう病気。おもに赤痢の類。 「今はただ-のみ仕れば/宇治拾遺 12」

吐(と)きやく

 吐き薬

いとふ 厭う

 ①いやがる。

 ②〔多く「世をいとふ」の形で〕この世を避ける。出家する。

 

 ③いたわる。かばう。大事にする。

禁忌(どくいみ)(一般的に、「きんき」と読む)  ( 名 ) スル

 ① 忌みはばかって、禁止されている事柄。
 ② ある薬の使用や治療法が、その病院に悪影響を及ぼすから用いてはいけないという事。 「 -症」

 



国立国会図書館所蔵

19丁表

重(おも)きもの七十五日又は百日を待(まつ)べし、何(いづれ)も痘(いも)の禁(きん)と
おなじ

 

 

 

 水痘(へいない)の心得(こゝろえ)の事

水痘(すいとう)ハ、へいないも、といふ 痘(いも)に似て出るにやすく かせ

安(やす)し、始(はじめ)て出(いで)る洗(さき)潤(うるほ)ひて、水(みづ)を持(もつ)て有(ある)ゆへに、水痘(すいとう)と

いふ、惣身(そうしん)ほとおり、二三日をまたず、始終五六日にして、

其瘡(そのかさ)水膿(みづうみ)ばかりにして収(おさま)る、療治(りやうじ)禁忌(きんき)の事、痘(いも)

疹(はしか)にかわる事(こと)なし、其内(そのうち)痘(いも)疹(はしか)は一生涯(いつしやうがい)に一度する

ものにて、水痘(ついないも)は両三度もするもの有(あり)、痘(いも)ハござうの

中(うち)より起(おこ)り、麻疹(はしか)、水痘(ついなもの)、たゞ六腑(ろくふ)より發(おこ)る

 

水痘(へいない)   
 
 水痘はヘルペスウイルス科に 属する水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus, VZV)の初感染による臨床像です。VZVは接触感染、飛沫感染、空気感染で感染します。通常 250~500 個ほどの様々な段階の皮疹が出現し、その後痂皮化します。水痘感染の回復には、NK 細胞、抗体、 特異的細胞性免疫などが関与しています。細胞性免疫が低下した人では、水痘は重症化 し、時には死亡することがあります。成人は小児よりも水痘肺炎を合併し、重症化する リスクが高いです。

 感染した VZV は、血行性または知覚神経を逆行して知覚神経節に到達し、知覚神経節 サテライト細胞に潜伏します。がんや加齢などの原因により、VZV に対する特異的細胞 性免疫能が低下すると、潜伏していた VZV が再活性化し、知覚神経を通って皮膚に到達 し、そこで増殖します。再活性化したときの臨床像が帯状疱疹です。(http://medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-120815.pdf)

「へいない」「へいないも」 水痘(へいない)

 本書個別題名では水痘を「へいない」と読ませている。

洗(さき  先) 当て字
 

 

 
 
 
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