110; 『白秋全集 1 詩集1 』
岩波書店
白秋全集 全24巻
1984年12
657ページ
3900円
ちょうど二ヶ月前から読み始めた『白秋全集 1 詩集1 』を読了。
これは読み応えがあった。
詩なので、随分と時間がかかった。
好きな詩がいくつもあった。
第二邪宗門 「 乱れ織 ――天草雅歌――」はことのほか好きだった。
白秋の詩には難しい造語造字(?)が使われるので、書き写すのに苦労した。
スキャンに頼ったこともあった。
次の「古河童 」は好きな詩のひとつだが、わたしの場合 ネットでは検索できなかった。
「古河童 」 北原白秋 406ページ (初出 新聞・雑誌より)
水を追はれてくるくると
毛皮はがれし古河童
道ゆく人が蒲むちに
むち打たれてもしらず顔
赤い背曝しお尻さらし
妙珍奇林にうづくまる
石の上にも三年の
風、胸毛ふく尻毛ふく
「よひやみ」 北原白秋 467ページ 「邪宗門」より
うらわかきうたびとのきみ、
よひやみのうれひきみにも
ほの沁むや、青み(しみ)やつれて
木のもとに、みればをみなも。
な怨みそ。われはもくせい、
ほのかなる花のさだめに、
目見(まみ)しらす、うすらなやめば
あまき香もつゆにしめりぬ。
さあれ、きみ、こひのうれひに
よひのくち、それもひととき、
かなしみてあらばありなむ、
われもまた。――月はのぼれり。
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