だから、走るのだ。

春の長野マラソンに向けて、祐一郎にウツツツを抜かしながらも、もくもくトレーニング中。

「あの日、欲望の大地で」観ました。

2009-11-29 | 映画、読書

あの日、欲望の大地で
監督 ギジェルモ・アリアガ
2008年 アメリカ
★★★☆

愛しても憎んでも娘は母親と似た道を辿ってしまうものなのか。
それが血のせいなのか、「そうなるまい」と意識しすぎることによって、かえって深く脳に刻まれることとなり、トラウマとなって自然に同じ行動をとってしまうのかはわかりませんが。
それが10代の多感な時期の体験であればなおさら。

愛を求めるというより、まるで自分を罰するために男と肌を合わせているかのような、乾いた目をしたシルヴィア(シャーリーズ・セロン)。
その印を自分の足に傷として刻みつけたり、冷たい北風が頬を刺し、荒波が打ちつける岸壁に立ち「ここから飛び降りたら楽になれる」というように下を覗き込む姿がそれをさらに印象づけていました。

同時に、彼女の母親であるジーナ(キム・ベイシンガー)の物語も時空を超えて進行していきますが、自分が想像していた人物が違う人物だったりと、ミステリーの要素も含んでいて、バラバラだったピースが最後にピタリとはまる様は見ていて気分がいいですし、観る側の想像に委ねつつ、一筋の希望の光が差すようなラストも良かったと思います。

ただ、もう少し邦題がなんとかならなかったのでしょうか?これじゃあ、せっかくのシャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーの研ぎ澄まされた演技が台無し。タイトルだけ見たらエロ映画のようだわ。

 

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重いの2作。

2009-11-26 | 映画、読書
エリザベス:ゴールデン・エイジ
監督 シェカール・カプール
2007年 イギリス/フランス
★★★

もともと知的さと気品を兼ね備えたケイト・ブランシェットが、エリザベスメイ
クを施こし豪華な衣装に身を包むと威厳と自信に満ち溢れ、絵画で見るエリザベ
ス女王そのものでした。
もう一方で、ドレスという名の鎧を脱げば、敵だらけの中での孤独感に苛まれ、女性としての幸せを捨てきれない苦悩と戦う、ただのか弱い1人の女性であるという姿を見事に演じていました。

本作では愛人と呼ばれていたウォーター・ローリーとの恋愛をひたすらプラトニ
ックに描いています。
といっても、初めからローリー卿には恋愛感情は無く、出世欲の為に女王に近づき、その後は孤独なエリザベスに対しての同情心から側にいたという印象を受けます。終いには女王お気に入りの若い侍女を孕ませ結婚してしまいますし。

完全なハッピーエンドでは無いにしろ、個人としてではなく「イングランドの母
」のして生きる道すじと決意が生まれ、スペインの無敵艦隊も打ち破り、黄金時代の礎を築いて行くいうそんなにイヤな幕引きでは無いのですが、拷問や地下牢など目の覆いたくなるシーンも少なくなく、見た後「どーん」と気が重くなりました。

PQの予習もかねて見てみたけど、実際役に立ったのか否かは開幕するまで不明ですが、「あんなおどろおどろしい地下牢にティアナン★祐一郎は囚われて、とき
おり拷問なんかも受けてたかも」なんて妄想すると、単純に「囚人服萌え」など
と言ってられないかもしれません。

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宮廷画家ゴヤは見た
監督 ミロス・フォアマン
2006年 アメリカ/スペイン
★★★

本当は「ブーリン家の姉妹」を見たかったけど、レンタル中だったので、同じナ
タリー・ポートマンつながりで。

恋愛ものと思いきや、(ハビエル・バルデムの名前があったので不吉な予感はし
ていましたが)あまりにも報われない悲惨な内容(異端尋問で召還→15年間投獄
など)に、途中で心が折れてしまいそうでした。

それにしても、ナタリーの天使の様な少女時代からの変貌ぶりは凄まじかった。
もともと顔が端整で可憐な為、過酷な仕打ちでガリガリに痩せ、顔が変形し、夢
の中をさまよう姿がいっそう憐れ感を誘い、見てるのが辛くなりました。

ハビエル・バルデムは怖い!濃すぎ!!
ヘンタイ神父役がハマり過ぎてて、夢に出てきそうなくらい存在感あり過ぎ

怖すぎてまだ「ノーカントリー」は見れないけど、「それでも恋するバルセロナ
」は見たい(とても同一人物とは思えないけど)。
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『長江哀歌(エレジー)』観ました。

