七月二十五日。
大阪では天神祭りが有名。
用があって、この日は道頓堀に出た。
午後三時半。
道頓堀川まで行くと、『文楽船』や『落語船』が浮かんでいる。
なにやら浴衣の衆が船に乗り込み、準備に追われている。
男衆は腕をまくり、太鼓のバチを持った人もいた。
祭りには、男衆がよく似合う。
揃いの浴衣の女性たちは華やかだ。
船に乗り込んだかと思うと、すぐに降りて、ビルの陰に身を潜める。
団扇でパタパタと小ぜわしく扇ぐ姿は、浴衣から腕が見える。
男性から観れば、こういった夏の風情は 色気があって、また良し! といったところだろうが、生憎 女の私には興味はない。
祭りは四時過ぎからとのこと。
生憎のようで、残念無念と、あきらめる。
川沿いに、『山本能楽堂』の提灯を見つける。
まだ知らぬこの能楽堂。
何気に親しみを覚え、シャッターを押す。
是非行って、能を楽しみたいと思う、ある夏の日であった・・・・・・