乱鳥の書きなぐり

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54: 『名作歌舞伎全集 第三巻』より「梶原平三誉石切」 東京創元新社 昭和四十三年

2014年04月23日 | 名作歌舞伎全集/古典文学全集(浄瑠璃含)、歌舞伎関係本
(奈良公園 2014年4月)




  54: 『名作歌舞伎全集 第三巻』より「梶原平三誉石切」

『名作歌舞伎全集 第三巻』
 東京創元新社 
 昭和四十三年



「梶原平三誉石切」

 先日テレビで見た松本幸四郎さん家六さん芝扇さんの「梶原平三誉石切」が素晴らしかったので、『名作歌舞伎全集 第三巻』「梶原平三誉石切」を読む。
 本書「梶原平三誉石切」の解説によれば、
   原作は「三浦大助紅梅手綱(みうらおおすけこうばいたずな)」
   享保十五年二月十五日初日の竹本座に書き下ろす
   作者は 長谷川千四、文耕堂

 今の台詞は随分と変えられている事に気づく。
 聞いて難しい言葉はわかりやすく置き換えられたり、或は、昔の言葉でも雰囲気で楽しめる言葉は逆に取り入れられてナンッドも繰り返す。
 わかりやすい昔言葉を繰り返し繰り返し使う事により、古典歌舞伎の雰囲気を一層観客に伝えると言った工夫がなされているらしい。

 本書からは外れるが、松本幸四郎さんは発声の技術がしっかりされた役者さんだ。
 なのでどんな舞台でもこなす事がおできになられる。
 その上で、わたくしが十代に見ていたような歌舞伎の発声を今も守っておられる。
 古典歌舞伎を演じられる場合は古典歌舞伎の発声と言い回しを、明治に近くなる新株機を演じられる場合は古典歌舞伎とは違った言い回しを合えて演じられる。
 歌舞伎界において貴重な役者さんのお一人である。

『名作歌舞伎全集 第三巻』「梶原平三誉石切」の死罪とが人である呑兵衛の酒づくし乃後半の酒の名の後半部分は、舞台と本では全く違う。
 本書後半部分の酒は名の知らぬものが多く、この時代の一般に親しまれた酒ではないかと思われる。
 剣菱は当時から有名で、おこもにも格があり武士上がりのお乞食様の御座は剣菱の標がはいっていたという。
 だが、『名作歌舞伎全集 第三巻』「梶原平三誉石切」乃酒づくしに剣菱が省かれている事を思うと、庶民の手頃な酒か或はお高いあこがれの酒が並べられたのではないかとも想像するが、定かではない。





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