乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『お ん な』  ( 「見るな」のパターン )

2009-02-24 | 民俗考・伝承・講演

 わたしは 怪 ある 身の上

 もののけ にて ございます。

 どうか わたしの姿を 見ないで下さいまし。

 けして 見ないで下さいまし・・・

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 わたしは かなしゅう ございます。

 あんなに 見ないで下さいましと 申しましたのに

 あなたは 見ようとなさいます。 

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 わたしは この世のものではございません。 

       

 彼方から この世に参りました。

 わたしは元の世界に 帰りとうございます。

 わたしの生まれた星に 帰りとうございます。

 姿をみられてしまいますと、

 星に帰ることができなくなってしまうのです。 

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 見て下さいますなと 申しますものを・・・ 

       

 あなたは お聞き入れ くださいませぬか。

 かなしい。

 わたしの魂が 離脱いたしまするに、

 どうか 見て下さいますな。 

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 手が・・・

 わたしの 手が

 こんなに 変わりはじめて参りました。

 あなた様がわたしを見ようとなさいまするに

 手が 腫れてまいりました。

 今に憑きものが わたしの身を奪い取ることでしょう・・・ 

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 もう 止めはいたしません。

 お好きに なさいまし  

 あなたさまの お好きに なさいまし

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 わたしは 所詮 独りの身の上

 悲しむものなど おりませぬゆえ

 どうぞ わたしの姿を 見て下さいまし

 しっかりと

 心に焼き付けて 下さいまし。 

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 わたしは 嬉しゅう ございます。

 あなた様が いて下さる。

 もう わたしは 独りではないのですね。 

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 わたしの身と魂が二分する姿を

 しっかりと見て下さいまし

 そうして

 わたしがこの世に在りし日のことを

 時々

 思い出して下さいまし

       

 いけません。

 わたしには もう 時間がない。

 もう お話できなくなって参りました。

 離れまする

 魂が、離れまする。 

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 さようなら

 おさらばで ござりまする。 

 

 そして 女の魂は去り・・・ 

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 後に残ったのは

       

           わ・た・し

          キョロちゃん

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大阪松竹座二月花形歌舞伎 二、『鷺娘』  鷺の精  七之助

2009-02-24 | 歌舞伎

       

       

       

 

 

 

 大阪松竹座二月花形歌舞伎

 平成21年2月1日(日)~25日(水)

 昼の部 

 

 二、鷺娘(さぎむすめ)             

 鷺の精  七之助

 

 美しかった。

 玉三郎丈や他の役者さんともまた違った、彼もまた異質の美しさを持っていた。

 玉三郎丈の妖艶とは表現法が違った、生きた美しさ。

 彼の『鷺娘』も、もう一度観たくなる舞台だった・・・。

 

 まず驚いたのは、彼の 観客を意識した 『見せ方』であった。 

 かぶりは顔深く、口だけを強調。

 赤くひかれた紅は、白い雪と衣装の中で、鷺の血潮と女の憂い、切なさ、悲しさを感じた。

 

 いろいろな部分を考え、かって『鷺娘』にこれだけ感動したことがあったろうか・・・。

 感激の渦は舞台と心を共鳴させる。

 今回は、条件も味方につけた。

 今回の興行『毛抜』の茶番の後だったせいだろうか・・・(笑み)

 何か私を感動させた決定的要因かはわからないが、心に残った『鷺娘』だった。

 

 七之助丈は今回の昼の部でたった一人だけで演じられた。

 今回の興行の中心人物 ! の全く出演されない 、幸運に恵まれた演目の一人舞台。

 彼は全力投球。

 良い意味で異常なほど感情移入され、舞台を作り上げられていた。

 切なく悲しい部分を見事に広げ、堀り下げ、彼そのものの舞台を作りあげられたことに、拍手を惜しみなく送りたい。

 

 南座で観た『霧太郎天狗酒盛』のラストでは、わたしの真前が七之助丈だった。

 素直な演技は、今や表現する役者へと懸命に羽ばたかれ、今回の『鷺娘』とだぶられせて観る私に気づく。

 私にとって 歌舞伎において注目の若手も多いが、その中の一人の役者でもある。

 

 

 

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大阪松竹座二月花形歌舞伎 昼の部 『一、歌舞伎十八番の内 毛抜』

2009-02-24 | 歌舞伎

 

 

       

                    

                     粂寺弾正  獅童

 

       

       

 

 

 大阪松竹座二月花形歌舞伎

 平成21年2月1日(日)~25日(水)

 昼の部

 

一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)   

  粂寺弾正  獅 童            

  小野春道  愛之助            

  秦秀太郎  勘太郎             

  錦の前  壱太郎            

  八剣玄蕃  薪 車            

  小野春風  亀 鶴             

  秦民部  男女蔵           

  小原万兵衛  亀 蔵            

  腰元巻絹  亀治郎

 

 高校性の頃から馴染みの演目である『毛抜』を観た。

 この演目はかなり面白い。

 この演目を観ると、いつも平賀源内を思い浮かべる。

 馬鹿だな^^

 

『主役あいつとめ申せし候』の粂寺弾正役の中村獅童さんは、映画『ピンポン』では想像がつかないくらいの男前だった。

 まるで七五三!のように美しい化粧。

 芝居中もメークさんに顔なおして貰い、卵!のような顔だった。

 粂寺弾正の衣装はカッコイイ。

 呼吸して!舞台を眺めると、 わざわざ!陶板焼き!でつくった 版画ではない!浮世絵の役者絵のようだ。

 

 口調は 若かりし頃の團十郎丈そっくり。

 おそらく、現代の團十郎丈をまねておられるのであろう。

 本家をまねておられるのはわかるが・・・、團十郎丈の襲名 前を三呼吸くらい置いたような口調だった。

 

 勘太郎さんの馬乗りを教えて貰う場面と、亀治郎さんの誘われる場面は、お二人とも一部 満面の笑み。喜楽に遊んでおられた。

 他の役者さんは 始終 懸命に歌舞伎を演じておられた。

 

 私たちが観たのは十◎日。

 この興行が始まって ゆうに十日以上が立つ。

 だが、黒子が真横にぴったりとつかれ、離れる間際も耳元にささやかれていた。(笑み)

 昔はこういった景色も度々観たが、誰もが知るところの『毛抜』の主役とあっては、気になって仕方がない。

 

 今回の粂寺弾正役・・・これ以上は言うまい。

 男前だった。楽しかったとでも、言っておこうと思う。

 

コメント (3)
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