2008-04-13 | 映画、読書

第22回高崎映画祭上映作品
長江哀歌(エレジー)
原題 三峽好人/STILL LIFE
監督 ジャ・ジャンクー
中国 113分

長江の三峡ダム建設のため、水没する運命の古都・奉節を舞台にした人間讃歌。『世界』などのジャ・ジャンクー監督がタバコ、草、酒、茶、飴という市民の生活に根ざした嗜好品を題材に、美しくせつない物語を紡ぎ出す。『プラットホーム』のハン・サンミンが等身大の中年男を好演し、現地で起用された素人俳優たちと素晴らしいアンサンブルをみせる。本作は力強く生きる人々の現実と景勝地の最後のきらめきをとらえ、2006年ベネチア国際映画祭でグランプリを獲得した。(シネマトゥデイ)


なんか、もうなんともいえないすごい映画を観たって感じです。

まず、16年前にいなくなった妻子を探しに山西省から長江流域の都市、奉節にやって来たサンミン(ハン・サンミン)。どう見てもそこらへんから連れて来た、ただのオッサンです。演技というよりほとんど素の状態?そう見えてしまうくらいの役の入り方。凄いです。


で、内容はとってもシュール。
中国市民のリアルな生活がドキュメンタリーのように淡々と流れていく中で、いきなりロケットが飛んだり、ブリーフにハートマークが刺繍されていたり、ありえないところで京劇の俳優がトランプしていたりと、あまりにも突然にこれらのシーンが挿入されてくるので、笑うヒマもないというか。これは笑ってもいいのか?などといちいち考えてしまう。

眠くなるくらい淡々と物語は進んでいくのだけど(実際ちょっと寝たけど)、思わず引き込まれてしまう力強さというか、「これは30年前の話?」というような劣悪な労働環境や廃墟のような衣住環境の中に、ふいに登場する携帯電話やラップミュージックによって、起きながら夢を見ているような気分にさせられる摩訶不思議な映画でした。



 

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『潜水服は蝶の夢を見る』見ました。

2008-03-07 | 映画、読書

潜水服は蝶の夢を見る
原作 ジャン=ドミニク・ボビー
監督 ジュリアン・シュナーベル
2007年 フランス/アメリカ
★★★★★
公式サイト


「20万回の瞬きで自伝を綴った、奇跡の実話」

意識は元のままなのに、身体的自由がすべて奪われてしまった状態をロックト・インシンドローム(閉じ込め症候群)というのだそう。

脳梗塞によって、重い潜水服を着せられたように身体の自由がきかなくなってしまった元「ELLE」誌の編集長ジャン=ドミニク・ボビーが、唯一動かせる左目の瞬きによって綴った自伝を映画化。



白く膜がかかったような視界。見知らぬ部屋。突然目の前にせまり来る男の顔。頭の中にひびく自分の声・・・。
わけのわからない閉塞感と不安。まるで自分がジャン=ドー自身になったような錯覚に襲われる。


左目以外が全て動かない現実。想像を絶する苦悩がそこにはあったと思う。
だけど、この映画にはネガティブな部分はほとんど描かれていない。
自虐やユーモアを交えて淡々と物語は進んでいく。


 病室のカーテンから刺し込む乳白色のやさしい光
 言語療法士の涙がにじむ笑顔 
 煙草を吸う元妻の風ではためくコートの裾
 友人の白い歯
 海辺ではしゃぐ子供たちの後ろ姿


彼の左目を通して見る世界は、切なくなるほど静かで美しい。


映像とともに心の声として聞こえる、流れるようなフランス語の発音。彼が頭の中で紡ぎだすひとつひとつの言葉は、まるで一編の詩のようで、観ているうちに不思議な心地良さに包まれる。

「自分を哀れむのをやめた彼」と同じように、「彼を哀れむのをやめた私たち」は、彼を通して見る、想像力溢れた自由な世界に感動する。


「難病、実話」というと、いわゆる「お涙ちょうだい」的な物語を想像するかもしれませんが、そういう種類の悲愴感はこの映画にはありません。
彼に同情するのでは無く、同調することによって感じた、「人間の強さ」とか、「やさしさ」、「本当に意味での自由」に単純に感動し、涙しました。
映画自体が完成度が高くて本当に素晴らしいと思います。
あとは音楽が抜群に良いです。



余談ですが、ジャン=ドミニク・ボビーを演じたマチュー・アマルリックがかなり好みです。ちょうど最近「ミュンヘン」を見たときから勝手に思い込んでいるんですが、祐一郎に似てるんですよね。どことなく。(私個人の勝手な思い込みなのでどうかあしからず)




