だから、走るのだ。

春の長野マラソンに向けて、祐一郎にウツツツを抜かしながらも、もくもくトレーニング中。

『アラビアのロレンス』観ました。

2007-11-30 | 映画、読書

老後夢見ていた暮らしがすでにこの年にして叶ってしまいました。「これでいいのか?自分」と自問自答しつつも、貪るようにDVD鑑賞に明け暮れる毎日です。


その中でも印象に残る作品をご紹介いたしましょう。 

 

アラビアのロレンス【完全版】 デラックス・コレクターズ・エディション

ソニー・ピクチャーズエンタテイメント

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実在した英国将校T・E・ロレンスの自伝を基に描いたアカデミー賞主要7部門を独占した名作です。


神秘的で優雅、なおかつ獰猛で広大な砂漠の風景。
燃えるように赤い朝日。
容赦なく照りつける狂気的な真昼の太陽。
そして、遥かかなたの水平線の先から蜃気楼のように現われる登場人物。


3時間半にも渡る超長編ですが、まったく飽きることがありません。

 

ロレンスを世界に知らしめたアメリカの新聞記者が問いました。


 「ロレンス大佐、あなたを砂漠にひきつけているのは何です?」

 
 「清潔だからだ」


そう、この映画にはつねに清潔感が漂います。たとえそれが、殺し合いをしているシーンであってもです。
その理由はといえば、吸い込まれるほどに荘厳で美しい砂漠の景色とそれを彩る雄大な音楽、加えて、何といっても気品あふれる出演者たちの存在に他ならないのです。
そして、この作品にはまったく女性が登場しないのですが、登場人物の気高さは不思議と色香さえ感じられます。


ロレンスことピーター・オトゥールの白を基調とした、いでたち。金髪とブルーの瞳が白いアラブの民族衣装に映えて輝くばかりの美しさ。それに対比したアリことオマー・シャリフのべドウィンの黒の衣装は、これまた砂漠の夜の闇のような、深くて高貴な美しさが感じられます。


また、人物描写の細やかさには目を見張るものがあります。
ロレンスはアラブ軍を率いてトルコ軍と闘った英雄ですが、もともとスフォード大学で考古学を学んだインテリでした。
表面上の勇猛果敢な振る舞いとは裏腹な、精神的に気弱な危うい部分を、青い瞳の奥の揺らめきなどで見事に表現していました。


途中、ロレンスがトルコの司令官に捕まり、拷問され暴行されるシーンがあるのですが、実際の映像はロレンスが台にうつぶせにされ、残虐な笑みを浮かべたトルコ兵に両手を上に引っ張られるところまでしか映し出されていません。それから先は外で様子をうかがっているアリの目の表情で、ロレンスに何が起こったのか全て読み取れてしまうのです。


この事件によって、自身の象徴であった白い肌が、どんなに愛してもアラブ世界とは融和出来ないこと決定付け、挫折したロレンスは精神を破綻して行きます・・・・・・。


この作品でピーター・オトゥールは主演男優賞を逃しましたが、いったい何故なんでしょうか?と思わせる素晴らしい演技です。


何年経っても色褪せるどころか、むしろ今となっては新しいと感じる。それが名作と呼ばれる作品なのですね。


砂漠に残された仲間を助けに戻るときアリに、


 「戻れば死ぬ。それが(彼の)運命だ。」


と言われた時のロレンスの


 「運命などない」


という言葉が、心にずしり、と響きました。

 

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動く帝王。

2007-11-29 | 愛する山口祐一郎さまの件

ははは、「帝王現る!!」ですって。


M!の公式ブログでコロレド大司教様のお姿を拝見することが出来ます。コチラ
3カットあり、そのすべてがこれから、というところでカットされていて、ファンにとってはこれを見て観に行きたくなるというよりは、むしろ腹立たしくなってくるくらいの中途半端さ加減が光る映像です。


あら。
猊下ったら気のせいか、お顔が長くなっていませんか?というよりは、なんだか顎まわりがたるんできているような・・・・・・すべては語るまい(←もう言ってますが)。


それにしても日本人離れした面立ち、立ち姿です。
ただ、「じゃあ日本人じゃなければいったいナニ人?」と言われても、なんとも答えようがありませんが。
目が大きくて鼻は高いけど、決して濃いわけでもなく、日本人離れしてると言っても、やっぱり「日本人」っていうのが一番しっくりくるような、よく考えてみるとなんだか摩訶不思議な容姿です。


