パイレート・クイーン
2009.12.10(木)13時開演
1階XA列
イリアン・パイプス&フィドルの独特の音色が特徴的な、アイルランド音楽を基調とする楽曲は、美しく、耳に心地良く響きますし、アイリッシュダンスも思わず踊り出したくなるような迫力で、最後まで飽きることなく一気に観ることが出来ました。
確かにストーリー展開をみると、二人の女性に焦点を当てているわりには深く掘り下げて描いていないため、何もかも唐突に始まり、最後はびっくりするほどあっけなく終わってしまうという印象を受けますが、単純明快で、わかりやすい悪役がいて、最後はハッピーエンドという、誰もが幸せな気分になれる水戸黄門敵スタイルはミュージカルの世界では「有り」なのではないかと私個人としては思います。
特に年末は、明るい気持ちで劇場を後にしたいですし、このストーリー上の「隙」や「粗」について、観劇後ツッコみ語らうのも、ミュージカルを楽しむ醍醐味のひとつではないでしょうか。
以下、毒舌レポが続きますので、気分を害する恐れのある方はどうか読まないでー。
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今回、初観劇には適さない、このPQについては特に最初に座ってはいけないとされる最前列に座ってしまい、すぐ目の前で繰り広げられている想像を絶する衝(笑)撃的なシーンの数々に、そうあからさまに笑い転げるわけにもいかず、笑いたいのだか泣きたのだかよくわからない微妙な表情で、内臓の変なところの筋肉を酷使しながら椅子の上でひたすら悶絶してました。
「タイタニック」や「ロード・オブ・ザ・リング」っぽい楽曲はすごく好みですが、難解すぎて一度見ただけでは1フレーズも口ずさむことは出来ません。
唯一頭の中に残っているのは「陛下~ばんざい(反対?)」のみですが、この「ばんざい」も含めてどこかで聞いたことのあるメロディが随所に散りばめられていて、その点ではなかなか楽しめます。
「しつこい」と噂されていたアイリッシュダンス。しつこさは感じませんでしたが、前方から見たせいか、迫力は伝わってきましたが、「劇中のダンス」という枠を私の中では越えませんでした。アイリッシュダンサーの4人は確かに美しいし素晴らしいです。もう少し後方で見たらフォーメーションの美しさなどを堪能できるのかも。
ストーリーは、それはもうヒドイ有様(笑)。
ツッコミどころ満載です。
男勝りだけど、それほど賢く強く感じられないグレイスが、ロープを1本切っただけで船の座礁を回避し、そのエピソードだけで「我らのリーダーだ!」になっちゃうし、スペインの無敵艦隊を破った精鋭ぞろいなはずのイギリス軍を船のオール1本、またはお色気作戦で撃破しちゃうし。
しかも、最後は食べるものにも困るほど極貧なのに、航海できる船をあっという間に用意し、イギリス軍の強力な包囲網をくぐり抜けロンドンに上陸し、たった2時間の話し合いであっさり和解。グレイスは7年もの長期に渡って幽閉され自由を奪われていたのにもかかわらず、それを微塵も感じさせず和やかに談笑。
そのアラをごまかすかのように、ところどころでアイリッシュダンスが挟まれ、その軽快なリズムに乗せられ、あれよあれよと話は進んでいくので、最後までどちらの女性にも感情移入はできません。
そして、そのグレイスが心の支えにしているはずのティアナン。彼がまたスゴイ。海の女王の心の恋人なのに、アルフレート以上のヘタレっぷり。
・船の座礁の危機のとき、アイツはいったいなにを?
・族長自らイギリス軍と戦っているとき、アイツはどこへ?
・グレイスが苦渋の選択でドーナルとの結婚を決めたのに、
「あの時の約束は・・・」などと自分本位な女々しいことを抜かす。
・結婚式当日も岩と同化してひたすらいじける。
・息子の洗礼式の時、あっさりとグレイスを奪われる。
・さっさと身代わりに行けばいいのに、実際行ったのは7年後。
・動きが鈍い。アイルランド人なのにアイリッシュダンスが踊れない。
(これは中の人の問題)
いったい、グレイスは彼のどこに惚れたのだか首をひねるばかり。そういうダメな男が好きなのか?