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『ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた』観ました。

2008-02-25 | 映画、読書

ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた
監督 エイドリアン・シェリー
アメリカ 108分
★★★☆


監督のエイドリアン・シェリーは2006年に他界され、本作は遺作となりました。

田舎町のダイナーでウェイトレスとして働くパイ作りの天才ジェンナが予想外の妊娠をきっかけに自分自身に目覚めていく。


嫉妬心が強く暴力的な夫に縛られる毎日。そんなある日妊娠が発覚し、訪れた産婦人科の医師と不倫関係に陥ってしまう。

言葉にするとものすごくドロドロとしてイライラした展開ですが、ジェンナは自分の陥っている境遇を客観視して、作るパイのレシピになぞらえていきます。ときには鼻歌をまじえて。
そのパイはカラフルすぎてあまり美味しそうではないけれど、明るくて独創的。


画面に映るジェンナは美人で明るく生真面目。
彼女がなぜそんな人生を歩んでいるのか少々不思議ではありますが、人生というのはちょっとしたボタンの掛け違いで大きく狂ってしまうもの。逆に僅かなきっかけで大きく変わっていくものでもあります。

出産直前まで子供を望まず、嫌悪感さえ抱いていたジェンナでしたが、出産を終えて自分の手に子供を抱いた瞬間から、世界が劇的に変わっていく様は感動的です。
そこには自分と子供しか存在せず、自分勝手にわめく夫の声も、それをたしなめる不倫相手の医師の声もすべてシャットアウト。
あれほど優柔不断にあと一歩を踏み出すことが出来なかったのに、子供の誕生を機に自分の足かせになっていた夫と不倫相手との関係をあっさりと切り、子供と生きることを誓うジェンナの潔い姿は清々しいものがあります。

そこにたどり着くまでの過程は、ややうまく行き過ぎ感が否めませんが、女性として文句なしのハッピーエンドは、文字通り前向きで幸せな気分で劇場を後にすることが出来ます。


そして、この映画を観て感じたことは、「男性女性に対して「やすらぎ」を求めることが多いが、女性はそうでもない」ということです。

映画の中で夫はジェンナに「子供が生まれても俺よりも愛情を注ぐな」と言い、寝るときもベッドでジェンナを離しません。そこには妻としての愛情よりも母性愛を求めているような気がしますし、不倫相手の医師も「妻といるより君といる方が安らぐ」と言うようなことを口にします。
店の偏屈オーナーのジョーにしても、ジェンナに何かを求めて店に通っていたのではないでしょうか。最後に「友情の証」として手渡す聖母にも似たジェンナの肖像画がそれを深く表していると思います。

ジェンナは美人ですが、母親のような懐の深い器を感じさせる女性であり、男性はそれに思わず惹きつけらてしまうのではないかと感じました。

モテモテのジェンナですが、最終的には「自分自身の自立と子供と生きること」を選択します。


そんなわけで、今後、女性に対して「やすらぎ」を求める男性は「マザコン」であると私はみなすことにしますので(笑)。巨乳好きな人も同様。

 

 

 

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『エンジェル』観ました。読みました。

2008-02-14 | 映画、読書

エンジェル
監督 フランソワ・オゾン
2007年 イギリス・ベルギー・フランス 119分
2008年2月13日(水)


「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督の作品です。
原作はイギリスの女性作家エリザベス・テイラー。

エンジェル
エリザベス・テイラー
白水社

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ノーリーの下町で食料雑貨店を営む母親と暮らす、傲慢だけど才能豊かな少女エンジェル。彼女はいつも町外れにある豪邸「パラダイスハウス」で暮らすことを夢見てきた。


やがて、小説家としてデビューし、溢れんばかりの才能で次々と新作を発表。順調に人気作家の階段を上っていき、幼い頃思い描いていた夢をすべてその手に掴んだエンジェル。しかしその甘い夢の生活は長く続かず、「現実」という名の皮肉な運命が徐々に彼女に近づいていく。


原作で強烈なキャラクターだったエンジェルが、映画ではだいぶマイルドになっていました。

詳しい感想は後ほど。

 

 

 