実は先日、このM!のブログに「伝道師」として、コメントしています。(伝道師なのに今期まだ一度も観てないとは何事だ!って話もありますが)

さぁ、私のコメントはどれでしょう?(教えませんが)

 

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ようやく見れたよ。

2007-11-22 | 愛する山口祐一郎さまの件

M!が開幕していますが、いまいちやる気が出ず、盛り上がらない私の心。
仕事をしているときは時間を見つけてはいそいそと出かけていたのに、何故なんだよー。


でも、ほら。一度火が着くととどまることを知らず暴走してしまうワタクシですので、出だしはこれくらいがちょうどいいのではないかと。


まあ、とりあえず両ヴォルフの初日のカテコの様子が動画でアップされたらしいので、それでものんびり冷やかしに行ってみましょうよ。


ってな具合で見に行ってみましたが、見れず・・・・・・うんともすんとも言いません。
ムカついたのでしばらく放置プレイにしときましたところ・・・・・・


しばーらくするとあの聞きなれた軽快な音楽がどこからともなく(明らかにPCからですが)聴こえてくるではないですか!どうやらダウンロードに時間がかかったもよう。


おおう!!やはり「M!」は曲がいいですねー。


うおおおおーーー


やっぱり猊下は素敵だーーーーー!!


今ちょっとしたマントブーム(←王家の紋章の読みすぎ)なので、マントでなないですが、あのマントのように肩にかけた十字架の模様の布にぐっときます。(メンフィスがよくそういう布を肩から掛けている)
そして選ばれた者のみしか履くことが出来ないあのニーハイブーツ。なんて素敵なんでしょう。他の人があれを履いたら「鮎でも取りに行くの?」とか言われちゃいそうなこの世のものとは思えない恐るべき長さです。


それにしても、M!のカテコってこんなに自由な感じでしったっけ?
他の方がブログでおっしゃっているとおり、市村さんが本当に「キャイーーン」ってやってるわ。(あの蹴り上げた足が市村さんらしくて優雅よね)
そして、ヨシオくん(小島よしおにあらず)の初日のときは「(ゆーいちろうーがオレに向かって手を広げてるが)でもそんなのカンケーねぇ!」ってやってるわホントに。(しかもどことなく優雅に)
 

あら、初日はリーヴァイさんがいらしてたのね。
ちゃんとお約束どおりずっこけたりして素晴らしい。
次のVで、もし市村さんのスケジュールが調整出来なかったら、ぜひ教授はリーヴァイさんでお願いします。(しかも扮装なしでそのまま素でOK)


しかしあのリーヴァイおじさんのあからさまなゆーいちろーラブぶりはなんだ!
祐一郎しか目に入っておらんではないか。挨拶した後、祐一郎へ一直線です。ハグした後もラブラブ光線送りまくりです。


あー、でもその気持わかるなあ。
なんかあれなんだよ。ディズニーランドにいるあの方たちと同じようなオーラを発しているんだよねえ。


そんなわけで動画を見てテンション上がって来ました。

 

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『東京国際女子マラソン』に泣いた。

2007-11-18 | ランニング日誌

スポーツ関係、特にマラソンについてはなぜかいつも泣いてしまいます。

それにしても、野口選手は素晴らしかった。
凄いとか素晴らしいとしか言いようのない、本当に完璧なレース展開でした。

前半は高めの気温と強い向かい風の影響で思ったよりペースが上がらず、期待された大会記録は絶望的と思われていたのに、後半のあの爆発的な走り。
35km付近の上り坂では解説の増田さんもおっしゃっていた通り、平地よりもはつらつとしたフォーム、まるで箱根駅伝での山登りのスペシャリスト、順天堂大学の今井選手を思い起こさせる力強い走りで、予想されていた坂道のロスも全くといっていいほどありませんでした。

結果は8年前、今後記録更新が難しいとされていた山口衛里さんがマークした2時間22分12秒のCRを大きく更新した2時間21分37秒の大会新記録での優勝。

強い!強すぎる。
実力のある選手は気温とか風とかレース展開とかそういったものには一切左右されず、自分でレースを作って行けるものなのですね。


これで北京オリンピックへの出場はほぼ決定となりましたね。
前人未到のオリンピック連覇なるか?楽しみです。


渋井さん、残念でした。名古屋か大阪に出場するのかな?それとも1万メートルの方を狙うのかな。


長谷川理恵ちゃんも映ってましたね。夢だった東京国際女子マラソンの出場おめでとうございます。無事完走されたのでしょうか・・・?しましたよね、きっと。
私も死ぬまでに一度は出場したいものです。