・・・中途半端ですが、つづく。
特に「岩と同化」という表現!!最高!!
腹筋がふるふる・・・。
まあ・・結局長くて複雑なヨーロッパの歴史という背景をも矛盾なく取り込んで3時間弱の誰もが楽しめてわかりやすいミュージカルに仕上げるには、かなり端折る必要、デフォルメする必要があったのでしょうね。
私はイギリス軍の赤いテントウ虫と勝手に読んでいるあの衣装とその登場時のテケテンテン♪
の音楽に笑ってしまいましたが・・
また、女王がビンガム卿に皮肉たっぷりに言う「ロンドン塔」というのも、よくイギリスを知らない人が聞いたら、それがすごい皮肉であり、厳しい罰になること分かるのかな、と思いましたよ。
それに山田さんはきっと「今までにないゆーいちーの側面」を引き出すことが楽しみでもあり(ファンも喜ぶと考えた)、そして、山口さんx保坂さんのシーンが笑いツボに満ちていながらもロマンチックでノスタルジックな思いを誘うよう、そこを引き立たせるために全力を投じてくれた・・(山田さん、ふたりのラブシーンの再現をとっても楽しみにしていたようなので)と考えれば、一般ファンはまあおいておいて(笑)、我々の気持ちに添っている気がして、なんだかすべて許せちゃうかも。
(ふたりを観ると嫉妬しちゃうタイプはだめだろうけれど)
楽曲については、わたし個人は海外版CDを聞いていたため、「このすごいキーの歌い上げはゆういちろーは同くるかな?楽しみ!!」と思っていたので、ソロはふたりのデュエットなどは、わりとすぐに耳になじみました。
3~4回見ると脳内を回るかも!(笑)
またティアナンがへたれな件、ですが、多分保坂さん演じるグレースの中身はりりしさが高いので(隠れ男度が高い)、案外女々しさ炸裂の(かくれ女度が高い?)ティアナンに惹かれるというのも案外ふしぎなバランス現象=現実として(つよい女が荒々しいだけの男を好むとは限らないので)なんだか納得、・・と思ったりしています。
また続きも楽しみにしています!
ティアナンへの思いは同感デス(笑)
そして私もCherryCYさんがおっしゃるようにイギリスを知らない人が女王がビンガム卿へ言う「ロンドン塔」は確かに皮肉であり罰であることがわかるのかなと思います。
レポの続き私も楽しみにしていますわ~
コメントありがとうございました!
エリザベス女王の生い立ちから何から描いたら、12時間くらい上演時間が無いと駄目でしょうね。
>赤いテントウ虫
確かに~。あの色合い、ちょっと可愛いですよね。登場時の音楽…スイマセン。すでに忘れました。
演出の仕方によってはとっても暗くなりそうな題材をコメディを交えて楽しく仕上げてくれた上に、もう見ることはないであろうと思っていた祐一郎のあんな姿を見せてくれた山田さんにはとても感謝しています。
そうか~、事前に海外版で予習しておけば、もう少しするする頭に入ったかもしれませんね。
他の方はあの高いキーを上手く出せるのかな?
グレース→隠れ男度が高い
ティアナン→隠れ(隠れてないけど)女度が高い。
確かに~。
人は自分に無いものに惹かれるものですもんね~。
ロンドン塔は完全に「罰」ですね。
エリザベスも確か数年幽閉されたたはず。
★マナー違反撲滅さま
ご忠告ありがとうござました。
(メッセージは諸事情により、非公開とさせて頂いております)
無断転記に関しては然るべき承知を取らせて頂きたいと思います。
★クロリンさま
いつものように寝かせていたら、だんだん忘れてきてしまいました。
無断転記に負けず、引き続きティアナンの毒舌ダメだしレポをアップしたいと思います。
私のくだらないレポで満足など言わず、ティアナン祐一郎が待ってるので、劇場に行ってあげて!!(笑)。