ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

捕獲。

2012-04-17 | Weblog
昨日の出来事ではあるが、衝撃的だったので書いてみる。


毎度おなじみBooじーちゃ。
顔を見に行くついで&汚れ物の引き取りに、珍しくあねうえどのがおかんさまについていくことに。
恒例の「これ、誰?」確認には、なぜかあねうえどのをワタクシメと間違えられていたらしいが、それはまあともかく。


これまた珍しいことに、他の人の汚れ物が混じっていたことが発覚。
返しに行かねばならぬというので、またもやあねうえどのとおかんさま出撃。


…………。


…………。


…………。


出てったっきり戻ってきませぬ。


二時間以上たって、ようやく帰ってきたあねうえどのとおかんさま。


開口一番。


「徘徊していたおじいさんを保護してきた!」


…………ナンデスト?!


なんでも、最初に出かけた時から、パジャマのような異様な風体でふらふらしていたのを見かけていたそうな。
いったん帰宅した時にもふらふら。
もう一度出たときにも、横断歩道を信号が変わるまでに渡りきれず、道のど真ん中で一息入れているのが目に入ったそうな。
……この間、一時間以上たっている。そして見かけた場所から推定するに、その間えんえんと歩いていたようだ。


認知症患者というのは、どこか「行かなければならない」という目的意識が強くなって、とんでもない遠くまで移動してしまうことがある。
一度やらかしてくれましたBooじーちゃ。
その時は親戚の人がたまたま見つけてくれたからよかったものの、徘徊というのは我が家にとっても他人事ではない。


そんなわけで、声を掛けてみたところ。


「かまわないでください」とは言うが。
よく見れば服は異様に汚れ、導尿カテーテルが見えているという状態。
座らせようとしたら足ががくがくしていたというから、やはり相当な距離を歩いていたようである。
いくら尋ねても名前を言わないので、警察に連絡して後を任せたというが。
いったいどこから歩いてきたものやら。





それでも、最後におかんさまとあねうえどのにお礼を言ったそうなおじいさん。
やはり残るものは人格の骨組であるようだ。
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