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『4分間のピアニスト』観ました。

2008-02-12 | 映画、読書

4分間のピアニスト
監督・脚本 クリス・クラウス
2006年 ドイツ 115分
2008年2月11日(月)
★★
公式サイト



ドイツアカデミー賞で作品賞、主演女優賞を受賞した作品です。


幼い頃に「神童」と呼ばれるほどの天才的なピアノの才能を持ちながら、殺人の罪で服役するジェニー。

暴力的で他人に心を開かないジェニーの中の並々ならぬピアノの才能を見抜き、それを開花させることが自分の人生の責務だと直感し、残りの人生全てを賭けて彼女をドイツオペラ座に立たせようとする老ピアノ教師クリューガー。

暗い過去に支配され他人に心を開かず孤独に生きてきた二人が、激しくぶつかり合いながらも徐々にピアノを通して心を通わせて行く。

やがて明らかになっていくお互いの心の傷。養父からのレイプ、無実の罪、死産、ナチス時代の記憶、同性愛、裏切り、愛する人の死。


暗い過去の傷を乗り越えて立ち上がり生きる意味を見出していく課程を描きたかったと思うのですが、あまりにもエピソードが盛りだくさんのうえにドラマティック過ぎて、主人公たちに感情移入が出来ませんでした。
もう少しそのあたりを的を絞って繊細に描いて頂けていたら、それこそ劇的に感動の度合いが違って来たと思います。


クライマックスのオペラ座の演奏シーンも期待しすぎたせいか、「えっ・・・(絶句)」という感じでした。

あの曲は二人が縛られていたものから解放され、新しい世界へ旅立つことの象徴だったと思うのですが、個人的には神業のような美しいピアノ演奏で締めて欲しかったな。


ラストのジェニーの美しいお辞儀が心に残りました。

 

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『テラビシアにかける橋』観ました。

2008-02-06 | 映画、読書

テラビジアにかける橋
監督 ガボア・クスポ
2008年2月6日(水)


大人の世界では「人と違うということ」は個性として認められるし、時にはそのことが原因で他人から疎まれることもあるけれど、面と向かって直接攻撃されることは少ない。

だけど子供の世界は残酷で「人と違う、ちょっと変わった子」は容赦なく攻撃され異分子として排除されてしまう。

兄弟は皆女の子ばかりで家はとても貧しく、生活のため家を空けることが多い父親に「仕事をするように」を命じられる毎日。
学校ではいじめの標的にされ、家でも学校でも自分の居場所が無いと感じるジェス。

そんなある日、風変わりだけど明るく想像力豊かな少女レスリーが隣に引っ越して来る。

お互い自分と似た匂い感じとり、次第に打ち解け絆を深めていくジェスとレスリー。
2人は偶然見つけた近所の森に空想上の王国「テラビシア」を築く。
それによって今まで暗くくすんでいた現実の世界が、美しい「テラビシア」の森のように次第に色付いていく。

しかし、やがて悲劇的な事件が起こってしまう。

再び心を凍らせ始めたジェスだったが、今まで敵だと感じていた大人たちやいじめっ子によってその心は次第に融けてゆくのだった・・・・・・。


大人は大人で大変なことがあって、子供も子供なりに大変で、子供は大人に対して「自分たちのことが分かるはずが無い」と思っているけれど、大人だって昔は子供だったのだから想像力を研ぎ澄ませばやがて見えてくるものがある。

そして子供はその立ちはだかった壁を乗り越えるたびに一歩一歩大人への階段を上っていく。

 

後半の展開はあまりにも切なく、えぐえぐとハンカチがぐしょぐしょになるほど号泣してしまいました。

「テラビシアにかける橋」という題名にこれほど深い意味があったとは。

 


なんといっても、主人公の2人の繊細な演技が素晴らしくて心に沁みます。


ジェス役のジョシュ・ハッチャーソンくん。
子供だからみずみずしいのは当たり前なんだけど、先生への淡い恋、異性への恋に似た友情、父親との関係、妹への複雑な心情など、少年の多感な時期の揺れ動く気持ちを見事に表現していると思います。


レスリー役のアンナソフィア・ロブちゃんは「チャリチョコ」でトロフィーコレクターのいけ好かない女の子を演じていましたが、いけ好かないながらもどこか印象が残るような輝きがありました。
今回はまったく逆で、明るいけれど、どこか孤独感も漂う不思議な少女を演じています。

つり目がちのちょっと気の強そうなきらきら輝く瞳がとても魅力的で、キーラ・ナイトレイみたいな私好みの美しい女優さんに成長しそうでとても楽しみです。

 


空想の王国「テラビジア」は実は誰の心の中にも存在している。

だからこれほど共感できるのかもしれませんね。


 

