乱鳥の書きなぐり

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92;『江戸歌舞伎集』「御摂勧進帳」第一弾目五建目(安宅の関の段) = 「九月松竹大歌舞伎」昼の部

2011-08-24 | 名作歌舞伎全集/古典文学全集(浄瑠璃含)、歌舞伎関係本

 (上の写真は、『江戸歌舞伎集』(岩波)「御摂勧進帳」第一弾目五建目 
 (ごひいきかんじんちょう1-5 = いもあらい勧進帳) 新日本古典文学大系96より)



        

     92; 『江戸歌舞伎集』「御摂勧進帳」第一弾目五建目(安宅の関の段)
                      =新歌舞伎座「九月松竹大歌舞伎」昼の部

        


『江戸歌舞伎集』(岩波)から   「御摂勧進帳」(ごひいきかんじんちょう)第一弾目五建目 (安宅の関の段)

   

 古井戸秀夫 校注

 新日本古典文学大系96

 岩波書店

 1997年 

 P.177~206









 9月、大阪の新歌舞伎座「九月松竹大歌舞伎」昼の部の初めの芝居は『御摂勧進帳』

 弁慶は橋之助丈♡

 見得が楽しみだ。

  

 ところで『御摂勧進帳』は『芋洗勧進帳』のこと。

 随分大昔に南座で観たことがある。

 大桶の前で『暫』の刀一振りで頭がバサバサと切られていく。

 頭には赤い布をかぶり、首が切られたことに…。

 まわりには首が転がっていく。

 いわゆる『暫』のパロディである。


 ほうきを持って、漫画『天才バカボン』のレレレのおじさんのように、
「おそうじ、おそうじ~、おそうじ、おそうじ~。」
と転がった首を 下手から上手にはいていくようすは、当時まだ若かったわたしには印象が強すぎた。

『芋洗勧進帳』というと、その場面を思い浮かべる。

  

 この『芋洗勧進帳』という芝居はつい二年ばかり前、新年のテレビ番組で放映されたことがある。

 その折、家族全員で観た。
 なので、長年の私の楽しい「お掃除、お掃除~」口調は皆に理解され、一件落着。

  

 今回、大阪の新歌舞伎座「九月松竹大歌舞伎」を観るにあたり、新日本古典文学大系を手にとる。

 挿入画に、本文に胸を躍らせる。

「御摂勧進帳」第一弾目五建目  (安宅の関の段)を橋之助丈や成田屋さんの口調で想像しながら読む。

 にらみや見得もご両人で想像し、心が弾む。

 私は橋之助丈のにらみや見得は、幸四郎丈や仁左衛門丈のように好きかもしれない。

  

 ところで、本書の『芋洗勧進帳』場面では、『暫』のパロディ部分である一回転して首をばっさりの場はあったが、「おそうじ、おそうじ~、おそうじ、おそうじ~。」の台詞は無かった。

 






   大阪の新歌舞伎座「九月松竹大歌舞伎」昼の部


『御摂勧進帳』

兄の源頼朝(みなもとのよりとも)と不和になった源義経(みなもとのよしつね)は、武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)を始めとする家臣たちと共に、強力(ごうりき)や山伏に姿を変えて奥州(おうしゅう)に向かいます。しかし、安宅(あたか)の関(せき)を守る富樫左衛門家直(とがしさえもんいえなお)と斎藤次祐家(さいとうじすけいえ)は、一行の通行を許しません。そこで弁慶は一行が山伏である証拠として勧進帳を読み上げるなどするので通行が許されますが、弁慶のみ捕えられてしまいます。やがて頃合いを見て弁慶は縄を解くと、これまでの憂さを晴らすように大暴れしてみせるのでした。
荒事(あらごと)ならではの豪壮な演技がその見どころで、のちに作られた歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)の『勧進帳』と異なり、古風で大らかな味わいがその魅力となっている作品です。

『男女道成寺』

桜が満開の道成寺に桜子(さくらこ)、花子(はなご)と名乗る白拍子(しらびょうし)がやって来て、舞を奉納するために舞い始めますが、烏帽子(えぼし)が落ちた拍子に桜子が狂言師左近(きょうげんしさこん)であることが顕(あらわ)れてしまいます。仕方なく左近は狂言師の姿に身なりを改めると軽妙な踊りを踊り始め、花子は艶やかな踊りをみせていきます。
歌舞伎舞踊の名作『京鹿子娘道成寺』(きょうかのこむすめどうじょうじ)を男女で踊り分けるのが眼目の華やかな舞踊の一幕です。

『人情噺文七元結』

左官(さかん)の長兵衛(ちょうべえ)は、達者な腕の持ち主ながら博打(ばくち)にはまり、今日も負けて帰ってきます。すると女房のお兼(かね)は娘のお久(ひさ)が帰って来ないことを告げるので、長兵衛も慌ててその行方を探そうとします。そこへお久が吉原(よしわら)の角海老(かどえび)にいることを知らせに、角海老の使いがやって来ます。実はお久は両親の窮状(きゅうじょう)を見かね、自ら進んで吉原へ身を売ろうとしたのでした。角海老の女将お駒(こま)は、お久の孝心を褒め、長兵衛に心を入れ替えるように言って、五十両の金を貸し与えます。しかし長兵衛は、お店の金を紛失した為に身投げをしようとした和泉屋の手代文七(ぶんしち)にこの金を譲ってしまいます。翌日、お久の身の代を巡って長兵衛とお兼が夫婦喧嘩をするところへ、和泉屋清兵衛(いずみやせいべえ)が文七や鳶頭伊兵衛(とびがしらいへえ)と共に現れて……。
三遊亭円朝(さんゆうていえんちょう)の人情噺を劇化した涙あり笑いありの世話物の名作をお楽しみ下さい。







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