だから、走るのだ。

春の長野マラソンに向けて、祐一郎にウツツツを抜かしながらも、もくもくトレーニング中。

『潜水服は蝶の夢を見る』見ました。

2008-03-07 | 映画、読書

潜水服は蝶の夢を見る
原作 ジャン=ドミニク・ボビー
監督 ジュリアン・シュナーベル
2007年 フランス/アメリカ
★★★★★
公式サイト


「20万回の瞬きで自伝を綴った、奇跡の実話」

意識は元のままなのに、身体的自由がすべて奪われてしまった状態をロックト・インシンドローム(閉じ込め症候群)というのだそう。

脳梗塞によって、重い潜水服を着せられたように身体の自由がきかなくなってしまった元「ELLE」誌の編集長ジャン=ドミニク・ボビーが、唯一動かせる左目の瞬きによって綴った自伝を映画化。



白く膜がかかったような視界。見知らぬ部屋。突然目の前にせまり来る男の顔。頭の中にひびく自分の声・・・。
わけのわからない閉塞感と不安。まるで自分がジャン=ドー自身になったような錯覚に襲われる。


左目以外が全て動かない現実。想像を絶する苦悩がそこにはあったと思う。
だけど、この映画にはネガティブな部分はほとんど描かれていない。
自虐やユーモアを交えて淡々と物語は進んでいく。


 病室のカーテンから刺し込む乳白色のやさしい光
 言語療法士の涙がにじむ笑顔 
 煙草を吸う元妻の風ではためくコートの裾
 友人の白い歯
 海辺ではしゃぐ子供たちの後ろ姿


彼の左目を通して見る世界は、切なくなるほど静かで美しい。


映像とともに心の声として聞こえる、流れるようなフランス語の発音。彼が頭の中で紡ぎだすひとつひとつの言葉は、まるで一編の詩のようで、観ているうちに不思議な心地良さに包まれる。

「自分を哀れむのをやめた彼」と同じように、「彼を哀れむのをやめた私たち」は、彼を通して見る、想像力溢れた自由な世界に感動する。


「難病、実話」というと、いわゆる「お涙ちょうだい」的な物語を想像するかもしれませんが、そういう種類の悲愴感はこの映画にはありません。
彼に同情するのでは無く、同調することによって感じた、「人間の強さ」とか、「やさしさ」、「本当に意味での自由」に単純に感動し、涙しました。
映画自体が完成度が高くて本当に素晴らしいと思います。
あとは音楽が抜群に良いです。



余談ですが、ジャン=ドミニク・ボビーを演じたマチュー・アマルリックがかなり好みです。ちょうど最近「ミュンヘン」を見たときから勝手に思い込んでいるんですが、祐一郎に似てるんですよね。どことなく。(私個人の勝手な思い込みなのでどうかあしからず)




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