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『スウィーニー・トッド』見ました。

2008-01-28 | 映画、読書

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
監督 ティム・バートン
2008年1月25日(金)

 


モノクロの画面に飛び散る真っ赤な血しぶき。その色は実際の血よりも紅い鮮やかな真紅色。


表情が乏しく感情を抑えたキャラクターたちが唯一感情を爆発させるのが殺人のシーンであるため、監督は血なまぐさいシーンは特にこだわったようである。


残酷な描写によってR指定が付くことなどなどなんのその。
それを恐れるあまり表現が控えめになるくらいなら興行成績が落ちようともかまわない。
分かるものにだけ分かればいいといった、監督のこよなくB級ホラーを愛する気概が、大げさに気持ち悪い演出のところどころに感じられて、それがマニアックな者たちの心を捕らえるのだ。


無実の罪で投獄され、愛する妻子を失った現在、スウィーニーにとって現実の世界は死の世界も同然。それは悪夢のような色調乏しいモノクロの世界。
反対に、妻子といた過去の美しい記憶は色彩鮮やかな世界。

その儚い記憶を思い出しながら紡ぐ優しく美しい旋律をバックに次々と冷酷に淡々と殺人を重ねていく。
カミソリで首をかき切り血が「シュバッ」と吹き出る音も、「ギー、バタン」と椅子を倒す音もすべてその旋律に含まれているかのように。

「復讐」しか頭の中にインプットされていない機械仕掛けの人形のようにスウィーニーは殺人を犯し、殺された者もまるで人形のように地下の倉庫に落ちてゆく。

四六時中眉間に深い皺を寄せ、陰鬱な表情を浮かべる彼にはもはや復讐以外何も目に入らない。
ミセス・ラベットのスウィーニーとの甘い生活を夢見たカラフルな空想の中でも、まるで他人事のように無表情でラベットのなすがまま。

一方通行なラベットの恋心が物悲しくもあり、おかしくもある。



そして、残虐な殺人鬼には幸せな結末はけっして訪れない。

けれども、哀しい殺人鬼にとってはあれがハッピーエンドなのかもしれない。

 


ジョニー・デップはさすがだ。
演出は大げさだが、彼の演技はとても最小限で、スウィーニーの深い内面を表現している。
歌も浪々と歌い上げるのではなく、怒りや哀しみなどのいくつもの感情を搾り出すように曲に乗せているといった感じで、スウィーニーのダークなイメージにとても合っていると思う。

憎むべき殺人鬼であるはずなのに、どこか共感を覚えてしまうようなキャラクターに仕上げているところがジョニデのすごいところである。


ミセス・ラベットのヘレナ・ボナム=カーターも存在自体がすでにただならぬ雰囲気であるが、純粋でどこか憎めない犯罪者を演じている。



ひたすら暗く陰惨でおぞましい映画ではあるが、物語の根底は愛である。
そしてときおり「クスッ」と思わず笑ってしまうようなおかしさが散りばめられており、どこか抗えない不思議な魅力がこの映画にはあると思う。





哀しく孤独な殺人者といえば、真っ先に哀しく孤高なヴァンバイアが思い浮かぶ。
キャラクターといいストーリーといい、どこか似ている。

B級映画とホラーを愛するティム・バートン監督にぜひ映画版「ダンス・オブ・ヴァンパイア」を作って頂きたいと密かに願っている。


もちろん伯爵さまはジョニー・デップで。(あ、でも教授でも面白いかも。アルフもいける?)



 

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悪魔の理髪師。だけどジョニデならOK

2008-01-15 | 映画、読書

 


山口氏の舞台がない現在、公開が楽しみなのが大好きなジョニー・デッブが主演する『スウィーニー・トッド ~フリート街の悪魔の理髪師~』

ティム・バートン監督お得意の陰気なおとぎ話のような世界。
スリーピー・ホロウと雰囲気が似てるのかな?

他の方のレビューを見ると、陰気というよりも陰惨。かなりグロい場面もあるようですが(まあ人肉パイですからね)、中途半端に気持ち悪いよりは、血がバンバン出たり、首がしゅぱーんと飛んだ方がかえって爽快ではないか。

ジョニデの歌声も気になりますが、監督のパートナーでもあるヘレナ・ボナム=カーターとの掛け合いも楽しみ。大竹しのぶさんのような独特の存在感があって、歌もかなり上手いようです。


スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
2008年1月19日公開


こちらも大好きだー!
先日テレビでも放映されてましたね。
何回見ても楽しい。

チャーリーとチョコレート工場

ワーナー・ホーム・ビデオ

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