乱鳥の書きなぐり

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『パイドン』 5 プラトン著 (パイドンとソクラテス / シミアスとケベス 対 ソクラテス / ピタゴラス派、ピタゴラス、ピタゴラス学派)

2021年05月10日 | 哲学

天神祭にて

 

 

 

『パイドン』 5 プラトン著 (パイドンとソクラテス / シミアスとケベス 対 ソクラテス / ピタゴラス派、ピタゴラス、ピタゴラス学派

 

 

パイドンとソクラテス P.197  (要約)

 対話の名前となったパイドンという男は、エリスの中で、スパルタとエリスの戦争の時に捕虜となり、アテナイの奴隷市場で男娼として売りに出されていたところをソクラテスによって助け出された人物。

 そのためパイドンは即たてすに深く恩義を感じていた。

 ソクラテスの死に至るまで、忠実につき従っていた。

 

 死刑の日には、病気でその場に居合わせなかった。

 死刑の日の付き添ったのは、おそらく、パイドンであったと言われている。

 

シミアスとケベス 対 ソクラテス P.198  (要約)

 ソクラテスの論争相手はシミアスとケベス

 

 特にケベスは鋭い頭脳

 ケベスは師の論議の弱点をついて飽くことを知らない。

 

 プラトンはシミアスとケベスの真理を求めて死闘であることを、プラトンが描こうとしていることがわかる。

 

 シミアスとケベスはソクラテスのグループに属するが、二人はピタゴラス派の代表的哲学者ピタゴラスからも学んだとされている。

 

 ソクラテスの対話に、プラトンがシミアスとケベスを選んだのも、『パイドン』の思想的特色を色濃く示唆しているであろう。

 

 

ここでもう一度 言葉memo

ピタゴラス派

 ピタゴラス学派(ピタゴラスがくは、Pythagorean school)ともいう。

 ピタゴラスの教説をピタゴラス学説 (希: Πυθαγορισμός, 英: Pythagoreanism) という。

 古代ギリシャからあるオルペウス教の影響から輪廻転生の考え方を有していた。

 

ピタゴラス派

 古代ギリシアの哲学者(570年頃~500年頃)。

 ミレトスのアナクシメネスとほぼ同時代で、 ミレトスの北西にあるサモス島に生まれ、 40才頃に南イタリアのギリシア植民地に移り住み、 死ぬまでそこで暮らしたとされる。  

 ピタゴラス自身が書いたものは一切残っておらず、 また彼は一種の教団を形成していたため、 ピタゴラス自身の業績を彼の弟子たちの業績から切離すことは難しい (たとえば、有名なピタゴラスの定理は彼によるものではないとされる)。

 そのことを述べたうえで、以下ではピタゴラス哲学の特徴を述べる。  

 

ピタゴラス

 ピタゴラスはオルフェウス教を信じていた。

 この宗教によれば、不死の魂は有限で不浄な身体に閉じこめられており、 身体が死ぬたびに魂は別の身体へと移り、転生を繰り返している (転生によって魂は動物に宿ることもあるため、 ピタゴラスとその弟子たちは菜食主義者だった。

 唯一この循環から逃れでる方法は、 数学(幾何学)を研究し宇宙の秩序を理解することによって 身体によって汚された魂を浄化させることである。  

 ピタゴラスの考えでは、万物は数によって理解することができる

 その顕著な例は音楽で、ピタゴラス派が和音(harmony 調和) を数学的に理解したことは有名である。

 彼らはこのような関係が宇宙の至るところに成り立っていると考え、 無限なる宇宙を数学的に理解することによって自分たちも無限(不死)になれる と考えたのである。  

 このようなピタゴラスの思想は、 プラトンに大きな影響 (とくに数学の重要性と魂を尊重し身体を軽蔑する態度)を与えた他、 近代の天文学者のケプラーやラッセルにも強い影響 (数学によって世界が理解できるという信念)を与えた。

 

ピタゴラス学派

 ピタゴラスによって創設された古代ギリシアの哲学の一派。

 数学的な諸科学(数学、天文学、音楽理論)に優れた業績を残した研究団体であり、同時に、研究生活を通じて魂の浄化、救済を目ざす宗教団体でもあり、また政治結社の性格も備えて、紀元前5世紀南イタリアのクロトン市を支配し、一時は強大な勢力を誇った。

 数学的な宇宙論を構想し、「万物は数からなる」とした。

 すなわち、宇宙は限と無限の二原理からなる「美しい調和ある全体(コスモス)」であり、この調和と「形」を与えるものが数の比例(ロゴス)である。

 そこから彼らは、事物の存在における形相原理formal principleの発見者といわれる。

「天球のハルモニアー」の理論や対地球の設定など、彼らの説にはギリシア合理主義の粋を示すものがある。

 前5世紀後半に学派の中心は破壊され、団員は分散するが、プラトンその他の人々への影響は大きかった。

 

 

 

 

『パイドン』魂の不死について

 プラトン著 

 岩田靖夫訳

 岩波文庫 青602-2

 他 Wikipediaなど

 

『パイドン』 1 プラトン著 (言葉memo  『パイドン』/ 「ピタゴラス派哲学者ピロラオス」/ 「ピタゴラス派」)

『パイドン』 2 プラトン著 (『パイドン』の登場人物)

『パイドン』 3 プラトン著 (言葉memo 「想起説」/ 「イデア論」/ 「カタルシス」)

『パイドン』 4 プラトン著 (『パイドン』におけるソクラテス像(超禁欲)と伝わる実像(禁欲主義者及び大酒豪、エロスといった快楽主義者))

『パイドン』 5 プラトン著 (パイドンとソクラテス / シミアスとケベス 対 ソクラテス / ピタゴラス派、ピタゴラス、ピタゴラス学派

 

 

 

 

 

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