大会の顔と呼ばれている資生堂の松田千枝さん、今年60歳になられるそうですが、本当にお美しい。コチラの方です。 またまた増田さんではありませんが、女性ランナー(もちろん含むワタクシ)の目標です。

 

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『恐れを知らぬ川上音二郎一座』観ました。

2007-11-17 | その他舞台

恐れを知らぬ川上音二郎一座
シアタークリエ
11/15(木)13時30分開演
1階6列下手サイド席



行ってきました。

シアタークリエ、ウワサ通りせまいです。
地下2階にある劇場。エレベーターで下りると、まず長方形のロビーのようなものがあり、軽食などをとれるようですが、地下ですので当然窓なんかありませんし、左右から壁が迫って来そうな圧迫感があります。
休憩時間中は片方の壁側にトイレ待ちの長蛇の列ができ、空気が薄くなるのではないかという混雑ぶり。

劇場内はちょうど田舎のシネコンのような広さで、そこに無理やり600席詰め込んだような印象です。(背もたれがやけに薄い感じがしたので、そこを削って席を詰めたのか?)
全体的にはこの間行ったパルコ劇場のような感じでしょうか。

ただ狭い分、ステージと客席が近いので最後列からでも遠さは感じませんでした。
私が座った6列目から段差が付いており、かなり見やすかったです。


お芝居はこけらおとし公演らしく、「コメディー」とはこういうことを言うのだな、というようなお年寄りからお子様まで誰でも気軽に楽しめる内容でした。
残念ながら、私の笑いのツボはあまり刺激しませんでしたが、(前の前の日にDVDで見たクロマティ高校の方が正直面白かったよ)単に私とは笑いの好みが合わなかっただけで、楽しいお芝居であったことは確かです。常に客席ではあちこちから笑い声が漏れていました。


目当てだった堺雅人さんは縞模様の袴とぐるぐるマフラーが可愛らしく、やはり目は笑っているのか泣いているのかわかりませんでした。

堀内敬子さんはまさにキュートといった印象で、本当に10代の東北の少女にしか見えず、ものすごい早口の津軽弁を巧みに操ってらっしゃいました。とっても魅力的な女優さんなので、ろっくを去ってしまうとは惜しい限りです。

その他ひとりずつキャストの印象を書きたいところですが、とてつもなく長くなりそうですし面倒なのでやめておきます。


それにしても、このめちゃくちゃなストーリーをテンポ良くまとめ、キャストの魅力を最大限に生かした演出は、さすが三谷さん。としか言いようがありません。


ユースケがセリフを忘れたのは演出っぽいですね。客席が沸きました。


あの「仕込み」には笑えました。

 

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祝!1ヶ月。

2007-11-16 | 日記といえば日記

ぜんぜんめでたくありませんが。

早いもので失業してから1ヶ月経ちました。
この間、私の名前が「ニー子(←もちろんオット命名)」になったって言うのはお話しましたっけ?


今日は無職生活1ヶ月を記念して、前の職場の方々4人と食事をしました。
1ヶ月ぶりに会う人もいましたが、なんだか毎日会ってたような不思議な感覚。


昨晩うっかり「王家の紋章地獄」にはまり結局寝たのが今朝の5時で、起きたら昼の12時だったという、堕落の極み発言の私に対して、


「掃除どころか私なんか、頭も1日置きに洗うような最悪の生活です。いい事と言えば、ガソリンが高くなって毎日チャリで動いてます。エコです。」


という者(いちおう主婦)もあれば


「最近ずれた眼鏡とヨレヨレのジャージであらゆる場所に出かけられるようになりました。しかも、基本的には家で1日中寝てるのに、家族には夜に決まって、あれ?いたの?いつ帰ってきたの?と毎日聞かれます。もう存在自体が薄くなっているようです」


という者(嫁入り前)もあり、皆なかなかの頼もしい無職生活ぶりである。


その他、近況報告やたわいもない話をしつつ、昼から夕方暗くなる頃まで楽しいひと時を過ごしました。


 



急にぐっと冷え込んで寒くなりましたね。
今日から完全に冬用のランニングウェアにチェンジしました。
走った後に冷えた体で入るお風呂が最高のご馳走です。

 

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ワタシも大変!

