うりゃの映画あれこれ

貴君の好物を私も好きとは限らない。同様に私の好物を貴君は嫌いかもしれない。ひとそれぞれ。
主にレンタルDVDで鑑賞。

南極料理人

2010年06月03日 | 邦画
南極料理人 (2009年 日本 125分)

ここは南極。昭和基地から1000kmも離れ、標高3810mに位置する「ドームふじ基地」。
年平均気温マイナス54.4℃。記録された最低気温マイナス79.7℃。
ペンギンやアザラシどころか、ウイルスさえ生存しない極寒のさいはて。
孤立した地で暮らす8人の男たちの壮絶な日々を描く・・・ではなくて。
(ま、実際は壮絶で過酷ではあるんでしょうけれど。)
映画は、の~~んびり、ほのぼのと話は進行します。
実際に第38次越冬隊の調理担当として赴任した、海上保安官の西村淳氏のエッセイが原作。

調理担当・西村役に堺雅人。
彼の「えっ・・・。(っと止まる)」という演技スタイルが全員に感染したようなテンポのお話。
望んでやってきた氷雪研究者や気象研究者はともかくとしても、
車両担当や通信担当、そして西村も「なんでオレがこんなとこに・・・。」というクチ。
それでも、せっせせっせと西村はプロフェッショナルに見事な料理を作るが、
「すげぇ」とも「おいしい」とも言わずに毎食がっつく男たち。
その描写がいかにも日本人の野郎どもっぽく、私的には笑える。

赴任後やがて白夜の夏が過ぎ、一日中太陽が出ない冬になると鬱積もたまる。
精神安定剤たる夜食のインスタントラーメンは食べつくされてしまった。
日本に残された妻や超・遠距離恋愛の彼女は電話口でそっけない。
男たちの悲哀が多少のドタバタとともに笑いと涙を誘う・・・かな?(^^A;

面白いエピソードを羅列しただけという感はあるが、それでものんびりと楽しめた。
料理は「かもめ食堂」などの飯島奈美なので、目でも楽しめます。
「海老はフライだろ!!」と全員に押し切られて、立派な伊勢海老を嫌々フライに仕立て、
そのあげく「やっぱ刺し身だったかな・・・。」などと言われてしまう。 ぷぷぷっ。

追い詰められた緊迫した状況かと思わせておいて、
「じゃあ、やるぞ。・・・××。」(ネタばれにつき伏字)という冒頭のズッコケが、
本作の雰囲気をよく表しています。
出演は堺雅人、生瀬勝久、きたろう、西田尚美ほか。


※ 鑑賞後、ラーメンが食べたくなるのであらかじめ御用意下さい。


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