乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

一角(うにこうる)は古より痘に薬なりと云う事あり、しかし一角(うにこうる)ハ 毒けしの物にて、痘には妙なり、夫故に発熱より 鮫にておろし、両三度程づゝ白湯にて用ゆべし

2020-07-12 | 疫病:疱瘡心得草 他
 写真は、道頓堀。芝居がみたい!芝居の禁断症状が出てきそうです^^
 
 
 
 
 一角(うにこうる)は古より痘に薬なりと云う事あり、
 しかし一角(うにこうる)ハ  毒けしの物にて、痘には妙なり、
 夫故に発熱より  鮫にておろし、両三度程づゝ白湯にて用ゆべし
 一角(うにこうる)
 
 
 
「一角」と書いても、「一角魚」と書いても「うにこうる」と読む一角魚。
 
 
 江戸時代に書かれた『疱瘡心得草』に後半にも「うにこうる」は出てきたが、漢字で書くと「一角」
 
『そりゃまった、どうしたこってぃ』
と、助六のように床を蹴りつつ「うにこうる」を思い浮かべる。
 
 

 一角(うにこうる)を検索すると、 同志社女子大学 表象文化学部・日本語日本文学科 教授 吉 野 政 治氏の論文『日本における一角獣の行方』にたどり着く。

 それには、今でも一角を含む小児丸薬が売られている(1996)とある。

 一角を含む小児鎮静剤は六種売られ、多くは富山で製造されている。

 又、『徳川実記』の承応二年〔1653〕一 月十五日に将軍家綱に「一角一本」が献上されたことが記されているとのこと。

 

 中里介山著『大菩薩峠 26 めいろの巻』(新字新仮名)では次のように書かれている。
 “うにこうる”の漢字
 (注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一角 
 刺鮫  はりざめというのは相当に大きな奴で、夜、海の中を行くと、白い光が潮に透って見える、こいつは舟をくつがえしたり、人を食ったりする怖るべき奴で、舟乗りはこいつにでっくわす鰹を投げやって逃げる。 
 この刺鮫も頭に角のあるというのを聞かない。 
 一角魚(うにこうる)の角は、角というよりは 嘴(くちばし)だ。
 
 
 

 最後に、 「一角(うにこうる)の事」と題して記された効用を抜き出してみたい。

 

古(いに)しへより痘(いも)に薬(くすり)なりと云(いふ)事あり、しかし一角(うにこうる)ハ

毒(どく)けしの物にて、痘(いも)には妙(みょう)なり、夫故(それゆへ)に発熱(はつねつ)より

鮫(さめ)にておろし、両(りやう)三度程(ほど)づゝ白湯(さゆ)にて用ゆべし

 

 これは疱瘡だけでなく、コロナウイルスを消滅させる効果があればいいのだが。

 残念。

 せめて苦しい時の神頼み。

 クワバラクワバラと両手で祓い、コロナを退散させたい。(にゃっはっは)




 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

左右

   一角(うにこうる)の事

古(いに)しへより痘(痘)に薬(くすり)なりと云(いふ)事あり、しかし一角(うにこうる)ハ

毒(どく)けしの物にて、痘(いも)には妙(みょう)なり、夫故(それゆへ)に発熱(はつねつ)より

鮫(さめ)にておろし、両(りやう)三度程(ほど)づゝ白湯(さゆ)にて用ゆべし、扨又

柳(やなぎ)の虫(むし)も痘の毒を肌(はだ)の外(ほか)へ追(お)ひ すかす の功(こう)有、

此品(しな)もはやく用ゆべし、又 煎(せん)じて虫(むし)を去(さ)り呑(のぬ)べし

又テリアカの類(るい)、痘(いも)の妙薬(めいやく)也、良薬(りょうやく)あまた有と

いへども、用ひがたし、痘(いも)は薬(くすり)を用(もちい)て害(がい)ある事(こと)有

悪(あ)しき痘(いも)になれバ、薬(くすり)も益(えき)なし、中痘(ちうとう)ハかへつて

薬の道にあやまる事あり たゞ大切に慎むべし

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