2007-11-14 | 日記といえば日記

今、ちまたで霰粒腫(さんりゅうしゅ)が密かにブーム?


そんなワケないですが、霰粒腫ができました。

→霰粒腫とは眼瞼(まぶた)にあるマイボーム腺の出口がつまって慢性的な炎症が起きる結果、肉芽腫という塊ができる病気です。麦粒腫と異なり、細菌感染を伴わない無菌性の炎症です。


症状は3週間ほど前から現われ始めたのですが、同じ頃友人の目にも異常が発生。


そして驚愕の事実に私は戦慄しました。



なんと、彼女も霰粒腫であったとのこと。


これは・・・これは何かの前兆か?
すなわちM!は観るなと・・・こんな顔で祐一郎に会いにいくな、とそうおっしゃりたいのね・・・。誰が?


もちろんそんなことはあるはずもございません。

ちなみに彼女とは同じ夏生まれで血液型も一緒で好きな男も一緒です。


しかも生理の周期も一緒じゃ。(それは言わんでいい)



じゃあの。(←パクリ)



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妄想で楽しもう。

2007-11-12 | 愛する山口祐一郎さまの件

M!の製作発表の質疑応答部分の映像を見に行ったのですが、なぜだかいつまでたっても見ることができず、しまいには

「このビデオは存在しないか、すでに削除されています」

というメッセージが表示される始末。
ああ、そうですか・・・。まあ、見れないものは仕方が無いので、他の方のブログの記事をもとに妄想をめぐらせそれで我慢しようではないか。


山口祐一郎氏のファンである私たちは、彼の数々の計り知れない意味不明の言動により、いろいろ考察したり想像するのが常日頃からクセというか習慣になっていますので、これぐらいの想像(妄想)はとてもたやすいことです。


そして、その超越した妄想力を駆使してもまったく理解不能なお便りが今月もやってまいりました。


一見わかりやすいようで読み進めていくと全然わからないこの文章。
それは真実なのかそれとも虚構なのか?


そういえば、わたしがラーメンを食べた博多の屋台で出会った旅芸人が、昨日レミに出演しているMさんとココで飲んだよ、と言っていた。

恐らく偶然だと思うし、M君が現実のM君とも限らない。彼の世界の中にいるM君かもしれないし。


そもそも彼が屋台のラーメンを食べるとは思えない。 


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『サタデー・ナイト・フィーバー』してないけど。

2007-11-11 | 映画、読書
サタデー・ナイト・フィーバー

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先日「ヘアスプレー」で、ビックママの華麗なるステップを目にしてからというもの、なんだかちょっと気になる存在のジョン・トラボルタ。
そんな彼が本当に身軽だった若かりし頃、一世を風靡し(死語)、社会現象にまでなったというこちらの作品を観てみました。

ジョン・トラボルタが若い(あたりまえだが)。細い!そして毛がスゴっ!!
黒パンツいっちょう&裸体を覆う体毛の濃さに目が沁みました。

体毛が濃い時点で私の守備範囲から大きく反れますが、現在のトラボルタの面影が残る、少し垂れ目になる甘い笑顔にうかつにも吸い込まれていきそうになりました。


ダンスは文句無くカッコイイ。今のダンス技術(っていうの?)からいったら稚拙なんでしょうが、とにかくカッコイイ。華があるっていうのかしら。


ストーリーは思ったよりずっとずっと奥深くて素晴らしいものでした。さすが名作と言われるだけある。


ひとつの橋を挟んで世界が全く違うマンハッタンとブルックリン。
井の中の蛙(またはお山の大将)だったブルックリンに住む19歳の大人になり切れないアウトローな若者が、ディスコで見初めた女性(マンハッタンにお勤め→後に移住)の存在をきっかけに、世の中のいろいろな矛盾や自分の可能性に目覚めて行くのです。


社会現象を起こしただけあって、そのころ社会問題になった、ドラッグや妊娠、レイプ、人種差別、女性蔑視など暗い部分も多く登場しますが、川辺のベンチで橋を見上げながら二人で語らうシーンや、ラストで抱き合うシーンなどは1枚の写真のような美しさがあります。


