4分間のピアニスト
監督・脚本 クリス・クラウス
2006年 ドイツ 115分
2008年2月11日(月)
★★
公式サイト
ドイツアカデミー賞で作品賞、主演女優賞を受賞した作品です。
幼い頃に「神童」と呼ばれるほどの天才的なピアノの才能を持ちながら、殺人の罪で服役するジェニー。
暴力的で他人に心を開かないジェニーの中の並々ならぬピアノの才能を見抜き、それを開花させることが自分の人生の責務だと直感し、残りの人生全てを賭けて彼女をドイツオペラ座に立たせようとする老ピアノ教師クリューガー。
暗い過去に支配され他人に心を開かず孤独に生きてきた二人が、激しくぶつかり合いながらも徐々にピアノを通して心を通わせて行く。
やがて明らかになっていくお互いの心の傷。養父からのレイプ、無実の罪、死産、ナチス時代の記憶、同性愛、裏切り、愛する人の死。
暗い過去の傷を乗り越えて立ち上がり生きる意味を見出していく課程を描きたかったと思うのですが、あまりにもエピソードが盛りだくさんのうえにドラマティック過ぎて、主人公たちに感情移入が出来ませんでした。
もう少しそのあたりを的を絞って繊細に描いて頂けていたら、それこそ劇的に感動の度合いが違って来たと思います。
クライマックスのオペラ座の演奏シーンも期待しすぎたせいか、「えっ・・・(絶句)」という感じでした。
あの曲は二人が縛られていたものから解放され、新しい世界へ旅立つことの象徴だったと思うのですが、個人的には神業のような美しいピアノ演奏で締めて欲しかったな。
ラストのジェニーの美しいお辞儀が心に残りました。
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