もちろん、挿入されているビージーズのナンバーも最高です。
軽い気持で観始めた映画でしたが、予想外にものすごく良い作品でした。

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『クワイエットルームへようこそ』観ました。

2007-11-07 | 映画、読書

映画『クワイエットルームへようこそ』
脚本、監督 松尾スズキ
公式サイトはコチラ


阿部ちゃんのパンチパーマとちゃぶ台ひっくり返しが見たかったので、「自虐の詩」と迷いましたが、結局こちらにしました。

仕事に恋に悩む28歳のライター佐倉明日香(内田有紀)。
ある日目を覚ますと、見知らぬ白い部屋に拘束されていた。
そこは閉鎖病棟内の通称「クワイエットルーム」呼ばれる場所だった。


仕事や恋に行き詰った女性が何かの間違いで閉鎖病棟に入れられ、そこのヒトクセある入院患者たちと繰り広げられるブラックコメディーかな、と思いましたが、違いました。というか、それもあったけど、それだけじゃなかった。


確かに冒頭から、「ゲロでうがい」とか「巨大仏壇」とか「限りなく鼻水に見える病院食」とか「髪を自らライターで燃やす他いろいろエキセントリックな行動の患者たち」など、ブラックな笑いが満載ですが、これらにはすべて理由があり、明日香の事故だと思っていた「睡眠薬とアルコールの過剰摂取」も実は深い理由が隠されていたのです。


前半はゲラゲラ笑っている部分が多かったのですが、後半、事実が明らかになっていくにつれて、どんどん物語に引き込まれて行きました。


人は誰でも問題を抱えて生きている。
普通とそうでない境目っていったい何?


人は誰でも何かしら問題を抱えて生きています。
それに目をつむり、「面白いもの」以外(夫も含む)はすべて排除した結果、それによって行き詰まり追い込まれ、最後には心の線が切れてしまった明日香。


「生きるって重いことよ~。ウヒャヒャヒャヒャー!」

という狂気が入り混じった西野こと大竹しのぶさんの残酷なセリフが、ずしりと胸に響きました。


「それでもわたしは生きている。」


すべての原因が明らかになり、それを受け入れた明日香が見たものとは?

・・・うーん、なんだったんでしょうね。
明日香が退院したのと同時に、先に退院した栗田(中村優子)が再び救急車で病院に運ばれて来ます。


明日香も再び、ここに戻って来てしまうのか?
それたも新たな人生を踏み出すことができるのか?


その先のことは描かれていませんが、ラストの長くて暗いトンネルの先に見えたシャバ(現実世界)の明るい光が、なんだか明日香の明るい未来を暗示しているような気がしました。


そんなわけで、笑いのオブラートに包まれて、けっこうさらりとした印象ですが、実はわりと重くて暗い話ではあります。
ですが、冒頭は笑わせ、中盤以降はほろりとさせ、最後はなんとなく前向きな気持で映画館を後に出来るという素晴らしい作品です。もう一度観たいな。


ちなみにわたしが一番好きなのは、入院患者がみんなで踊る「恋のフーガ」のシーンです。
エンドロールで「振り付け 松尾スズキ」と出てきたときは館内爆笑でした。


そして、キャストが豪華です。
主役の内田有紀ちゃんやクドカン、大竹さん、りょうさん他、みなさん演技がすごい。
拒食症役の蒼井優ちゃんは本当にガリガリで、この映画のために7キロの減量をしたそうですよ。
イカれたパンキッシュ野郎のコモノ役の妻夫木くんはまゆげがつながっちゃって、イイ男の影が微塵もありません。


その他もったいないくらいたくさんの俳優さんがちょい役で出ています。公式サイトを見たらびっくり。旅館の女将が俵万智さんで、番頭がしりあがり寿さんでした。「ハリセンボン」のはるかちゃんはわかったけど、春菜ちゃんはわからなかったな。
「レズの白井医師」が徳井優さんてのには笑った。

 

余談ですが、ラストの明日香がタクシーにのってるシーンの窓に映る風景とかトンネルのシーンが実家の近くの風景とそっくりなんですよね。
調べてみましたがやはりわからず。公式ブログで質問してみようかしら。


あ、あと、やっぱり看護士さんてすごいなぁと思います。
ホント、頭が下がります。
 

 

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